『お腹の健康のために飲む乳酸菌飲料』と言えば、まず『ヤクルト』を思い浮かべます。
もちろん、乳酸菌飲料はヤクルト以外にもたくさんあります。
その中でも有名なのが、『ピルクル』。
見た目も色もヤクルトによく似ているので、『ヤクルトもどき』なんて言われることもあります。
では、『ヤクルト』と『ピルクル』、一体何がどう違うのでしょうか?
同じ乳酸菌飲料でも、効果や成分が違ったりするのでしょうか。
ということで、この記事では
『ヤクルト』と『ピルクル』の違いについて、いろいろな角度からチェックしていきます!
ヤクルトかピルクルか迷っているあなた、ぜひ読んでくださいね!
元祖と類似品(もどき)を比較!『ヤクルト』と『ピルクル』はどう違う?
ヤクルトとピルクルでは効果が違う?
結論から言うと、
ヤクルトのほうがピルクルよりお腹に良い効果が高いです。
なぜ同じ乳酸菌飲料でも効果が違うかというと、
ヤクルトとピルクルでは、入っている乳酸菌の種類と数が違うからです。
ヤクルトでは、製品によって乳酸菌の数が違うので、ここでは『NEWヤクルト』で比べます。
NEWヤクルト
⇒シロタ株(L.カゼイYIT9029)が、1本あたり200億個
ピルクル
⇒カゼイ菌(NY1301株)が1本あたり150億個以上
では、それぞれの乳酸菌の効果を比較していきましょう。
ヤクルトで使われている『シロタ株』の効果
ヤクルトの公式サイトによると、ヤクルトで使っている『シロタ株』には
- 腸内環境が改善され、便秘気味の人はスムーズにお通じが出るように、軟便気味の人は排便回数が減るようになった
- 生きたまま腸まで届く
- 腸内のビフィズス菌を増やす
- 大腸菌群を減らす
- お腹の中の『インディカン』という有害物質を減らす
参考 ヤクルト 乳酸菌『シロタ株』はココが違う!
という効果があることが、ヒト試験のデータで確認されているのです。
ピルクルで使われている『カゼイ菌』の効果
ピルクルの『カゼイ菌(NY1301株)』の特徴は
- 高確率で生きたまま腸まで届き、腸で増えやすい
- ビフィズス菌やカゼイ菌、アシドフィルス菌などの善玉菌を増やし、大腸菌、ウェルシュ菌などの悪玉菌を抑える
という効果になります。
ただし、こういった効果があるとわかったのは、
生きて腸まで届くかどうか
⇒人工胃液や人工腸液での実験
善玉菌を増やし、悪玉菌を抑えるという結果
⇒培養での実験
による結果です。
ですから、ヤクルトのようにヒト試験をした結果ではないのです。
ヒト試験をしているという点では、ヤクルトのほうが確かな感じがしますね。
メモ
NEWヤクルトとピルクルでは、試験の仕方は違いますが、
どちらも消費者庁の審査で有効性や安全性が認められた、『特定保健用食品』の認可を受けている食品です。
安心して飲んでくださいね。
NEWヤクルトとピルクルの栄養成分と原材料を比較!
NEWヤクルトとピルクルの栄養成分は、以下の違いがあります。
栄養成分 | Newヤクルト
1本65mlあたり |
ピルクル
1本65mlあたり |
熱量 | 50kcal | 44kcal |
たんぱく質 | 0.8g | 0.8g |
脂質 | 0.1g | 0.1g |
炭水化物 | 11.5g | 9.8g |
食塩相当量 | 0~0.1g | 0.03g |
こうしてみると、栄養成分は、種類も量もほとんど変わりないですね。
一方、原材料はどうかというと、これも大きな違いはありません。
でも、入っている割合が違います。
Newヤクルト | ピルクル | |
原材料 |
|
|
原材料の書き方は、『割合が多い順』で書くことが決められています。
この表では、『ブドウ糖果糖液糖』と『砂糖』の順が、ヤクルトとピルクルで入れ替わっていますよね。
ですから、
- ヤクルトではブドウ糖果糖液糖の割合が多い
- ピルクルは、砂糖の割合が多い
ということなのです。
ヤクルトとピルクルのコンセプトの違い
ヤクルトとピルクルでは、コンセプトも違います。
どう違うかというと、
ヤクルト
⇒『健康』を重視し、病気にかかりにくい体を作るための乳酸菌飲料を追及している
ピルクル
⇒すっきりとして飲みやすい乳酸菌飲料であることを重視している
そうなんです!
