東京で普通の生活をするには最低でも月収いくら必要なのかチェック

賃金も高いですが、代わりに物価も高いのが東京です。

そんな東京で普通に生活するには、どのくらいのお金が必要なのでしょうか?

2020年12月に、東京地方労働組合評議会が、東京で普通の生活をするのに必要な金額を発表しました。

月収がどのくらいあれば、東京で普通の生活ができるのか?

そもそも、『普通の生活』ってなんなんだというツッコミどころもありますが…

この記事では、東京で普通の生活をするのに必要なのはいくらか?をチェックしていきます。

東京で普通の生活をするにはいくら必要?

東京で普通の生活をするのに必要な金額…

東京都内の産業別労働組合などが加盟する連合組織『東京地方労働組合評議会』が試算した結果を紹介しますが、まずは、

『東京で普通の生活』

の定義を前置きとして確認しておきましょう。

東京地方労働組合評議会が想定している『東京での普通の生活』とは、以下のモデルとなります。

  • 正社員の夫、非正規社員などで夫の扶養内の妻、公立小学校と私立幼稚園に通う子供2人の4人家族
  • 練馬区にある43メートル前後の賃貸マンションもしくはアパートに住んでいて、家賃は95,000円
  • 1か月の食費:約11万円(1人1食300円、飲み会費用が3500円で月1回)
  • 家族で行楽地に出かけるのは月に1回、1回の費用は8,000円
  • 子供の教育費は、1か月あたり約28,000円

はたして、これは普通の生活なのでしょうか?

東京都の平均家賃が9.8万円なので、家賃の設定としては普通なのですが…

一方で食費は、4人家族の食費の平均が7万円ちょっとなので、ちょっと高いように感じます。

この時点で普通ではなく、贅沢な生活をしている疑惑がありますね。

育ち盛りの子供が2人いても、食費が11万円になるのは相当ですし、上記のモデルにいたっては、幼稚園児と小学生ですからね。

さて、このモデルをもとに算出した結果、普通の生活に必要な金額は…

30代:月額54万円、年額650万円

40代:月額62万円、年額740万円

50代:月額80万円、年額960万円

こんな結果になりました。

筆者は思わず、

たっか!

と口走ってしまいました。

今時、月収が54万円を超える人は少ないです。

でたらめにもほどがある数字に見えます。

しかしこの調査、東京地方労働組合評議会が、社会保障研究者と一緒に、定期的に繰り返してきた最低生計費調査の1つであり、

マーケット・バスケット方式による試算なので、ありえない数字になるような計算方法ではない

ことだけは確かです。

マーケット・バスケット方式:一定の生活水準を維持するのに必要な生活費を、パン130gのように生活財・サービスを個々に金額設定して算出する方法。

ただ、いかに理論的、科学的な手法で算出されたものだったとしても、その前提がおかしかったらどうでしょうか?

そもそも、このモデル一番の問題点は、

いまだに夫婦と子供2人世帯という、昭和のスタンダードモデルを想定している

ことです。

現代の日本では、共働き世帯の数が増え、子供が小学校に上がると妻が復職する…

そんな家庭の数も増えつつあります。

夫婦揃ってどちらかの実家で暮らすパターンもあるでしょう。

少子高齢化が進んでいて、夫婦のみや一人暮らしの割合も増えているので、昭和のスタンダードモデルが通用しない時代になってきています。

さらにツッコミどころなのは、このモデルは、

想定している家具・家事用品・教養娯楽用品まで昭和モデル、かつ使用年数が短すぎる

ところです。

モデルには、教養娯楽用品としてデジカメやビデオカメラが入っているのですが…

今や撮影もスマホで行える時代になりました。

デジカメやビデオカメラを持っている世帯も減っています。

また、想定にはミシンが10,800円で、6年で買い替えとされていますが…

近年は服の物持ちがよくなりましたから、ミシンがない家庭も多いです。

今時の家庭で、

テレビやレコーダー、プリンターを5年で買い替える人がどのくらいいるでしょうか?

家事用品になると、もっとツッコミどころが激しく、

お皿やコップなどの食器が2年で買い替え、やかんやフライパンなどの調理器具が5年で買い替え

になっていたりします。

さすがに今時で、お皿やコップをたった2年で買い替える人は、かなり珍しいでしょうし、ちょっとありえない試算ですね…。

むしろこれは、

普通の生活ではなく、贅沢な生活です。

『普通の生活』とは乖離があるように見えます。

東京で一人暮らしする場合は月収いくら必要?

実は、東京地方労働組合評議会は2019年に、

25歳の若者の一人暮らしをするのに、月にいくら必要か?

という試算も発表しています。

東京で普通の一人暮らしをするのにかかるお金は、次の通りです。

北区で暮らす場合:男性が月額24万9642円、女性が月額24万6362円

世田谷区で暮らす場合:男性が月額25万9471円、女性が月額25万6191円

新宿区で暮らす場合:男性が月額26万5786円、女性が月額26万2506円

年収にすると、約300万円ぐらいになり、一応、東京都の20代の平均年収に近い数字になりますね。

あまり信用できない30代以上の夫婦+子供世帯と、この一人暮らし世帯に必要なお金を比べると…

結婚したくない、子供はいらない

と思う人が多くなるのも、仕方がないようです。

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まとめ

東京で普通の生活をするのにいくらかかるのか、月収に換算した数字を紹介してきました。

30代以上で家庭を持つと、

普通の生活をするのに、月収54万円が必要になる

というデータがあることには驚きました。

しかし、食器は2年で買い替え、家具は5年で買い替えなど、ツッコミどころ満載な試算…

実際には、もうちょっと低い水準でも良いのではないかと思います。

一方で、25歳の一人暮らしの場合は、

月収25万程度が必要

と、東京都の20代の平均年収に近い数字なので、贅沢する余裕はないにしても、一般的な生活をする分には問題ありません。

それにしても、普通の生活って、一体なんなのでしょうね…。

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