『ナーフ』という言葉を知っていますか?
オンラインゲームやテレビゲーム、アプリゲーム、カードゲームをやっている人なら、きっと意味を知っているでしょう。
基本的には、ゲーム業界で使われている言葉です。
でも、一般的にはナーフという言葉の意味を知らない人が多いはず。
また、ナーフ自体は知っていても、なぜナーフと呼んでいるのか、語源が気になったりしますよね。
この記事では、ゲーム用語のナーフについて、意味や語源について解説していきます。
ナーフの意味は?
オンラインゲームやカードゲームをプレイしていると、
「○○がナーフされたか…」
「明らかにこのキャラクター、壊れてるからナーフしろよ」
とナーフという言葉を耳にすることがあります。
ナーフとは、どういう意味なのでしょうか?
ゲーム用語としてのナーフは、
- 下方修正
- 調整による弱体化
という意味があります。
武器、キャラクター性能はもちろんのこと、アイテムやスキルの内容もナーフの対象となります。
しかし、あくまでも以前より性能が下がった、強さが弱くなったことを指す言葉であり、強くなった場合には使いません。
逆に強くなった際には、
バフ
という言葉を使います。
バフの対義語はデバフなのですが、意味的にはナーフの対義語にもなるわけです。
他にも、『アッパー調整された』と表現することもありますね。
スラングのような言葉で、正式にこれと決まった対義語はないと考えて良いです。
ただ、最近は、
イラストナーフ
というような、
イラストの露出が修正されてしまう
といった、絵の魅力を損なう修正が行われた際にも、ナーフが使われるようになってきました。
スラングも時代によって、使われ方が変化しているのです。
使う場面が多いのは、
定期的にアップデートされていくオンラインゲームやテレビゲーム、デジタルカードゲーム
でしょうか。
とくに、対戦要素のあるゲーム。
バランス調整によってキャラクターのバフ、ナーフが起こりやすく、使い手がアップデートの度に、一喜一憂している姿をよく見かけます。
中でも、ナーフという言葉が日本で浸透するようになったきっかけが、
カードゲーム
ですね。
一般的なカードゲームであるTCG(トレーディングカードゲーム)の場合、
実物を販売しているため、調整には刷り直しが必要になってしまい、簡単にナーフすることができず、禁止カードや制限カードという措置を取られることが多い
です。
それに対して、DCG(デジタルカードゲーム)は、ゲーム内のデータであるため、
比較的下方修正をしやすく、ナーフが定期的に行われている
そんな印象を受けます。
例としては、『ハースストーン』や『シャドウバース』ですね。
ただ、ナーフという言葉の認知度が上がってきているとはいえ、SNSのサジェストから見るに、
弱体化
という言葉のほうが多く使われています。
コアなゲーマー層ならともかく、近年はライトユーザーも増えましたし、ナーフという言葉が通じないこともあります。
使う時には、注意してくださいね。
わざわざナーフなんてスラングを使わなくても…
と思うかもしれません。
しかし、ナーフはナーフで、
入力する文字数が、弱体化よりナーフの方が少なく済むので、打つのが楽
というメリットがあるので、ナーフという言葉を使う人が多い一面があるんですよ。
ナーフの語源・由来
ナーフの意味自体は知っている人が多いのですが、
どうして弱体化のことをナーフというようになったのか?
までは、知らない人が多いです。
英語で弱体化のことをナーフというわけではないのに、どうしてナーフという言葉が弱体化を意味する言葉になったのか…。
次に、ナーフの語源についても解説していきましょう。
ナーフの語源となったのは、
おもちゃメーカー・ハズブロ社が販売している銃型のおもちゃ『NERF』(ナーフ)
です。
『NERF』(ナーフ)は、画像を見てわかる通り、カラフルな、いかにもアメリカ的と言わんばかりの、SFチックな銃のおもちゃです。
(銃社会のアメリカでは、リアルに寄せたモデルガンを向けられて実銃で撃ち返しても正当防衛が成立するため、このようなデザインになっています。)
『NERF』(ナーフ)は、スポンジ製の弾『ダーツ』を発射して遊べます。
このおもちゃの銃が、弱体化と何の関係があるのかというと、ユーザーが、
「強かった武器が、『NERF』のよう(おもちゃレベル)に弱くなってしまった」
と例えたことがきっかけです。
例えに出された『NERF』(ナーフ)が、弱体化を意味するスラングとなり広まっていったのです。
しかし、弱体化がナーフと呼ばれるようになった由来となるゲームは何だったのかについては、実ははっきりしていません。
ネットスラングであることは確実なのですが、由来となったゲームには諸説あり、
FPSで、とある銃が弱体化された際にネットユーザーが投稿したコメント
だとする説や、
『ウルティマオンライン』で、ある武器が弱体化調整された際に発したネットユーザーのコメント
とする説があります。
今のところ、後者の説が有力です。
『ウルティマオンライン』の開発者であるラフ・コスター氏が、
「『nerfing』という言葉が使われるようになったのは、ウルティマオンラインのせいだ」
と、自身のブログで述べていることが根拠にされています。
『ウルティマオンライン』では、強い剣があったのですが、その剣が弱体化調整を食らってしまい、ネットユーザーが、
「これじゃまるで『NERF』で叩いてるみたいだ…」
という不満をこぼしたのだとか。
これが話題になり、ナーフが広く浸透していったと言われています。
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まとめ
ゲーム業界で使われている、ナーフという言葉について、意味や語源・由来を解説しました。
ナーフとは、
バランス調整によって弱体化、下方修正されること
を指す言葉で、対義語には『バフ』が存在します。
語源となったのは、ハズブロ社の販売している銃型のおもちゃ『NERF』(ナーフ)が元でした。
実際の商品から生まれたスラングだったんですね。
スラングとなった経緯には、今のところ、『ウルティマオンライン』の武器が弱体化された際に、ユーザーが、
「武器が『NERF』みたいだ」
という旨の発言をしたことが有力です。
筆者は、ナーフの意味自体は知っていましたが、まさか実際にあるおもちゃが由来になっているとは…
驚きですよね。