ハイビームの正しい使い方を解説!迷惑な使い方であおり運転に発展?

ヘッドライトには、ハイビームとロービームがありますね。

夜道は基本ハイビームにすること、と言われているのでハイビームにしている人も多いのですが、

ハイビームがあまりに明るすぎるからか、トラブルになってしまう…

こんなケースが増加しているんです。

ハイビームが原因のトラブルは、時に暴行事件に発展することも…。

ハイビームは実際のところ、どう使えばいいのでしょうか?

この記事では、ハイビームの正しい使い方を解説していきます。

ハイビームあおり運転に発展?

近年、ハイビームが原因のトラブルが増えています。

時代が進んだことによって、車のヘッドライト自体の性能がよくなってきているせいか、

ライトが眩しすぎて、前が何も見えなくなってしまう

といった事例が多いんです。

ハイビームの光が、事故に発展するケースもあります。

いわゆる、蒸発現象ですね。

蒸発現象とは、

夜間に走っていると、自分の車と対向車のヘッドライトが交錯する位置にいる人や障害物が突然見えなくなってしまう

という現象で、文字通り蒸発したように見えることからつけられた名前です。

蒸発現象による事故は割と多く、とくに人身事故で轢いてしまったドライバーは、

「対向車のライトに気をとられて発見が遅れた」

と証言しています。

こういう事故が起きやすいのが、ハイビームなんです。

また、ハイビームはあおり運転に発展することもあります。

2020年12月に神奈川県で起きた事件です。

バイクに乗った男性が、ハイビームをつけて神奈川県の圏央道を走っていたところ、ワゴン車が追い抜いていきました。

すると、前にいたワゴン車の運転手が、バイクのハイビームに腹を立て、一般道まで執拗なあおり運転を続けてきた

のです。

しまいには、信号で停車したバイクの男性に言いがかりをつけ、殴りかかってきたのだとか…

もちろん暴行した男性は逮捕されましたが、ハイビームの眩しすぎる光は、前が見えなくなって怖くなるので、

「ふざけるな!」

とイライラさせてしまう原因になってしまうのです。

イライラした相手が気性の荒い人だった場合、あおり運転に発展する恐れもあり、要注意です。

誤解の多いハイビームの正しい使い方

近年、夜間の道路をハイビームで走行する車が非常に多いですよね。

まぁ、それは当たり前のことで、2017年の道路交通法改正の際に、ヘッドライトをハイビームにすることを義務化されました。

それが、道路交通法第52条、車両等の灯火の項目です。

第五十二条  車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

2.車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。

52条には、このように記述されていますね。

ヘッドライトのハイビーム、ロービームは、

ハイビーム:走行用前照灯

ロービーム:すれ違い用前照灯

と呼ばれ、どちらも名称に前照灯とついているのですが…

道路交通法においては、

  • 前照灯=ハイビーム
  • 灯火の高度を減ずる装置=ロービーム

という定義になっていて、

夜道は基本的にハイビームで走行し、歩行者や対向車がいる時、他の車両の後ろを走る時はロービームにしなければいけない

こういう決まりになっているんです。

それに加え、マスコミや警察などが、、

夜間はハイビームが原則!

としつこく注意喚起していることも、ハイビームで走行する車が増えた理由だと思われます。

しかし、第52条を読んでもらえればわかることですが、マスコミや警察の『ハイビーム原則』の説明が言葉足らずなせいで、ハイビームによるトラブルが多発しています。

事故を減らすつもりが、逆効果になっているんです。

では、何が正しいハイビームの使い方なのか?

もう既に、正しいハイビームの使い方は、紹介しているんですよ。

確かに、ハイビームを原則とした走行自体は間違っていませんし、ハイビームで走行しないと道路交通法に違反します。

しかし、

常にハイビームで走行するのもまた間違いなんです!

先ほど解説した道路交通法52条には、こう書いてありましたよね。

他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない

大事なのは、赤字の部分です。

赤字の部分を理解すれば、マスコミや警察の説明が、いかに言葉足らずなのかおわかりいただけるかと思います。

車の後ろを走っていたり、対向車が来たら、ヘッドライトをロービームに“しなければならない”

わけですから、ハイビームは原則という言い方では、明らかに言葉不足ですよね?

本来ならば、警察やマスコミは、こう伝えなければいけません。

『夜間はハイビームで走行しなければいけないが、対向車が来たり前に車がいる時はロービームにするのが原則』

と…。

先行車がいるのにハイビームを照らし続けていると、

他の車両の交通を妨げる迷惑行為

として、自分があおり運転をしている扱いを、受けてしまうかもしれません!

紹介した、神奈川県のあおり運転の事件も、言葉足らずなマスコミ・警察の喚起が引き起こした不幸な事件とも言えます。

あの事件のシチュエーションなら、本来は、

ワゴン車が前に出た時点で、『先行車の障害となるとき』に該当するケースになったため、バイクはロービームにしなければいけなかった

のです。

ワゴン車の男性のあおり運転や暴行行為はもちろん悪いですが、直接的な事件の原因は、バイク側にあると言っても間違いではありません。

実際に、自動車ジャーナリスト協会会長の菰田潔さんは、

夜走行するときはハイビームで走るのは原則というのは正しい。

ただ、先行車や対向車がいる場合はロービームに落とさなければいけない。

だから後ろから来たバイクが眩しいと文句を言ったバンの男性の主張は正しい。

ただ殴るのはダメ。

と、暴行はもちろん悪いことですが、ワゴン車の男性の主張自体は道路交通法に則ったものであり正しいと解説しています。

結論として、正しいハイビームの使い方は、

  1. 夜間で、周りに車がいない時に使用する
  2. 先行車がいたり対向車が来る場合は、ロービームに切り替える

こういうことになりますね。

なので、夜間でも車の通りが多い都市部は、ロービームでOKです。

むしろ道路交通法に則るならば、車の通りが多い都市部をハイビームで走行していることの方が、違反になるのですから…。

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まとめ

ハイビームを照らし続けていることによるトラブルが多発していますが、その原因は、

『夜間はハイビームが原則』

という、警察とマスコミの言葉足らずな喚起にあることがわかりました。

ハイビームの正しい使い方は、

  1. 夜間、周りに車や人がいない時に使う(広い田舎道など)
  2. 先行車がいたり対向車が来る場合は、ハイビームにしてはいけない(車の通りが多い都市部など)

となります。

対向車や先行車がいるのにも関わらず、ハイビームのまま走行することは、

相手の視界を奪い、走行の邪魔をする迷惑行為

と捉えられてもおかしくないですし、そもそも道路交通法に違反しています。

何度も言いますが、

常にハイビームで走行してはいけません!

周りに車がいる時は、必ずロービームにして、迷惑にならないようにしましょう。

それが事故防止、さらには自己防衛にも繋がるのです!

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