しかも企業としてのヤクルトは、研究の深さが違います。
たとえば
- 高齢者の高血圧症発症リスクに対するL.カゼイ・シロタ株を含む発酵乳製品の習慣的摂取の影響
- 乳がん予防と乳酸菌 シロタ株
- プロバイオティクスの医療現場での応用
- 高齢者向け施設入所者の健康管理における乳酸菌飲用の意義
引用 ヤクルト『サイエンスレポート』より
というように、医療や福祉の分野にも関わる研究を、数多くしています。
そして、乳酸菌によって
- 免疫力の強化
- アレルギー症状の軽減
といった効果が期待できることがわかってきています。
注意
『サイエンスレポート』には、様々な病気などに対する乳酸菌の影響を調べた研究レポートがありますが、
『ヤクルトを飲めば病気が治る』という単純な話ではありません。
レポートは公開されているので、興味がある人はレポートを読んでみてくださいね。
一方、ピルクルは
『ごくごく飲める乳酸菌飲料』
ということを重視しています。
『飲みやすく、手軽にお腹の調子を整えられる』ということは、これはこれで大事ですね。
ヤクルトとピルクルのシリーズの違い
ヤクルトとピルクルの種類を比べてみましょう。
まず、ヤクルトシリーズには、こういった乳酸菌飲料があります。
名称 | 特徴 | 食品としての分類 |
Newヤクルト | 乳酸菌シロタ株が1本に200億個入っている | 特定保健用食品 |
Newヤクルト
カロリーハーフ |
Newヤクルトより甘さが控えめ
糖質・カロリーを半減 |
乳製品乳酸菌飲料 |
ヤクルトW | 乳酸菌シロタ株に加え、ガラクトオリゴ糖を含んでいる
1本100ml
|
乳製品乳酸菌飲料 |
ヤクルト400(宅配専用) | 乳酸菌シロタ株が1本あたり400億個 | 特定保健用食品 |
ヤクルト400LT(宅配専用) | 乳酸菌シロタ株が1本あたり400億個
ヤクルト400よりカロリーが30%少なく、甘さが控えめ |
特定保健用食品 |
ヤクルト400W(地域限定) | 乳酸菌シロタ株400億個に加え、ガラクトオリゴ糖が含まれている | 機能性表示食品 |
ヤクルト1000 | 乳酸菌シロタ株が1本あたり1,000億個入っている | 機能性表示食品 |
ピルクルはどうかというと
名称 | 特徴 | 食品としての分類 |
ピルクル | カゼイ菌(NY1301株)が65mlあたり150億個以上入っている。
約100時間をかけて発行させることで、独自の風味と飲み心地を作り出している 65ml入りのほかに、500ml入り、1000m入りがある |
特定保健用食品 |
ピルクルLight | ピルクルに比べてカロリーが30%オフ、脂肪分がゼロになっている
1000ml入りもある |
乳製品乳酸菌飲料 |
ピルクルマルチビタミン | ビタミンD、B1、B6、C,D,葉酸、ナイアシンを含んでいる | 栄養機能食品 |
ピルクル鉄分 | 鉄、ビタミンB12を含んでいる | 栄養機能食品 |
フルーツリッチピルクル ストロベリー | ストロベリー風味を加えたピルクル
450g入り |
乳製品乳酸菌飲料 |
フルーツリッチピルクル ピーチ | ピルクルにもも果汁を10%配合し、ピーチ味のピルクルを実現
450g入り |
乳製品乳酸菌飲料 |
ピルクルBodyCareシリーズ | 『イヌリン』を含んだ、中性脂肪を減らすことを目指した製品と、1日分のビタミンCを含んだ製品2種類がある
195ml入り |
機能性表示食品 |
ピルクル濃い物語シリーズ
登場編 |
『ピルクル』より無脂乳固形分が1.5倍入っていて、濃厚な味になっている | 乳製品乳酸菌飲料 |
ピルクル濃い物語シリーズ
出会い編 |
『ピルクル』より無脂乳固形分が1.5倍、練乳も加えてさらに濃厚な甘味になっている | 乳製品乳酸菌飲料 |
ピルクル濃い物語シリーズ
完結編 |
『ピルクル』より無脂乳固形分が1.5倍、練乳も加えてさらに濃厚な甘味になっている | 乳製品乳酸菌飲料 |
冬のプレミアム
クリーミーピルクル ミルク風味 |
通常のピルクルより乳製品を多く使い、濃厚でまろやかな味になっている | 乳製品乳酸菌飲料 |
※『濃い物語』シリーズ・『冬のプレミアムクリーミーピルクル』は販売終了している可能性があります。
こうして比べてみると、
ヤクルト
⇒特定保健用食品や機能性表示食品が多く、フレーバーの種類より機能を重視している
ピルクル
⇒いろいろな栄養素を加えた製品があり、フレーバーの種類も多くて楽しめる
という傾向がわかりますね。
ヤクルトとピルクルの値段を比較!
