中日ドラゴンズの2021年のシーズンは、与田監督3年目のシーズンです。
契約では、与田監督は3年契約。
なので、仮に最下位や5位だった場合、解任される可能性もあります。
実際、2021年の中日は、ほとんど補強をしなかったため、戦力が前年と大して変わらず、苦戦を強いられています。
もしこのままいけば、与田監督は2021年のシーズン限りで退任も見えてきそうです。
となると、次期監督候補は誰なのか気になりますよね?
この記事では、中日の次期監督を予想していきます!
最近の中日の監督から傾向を探る
まずは、最近の中日の監督から、監督になる人物にどんな傾向があるかを探ってみます。
順に追っていきましょう。
2019年~:与田剛
現在の監督は、与田剛監督です。
現役時代は中日でプレーしましたが、使い過ぎで潰されてしまい、その後は色々な球団を転々とするも1軍登板かなわずに引退。
2000年に引退し、その後は指導者となります。
経験は全くなかったのですが、2016年に楽天のコーチに就任。
そして、その実績から、2019年に中日の監督に就任しました。
2016年途中~2018年:森繫和
2016年のシーズン途中で、谷繫監督が不振により休養となったことで、代行で監督を務め、その後に正式に監督となったのが森繫和さんでした。
現役時代は、西武一筋で、中日とは全く関わりがありません。
引退後もコーチとしては、しばらく中日とは縁がありません。
しかし2004年。
落合監督就任時に招聘されたことで、ようやく中日との接点を持つことになったのです。
中日のOBではない監督
になるわけですが、森繫和さんは監督代行からの正式就任という、シーズン途中で前監督が解任された時によく見られるパターンだったため、特別な例だと言えます。
2014年~2016年途中:谷繫元信
谷繫元信さんは、横浜に入団し、その後FAで中日に移籍した後は、不動の要として、落合政権下の黄金期を支えたキャッチャーでした。
2014年に、選手兼任監督を務めましたが、専任監督となった2016年途中で休養、事実上の解任をされています。
2012年~2013年:高木守道(第二次)
高木守道さんといえば、2代目ミスタードラゴンズと呼ばれた、三拍子そろった往年の名選手。
中日一筋で21年プレーし、引退後は監督を4年間務めましたが、1度も優勝できずに退任。
その後はOB会長を務めるなど、中日OBの中でもかなり存在感のある人物でしたね。
落合博満監督が退任した後、2度目の監督として、2012年と2013年の2年間、指揮を執りました。
監督を務めた期間は、合計で6年になります。
2004年~2011年:落合博満
中日の黄金期とも言われる時代を作ったのが、落合博満さんでした。
その年数からわかる通り、
8年間も監督を務めた
ことから、いかに落合政権時代の中日が好調だったかが伺えます。
現役時代はロッテからトレードで中日に移籍し、7年間プレーしました。
現役引退後は、指導者としての経験は臨時コーチ程度でしたが、2004年にいきなり中日の監督に就任…。
監督の条件として、指導者歴はそこまで重視していないのかもしれません。
2002年~2003年途中:山田久志
2002年から2003年の途中まで指揮を執ったのが、山田久志さんです。
山田久志さんはブレーブス・ブルーウェーブOB会会長を務めており、現役時代は阪急一筋で20年プレーした、伝説のサブマリン投手です。
中日との関わりを持ったのは1999年、星野仙一監督(当時)からの誘いを受けて投手コーチに就任したことがきっかけでした。
そして2001年に監督になるのですが、中日のOBでもない山田久志さんが、どうして監督になったのか?
その理由には、
星野仙一さんの意向によるものが大きかったようです。
つまり、
前任者の意向があれば、中日のOBであるかどうかは関係ない
と言えますね。
1996年~2001年:星野仙一(第二次)
1987年から1991年まで監督を務め、健康上の理由で退任していた星野仙一さん。
高木守道さんが監督を退任した後の1996年から2001年までの6年間、第二次星野政権として指揮を執りました。
星野仙一さんと言えば、中日一筋14年、エースナンバーの背番号20(最初は22でした)を背負って活躍した往年の名選手です。
星野仙一さんの前に、監督を務めていた高木守道さんもそうでしたが、
その球団一筋で活躍した名選手が就任する、監督の典型的パターン
は、中日でも採用されていることがわかりますね。
と、ここまで辿れば、中日の監督選考基準が見えてきますね。
中日の監督候補となる人物は、近年の傾向を見る限り、
- 基本的には球団OB(名選手と呼ばれる現役時代の実績ある人が多め)
- OB以外も就任しているため、OBに拘っているわけではない
- 非OBの場合、前任者退任時にコーチとして在籍している人物が選ばれる
この3つだと言えます。
中日の次期監督候補は誰?
