アニメーターの年収を調査!収入が低いのは制作会社のせいじゃない?

アニメーターにどんなイメージを持っていますか?

ネットニュースで話題になることが多いからか、

大変な割に収入が低い仕事

というイメージを抱く人も多いですよね。

では実際、アニメーターの収入は、どれぐらいあるのでしょうか?

この記事では、アニメーターの年収や、低収入の噂など、収入面に関する疑問を調査しました!

アニメーターの年収はどのくらい?

アニメーターの年収を調べてみましたが、金額を見た時、思わず筆者はしばらく固まってしまいました。

そのくらい、金額が仕事量に比べて少なかったのです。

では、アニメーターの年収に、早速迫っていきましょう!

アニメーターの収入面が公開されている、『アニメーター実態調査2019』によると、

アニメーターの平均年収は440.8万円

440万円というと、わりと高い数字であり、これだけ見れば、アニメーターはお金をもらっているように思いますが…

実は、まったく違います。

ここまで高いのには、

平均年収779万円の監督職も含まれているから

であり、下を見ると悲惨です。

動画職の人の平均年収は125万円

第二原画の人は131万円

しかありません。

月給にすると10万円程度ですから、生活も困難なレベルですよね。

また、アニメーターの年齢別平均年収を見てみると、

20~24歳は154.6万円(全産業の平均は262万円)

25~29歳は245.7万円(全産業の平均は361万円)

30~34歳は365.2万円(全産業の平均は407万円)

となっていて、とくに20代~30代は、

全体平均から100万円以上も収入が少ないこと

がわかります。

これだけ安い中、いったいどんな環境でアニメーターが働いているのかというと…

平均の労働時間が10時間で、給料は出来高制の原画1枚あたり150~200円。

コンビニバイトのほうがマシとすら感じるブラックさですよね。

相当な経験を積んだベテランになるまで、全く収入が安定しないのです。

それにしても、なぜこのように、アニメーターは収入が少ないのでしょうか?

その理由には、

アニメーターの大半がフリーランス

という、いびつな就業形態になっているからです。

『アニメーター実態調査2019』のデータを見ると、

フリーランスが50.5%、正社員は14.7%

になっていて、極端な分かれ方をしています。

仮に基本給で雇ってもらう形式や、専属契約をしている環境だったとしても、

マージンなどで差し引かれてしまい、結局安くなっている

そんな現状です。

制作会社のせい?アニメーターの収入が低い噂

アニメーターの収入が低い理由の1つとして、

アニメ作品の製作委員会側がお金を大量にもらっていって、アニメーターに分配しない

との噂があります。

まぁ、上のほうが利益を独占して、現場に還元されないのは、どんな業界でもよく耳にする話ですよね。

しかし、実は、

アニメーターの収入が低いのは、制作会社のせいではない

ことが判明しました。

その根拠となるのが、『デルタの羊』の著者である塩田武士さんが、アニメ界の闇を暴く社会派小説の制作を思い立った時に、アニメ関係者に多くの取材をした時のことです。

『制作委員会がお金をアニメーターに分配しないという噂』

の真相を暴こうとした塩田さんがさまざまな調査をしたところ…

取材した当時、1クールに70本くらいのアニメが放送されていたが、その大半が赤字だった

とわかったのです。

つまり、アニメ自体に儲けが出ていないのです。

制作会社側が独占するような利益すら存在しませんでした。

じゃあ、どこが一番利益を持っていってしまうのか?

その答えは簡単です。

制作委員会の中で、最も出資している広告代理店や、出版社などのコンテンツホルダー

になってくるわけです。

アニメ制作における大元の中の大元ですね。

構造としては、

コンテンツホルダーや広告代理店

アニメ制作会社

アニメーター

こんな感じでしょうか。

なので、本当のアニメ業界の闇は、頂点に君臨しているコンテンツホルダーや広告代理店であり、この塩田という人物は、取材対象を間違えたのかも…

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まとめ

アニメーターがどれだけ厳しい環境に置かれているか、わかってもらえましたか?

アニメーターの収入は、全体で見ると平均年収が440万円と、数字上は高いように見えますが…

それは違いました。

  • 20代~30代の平均年収は全産業の平均より100万円以上低い
  • 動画職、第二原画職の平均年収は150万円にも満たない低さ

など、全然お金にならない実態も…。

制作会社がお金をぶんどっているから、アニメーターにお金が還元されない噂もありますが…

それも違いました。

アニメ制作会社も、大半が赤字であり、アニメで出た利益は広告代理店や出版社などが大半を持っていってしまう

これが、アニメ業界の真相です。

現場がいないとそもそもアニメも作れないのですから、もう少し、アニメーターの環境を改善してほしいものですね。

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