ヤクルトとピルクルの1本あたりの値段の違いを比べてみましょう。
今回は、筆者がよく寄るスーパーでの価格も入れて比べます。
なお、ピルクルは、楽天では500ml入りしか扱っていなかったので、計算値としています。
Newヤクルト | ピルクル | |
楽天 | 93.3円
(6本入り×5パックで2,800円) |
1本分65mlあたり37.44円
(500ml×10本で2,880円から計算) |
Amazon | 93.3円
(6本入り×5パックで2,800円) |
42.4円
10本入り×5パックで2,120円 |
某スーパー | 39.8円 | 15.8円 |
(2021年2月26日現在の価格)
『Newヤクルト』は、ピルクルの約2倍以上!
健康のことを第一に考えて研究開発もしていますから、妥当な価格ではあります。
とはいえ、
「コストを考えると、ちょっと高いな…」
と思うのも本音ですよね。
なお、スーパーとネット通販でもかなりの価格差があるのは、運送費や送料の違いと考えられます。
スーパーに大量に搬入するほうが、輸送コストは抑えられますからね。
ヤクルトとピルクルの味の違いは?
最後に、味の違いを比べてみました!
原材料が同じなのもあってか、味もかなり似ていますが、
NEWヤクルト
⇒しつこくないながらしっかりした甘さに加えてほどよい酸味があり、ピルクルより若干濃い感じ
ピルクル
⇒さらりと軽い感じで飲みやすく、甘さもヤクルトより若干控えめ
という違いは感じました。
(筆者の主観です。)
ピルクルは、『これならグビグビ飲めるかも』という感じで、500ml、1000mlの製品があるのも、うなずけます。
ヤクルトとピルクル、どっちが良い?
ヤクルトとピルクルどちらが良いかは、味の好みや何を重視するかにもよります。
筆者がおすすめするとすれば、ヤクルトが向いている人は
- 健康志向が高い
- 乳酸菌がとにかくたくさん入っているほうが良い
- 多少高くても、しっかりと研究して作られた製品を飲みたい
ピルクルがおすすめなのは
- 乳酸菌の効果がある程度得られればOK
- 気軽にたくさん飲みたい
- コストを抑えたい
という人です。
ただし、
ピルクルが飲みやすくてコストも安いとからといって、飲みすぎは禁物です!
乳酸菌は多く摂っても大丈夫ですが、糖分の摂りすぎになってしまいますからね。
ヤクルトにしてもピルクルにしても、お腹の健康のためには、ちょうど良い量を継続的に飲むのがおすすめですよ!
スポンサーリンク
まとめ
ヤクルトとピルクルの一番の違いは、入っている乳酸菌の種類と数です。
NEWヤクルト
⇒シロタ株(L.カゼイYIT9029)が、1本あたり200億個
ピルクル
⇒カゼイ菌(NY1301株)が1本あたり150億個以上
どちらにも、腸内の良い菌を増やして悪い菌を減らし、腸内環境を整えるという効果があります。
でも、ヤクルトにはさらに
- お通じの状態を改善する
- お腹の中の有害物質『インディカン』を減らす
といった効果もあります。
栄養素や原材料はほとんど変わらなくても、乳酸菌の種類や数が違うと、効果も違うんですね。
他にも、ヤクルトとピルクルには、
- コンセプト
- シリーズの種類や方向性
- 値段
- 味
にも違いがあります。
そして、
健康重視
⇒ヤクルトがおすすめ
コスパ重視・グビグビたっぷり飲みたい
⇒ピルクルがおすすめ
です。
どちらを飲むにしても、一番おすすめなのは、適量を継続して飲むことです。
好きなほうを毎日飲んで、おいしくお腹の調子を整えてくださいね。