『バイオハザード』シリーズは現在、大きなピンチに立たされています。
それが、パクリ問題です。
最新作『バイオハザードヴィレッジ』では、映画監督が
自らの映画のキャラクターを盗作された
という声明をあげました。
加えて、コンセプトアートでのトレパク疑惑も浮上!
さらには、
『バイオハザード4』など、カプコンが複数の自社タイトルで写真の無断使用をした
として、提訴されました。
当記事では、『バイオハザード』シリーズで現在話題となっている、パクリ盗作疑惑について紹介をしていきます。
『バイオハザードヴィレッジ』のパクリ疑惑
『バイオハザード』シリーズ最新作、『バイオハザードヴィレッジ』は、大人気発売中のゲームです。
しかし、そんな『バイオハザードヴィレッジ』に対し、とある人物が苦言を呈しました。
その人物というのが、
映画『武器人間』のリチャード・ラーフォースト監督
ラーフォースト監督は、『バイオハザードヴィレッジ』が
『武器人間』のキャラクターをパクっている
と主張したのです。
ビジネスSNSのLinkedin内にて、
2013年、私は『武器人間』という映画を作った。
この映画は私がデザインしたクリーチャーが登場する、クレイジーなモンスター映画です。
そのモンスターの1体が、『バイオハザード』の最新作に、完全に無許可かつクレジット無しで使用されています。
と発言しました。
実際に、画像で比較してみましょう。
左が映画『武器人間』のプロペラヘッド、右が、『バイオハザードヴィレッジ』のシュツルムです。
『バイオハザードヴィレッジ』が、さまざまなホラー作品やオカルト伝説をモチーフにしているので、似てしまうのは仕方ないと思います。
しかし、細部を見ると結構違いが見られますし、なんとかオマージュの範囲と言ってもよさそうです。
ここまでなら、まだ問題視されることはありませんでした。
『バイオハザードヴィレッジ』のパクリ・盗作疑惑がより確信に繋がった原因というのが、
限定版についてきたコンセプトアートの画像
コンセプトアートというのは、最終的なデザインをこんな感じにしたい!という構造を具体的に伝えるためのもので、ゲーム内デザインとは異なります。
そのコンセプトアートに、トレパク疑惑が浮上したのです。
トレパクの疑いが出たのは、ドミトレスク夫人とドミトレスク三姉妹のコンセプトアート。
まずは、ドミトレスク夫人のコンセプトアートと元となった画像を比較してみましょう。
左がコンセプトアートで、右がスウェーデン北方民族博物館に所蔵されている、エリック・ホルメンという写真家の作品です。
胸元に花がついている、ドレスの長さが短い、表情が笑顔、左手にキセルを持っているなどの違いは見えるものの…
モデルの体型や髪型から、ドレスのシワまで完全一致している
ことがわかりますね。
おそらくは、元の写真をトレパクし、そこから雑にドレスを切ったり左手を貼りつけたりしたのでしょう。
ドレスのシワまで完全一致していれば、さすがに言い逃れはできません。
もう1つ、ドミトレスク三姉妹のコンセプトアートの画像は、
ファッション通販サイト『グレアショップ』のとあるゴスロリ服の紹介ページの画像と一致
していることがわかりました。
実際に、画像を比較してみましょう。
左がゴスロリ服の販売ページのモデルさんで、右がドミトレスク三姉妹のコンセプトアートです。
左のオリジナルの画像は右向きだったのですが、それをわかりやすく反転させています。
ポージングが完全に一致していますよね。
この時点でもうアウト!と言いたいのですが、こちらもドミトレスク夫人同様、
服の模様まで完全一致しています。
模様まで同じになるなんて普通はありえません。
完全にトレパクであり、言い逃れは不可能でしょう。
一応、これらはコンセプトアートであって最終デザインではないのでいいように思えますが…。
このコンセプトアート、実は先述した通り『バイオハザードヴィレッジ』の限定版に付属しています。
つまり、
限定商品としてコンセプトアートを売り物にしている
わけで、トレパクを限定版の売り物として利用している時点でアウトではないでしょうか。
『バイオハザード4』など他カプコン作品でも盗作疑惑が!
『バイオハザードヴィレッジ』におけるパクリ疑惑のほかに、カプコンにはもう1つ、重大な問題が明らかになりました。
なんと、
カプコンが最大1,200万ドルの損害賠償に加え、使用した写真1枚につき2,500ドルから25,000ドルの支払いを求めている提訴をされた
とのこと。
一体、カプコンは何をやらかしたのでしょうか?