過去の傾向を見たうえで、改めて、中日の次期監督候補が誰なのかを予想していきます。
筆者が個人的に、中日の次期監督候補最有力だと思っているのは、
立浪和義さん
です。
立浪和義さんは、現役時代は中日一筋22年でプレー。
ミスタードラゴンズと呼ばれ、試合数・安打数の球団通算記録を持つ、中日を代表する名選手です。
しかし、意外にも指導者経験は選手兼任コーチを務めた2年だけで、引退後は解説者として活動。
ファンからは監督就任を望まれ、立浪和義さん本人も意欲を見せています。
にもかかわらず、全くと言っていいほど首脳陣入りしなかったのです。
まるで中日が立浪和義さんを避けているようにも見えますよね。
実は、それには大きな理由があるんです。
それこそが、中日という球団が抱えている癌と言ってもいい、
親会社の派閥争い
です。
中日の親会社である中日新聞は、戦時統合によって、新愛知新聞と名古屋新聞が合併してできた新聞社です。
そのせいもあって、
- 新愛知新聞の創業家である大島派
- 名古屋新聞の創業家である小山派
の2大派閥が存在し、現在も2大オーナー制をとっているという、いびつな構造ができているのです。
まるで鎌倉時代かとツッコみたくなりますよね。
非常にくだらない構造です。
そして、親会社の派閥争いは、迷惑なことに子会社である中日ドラゴンズにも影響。
2003年の落合監督就任は、小山派の白井前オーナーが落合博満さんを気に入っていたこと
から決まり、2013年の落合GM就任にも、白井前オーナーの意向が反映されています。
そして大島派の反乱として代表的なのが、2012年の落合監督退任です。
落合監督を退任させる中心人物として動いていたのが、当時球団社長だった坂井克彦氏。
大島派だった彼が中心になって落合監督を退任に追い込んだものの、第二次高木監督時代の成績が不振だったために、小山派からの反撃に遭い、
2013年、白井オーナーが落合博満さんをGMとして中日に復帰させ、坂井球団社長を中心とする大島派を一斉に退陣させました。
そして、落合GMを中心とした、小山派の白井オーナーが再び権力を取りもどし、以降は長きにわたり、小山派の時代が続いたのです。
立浪和義さんは、星野仙一さんが監督だった時代に育っていき、彼の影響を大きく受けた人物です。
また、2006年の代打の切り札への転向の一件から、落合博満さんと立浪和義さんの相性が悪い噂もよく耳にしましたし、これらの理由から、
白井オーナーが立浪和義さんを遠ざけていた
と思われます。
しかし、2020年に転機が訪れました。
2020年2月の取締役会で、白井オーナーが退任、新たなオーナーとして大島宇一郎氏が就任した
のです。
苗字からわかる通り、大島宇一郎オーナーは、新愛知新聞創業家の大島家の出身です。
中日新聞社の社長も兼任しています。
中日のトップが大島派のオーナーになったことで、2021年の春のキャンプ時には、
球団からの直接依頼で、立浪和義さんが臨時コーチを務めることになりました!
それまで全く声がかからなかった白井オーナー時代から一転し、大島オーナーになった途端、球団から直々にコーチをしてほしいという依頼をするなんて…
これはもう、立浪監督誕生への足掛かりと考えていいのでは?
現在の大島オーナーは、野球に関心がありそう(オーナー就任の同年に、横審の委員になっている)なので、監督の人選も「あれは嫌、これは嫌…」とならなさそうですし…
その他の監督候補だと、立浪監督では指導者経験が少なすぎることから、
仁村徹2軍監督が昇格する
という可能性も、十分にあり得ます。
正直なところ、仁村徹さんは2軍監督適正があるので、1軍の監督が務まるのか怪しいところではあります。
ただ、仁村徹さんといえば、
現役時代は星野監督の下でプレー、引退後は中日で2軍監督、星野政権下の楽天で1軍作戦コーチを務める
など、大島派の筆頭格とも言える人物だった星野仙一さんの”闘将の魂”の継承者でもあるのです。
そういう意味では、仁村徹さんが監督になる可能性が残ります。
また、かなり大穴な予想と思われそうですが、
牛島和彦さん
の可能性もあると、筆者は考えています。
牛島和彦さんは、中日で7年間活躍し、トレードでロッテに移籍して引退後は、横浜の監督を務めていました。
現在はCBC解説を務めています。
一般的に、
東海テレビが小山派、CBCが大島派の人を解説者として起用している
と言われているのです。
大島派の人物であり、『プロ野球を10倍楽しく見る方法』という本には、
トレードの際、実はいつか中日にコーチとして呼び戻すという密約をしていた
なんて噂もあった牛島和彦さん。
意外にも、次期監督候補の可能性が十分にある人物なんですよ。
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まとめ
過去の傾向から中日ドラゴンズの次期監督候補を紹介しました。
傾向から察するに、中日の監督候補となるような人物は、
OBであることが基本だが、巨人のようにチーム一筋で終わった人物でないといけないわけではない
と考えることができます。
そして次期監督候補ですが、筆頭は望む声も多い、
立浪和義さん
でしょう。
白井オーナーが退任し、新しいオーナーが大島派の人物になったことで、立浪和義さんを阻む壁はなくなりました。
いよいよ、ミスタードラゴンズが監督になる日が秒読みになったと言えます。
と、ここまで次期監督候補について予想してきましたが、筆者としては、まだまだ与田監督に頑張ってもらいたいと思っています。
コロコロ監督が変わるよりは、長期政権になるに越したことはないですからね。