2021年6月になって明らかになった、カプコンの新しい疑惑。
それは、
デザイナーのジュディ・A・ユラチェクさんの写真集『Surfaces』のに写真80枚、本の内容100ページ以上が無断使用されていた
という、オマージュを超えた、完全な盗作でした。
ユラチェクさんによれば、盗作は『バイオハザード』シリーズや『デビルメイクライ』で確認できたみたいです。
写真はユラチェクさんに許可を取れば使用できるようになっていたのですが、カプコンからの連絡は一切なかったとのこと。
よって、提訴することにしたのです。
盗作が発覚したのは、2020年11月に発生した、カプコンへの不正アクセスによるデータ流出事件。
この不正アクセスによって、
流出した高解像度の画像データや、ゲームで使用されているファイルの少なくとも1つが、写真集のCD-ROM内のファイル名と同じ名前だった
ことが、明らかになったのです。
まさか不正アクセスがきっかけで画像の無断使用が発覚するなんて、驚きですよね。
本当に盗作をしていたのかどうか、実際の訴訟文書に載っていた画像の比較で確認していきましょう。
たとえば、『バイオハザード4』のロゴ。
『バイオハザード4』の『4』の部分のひび割れが、イタリアで撮影したというユラチェクさんの写真内のものと一致しているのです。
訴状内には、カプコンがわざわざ同じ写真を撮る可能性は極めて低いとしています。
これだけではわかりにくいので、もう1つ、盗作の根拠になりそうな比較も紹介しますね。
左が『バイオハザード4』に登場するもの、右がユラチェクさんの作品『W061』です。
確かに、この扉のようなものは、デザインが全く同じように見えます。
ユラチェクさんによれば、この写真はアメリカのロードアイランド州ニューポートで、とある邸宅を撮影したものだそうです。
盗作の根拠として、
この邸宅は一般に公開されていないので、カプコンが同じ写真を撮影することは不可能
と訴状には書いてあります。
まぁ、カプコンの社員がこの邸宅の持ち主が友人だった、もしくは同じ建築家がデザインした家を持っている知人がいたという可能性もなくはないですが…。
だんだん盗作に思えてきました。
極めつけは、『Surface』のCD-ROMとカプコンのデータでファイル名が同じだった画像です。
同じファイル名だったのは、『ME009』という作品。
こちらは、『バイオハザード7』で使われました。
実際の比較画像は以下の通り。
左がオリジナルのもの、右の上部にあるものが『バイオハザード7』で使用されたものです。
ユラチェクさんサイドは、丸で囲まれた部分の模様が一致していることから、オリジナルの『ME009』の一部を切り取ったものだと主張しています。
まぁそもそも、
『ME009』に至っては画像のファイル名まで同じ
なので、さすがに言いがかりで済む問題ではありません。
完全にアウトです。
以前、カプコンはパクリだと言ってコーエーテクモを訴えたことがありましたが、真のパクリ企業はカプコンだったようです。
自分のことを棚上げし、他社に対してはパクリだとイキリ散らしていたのだと思うと、カプコンに完全敗訴してほしい思いが強まりますね。
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まとめ
『バイオハザードヴィレッジ』など、カプコンのパクリ・盗作疑惑を検証しました。
『武器人間』は、パクリとも言えますがオマージュでも言えそうでした。
しかしドミトレスク夫人やドミトレスク三姉妹のコンセプトアートに至っては、
服の模様まで一致していることから、完全なトレパク
であり、アウトでしょう。
それだけでなく、2021年6月になって、『バイオハザード4』など他カプコン作品で写真集の画像の無断使用が判明。
写真集の作者に提訴され、訴状には、
酷似している画像のファイル名が、写真集のCD-ROMで使われていたファイル名と全く同じだった
という、言い逃れできない盗作の証拠まで突きるけられていた始末。
それにしても、恐ろしいのは、カプコンの盗作が明るみになったのが、不正アクセスによるデータ流出だったところです。
ハッキング被害に遭わなければ、今回の盗作疑惑は永遠に隠し通されていたのだと思います。
何より、
個人が制作した画像を無断使用している企業が他にもいて、ゲーム業界で横行している可能性
が出てきたことでしょうね。
今後、ネットユーザーの間でパクリ・盗作探し運動が始まらないことを祈るばかりです。