世の中には、色々なハラスメントがあります。
セクハラ、パワハラ、モラハラ、スメハラ…
そんな数あるハラスメントの中で、物議を醸しているのが、
ロジハラ(ロジック・ハラスメント)
です。
簡単そうで、実は難しいため、なかなか理解しにくいロジハラ。
この記事では、ロジハラことロジック・ハラスメントについて、意味や例、ロジハラへの評判を紹介します。
ロジハラとは?ロジハラの意味と具体的な例
ロジハラとは、どういう意味なのでしょうか?
実は、ロジハラのはっきりした意味は定義されていません。
ロジハラを具体的に定義しにくいのは、
他の一般的なハラスメントのように、学者や専門家が提唱した言葉ではない
という理由があるからです。
ロジハラは、グロリア・スタイネム氏が最初に提唱したといわれるセクハラや、クオレ・シー・キューブの岡田康子代表取締役が作ったパワハラのような、明確な出所がはっきりしていません。
Twitterで、ロジハラという言葉が使われた、一番古いツイートを調べてみたところ…
2008年に、このようなツイートが投稿されていたのを見つけました。
@ryushi ちょっと最近話していた関係で昔作った「ロジハラ」(論理的嫌がらせ)って造語について考えつつ仕事を淡々とこなしていたら、こんな思考に。詳しくはこちらhttp://tinyurl.com/344228
— tricken (@tricken) March 10, 2008
2008年の時点で、既にロジハラという言葉を使っている人がいたようですね。
さらに詳しく掘り下げていくと、この人物は、
2005年あたりからロジハラを提唱している
とのことで、この人物によるロジハラの意味は、次の通りです。
普通、ロジックとは、すっきり明快でなければならないはずのものである。
が、ロジカルな話題ほど、ロジックを使っている途中に、他者にマイナスの感情を引き起こすことがある。
「そんな小難しい話きいてられっか」
と怒り出すわけである。
これを〈ロジハラ〉、論理的いやがらせと名づけよう。
つまり、
小難しい論理を行使することで他人に不快感を与える行為
のことをロジハラと指しているのです。
しかし、2018年になると、今度はあるツイートが注目され、ロジハラの意味が変わってきます。
正論ばかりの人を「ロジハラ(ロジカルハラスメント)」と呼んでます。
仕事グイグイ進めるには童話「北風と太陽」での北風のように押し付けるのでなく太陽のようにマイルドに迫る、という考えなんでしょうが全然マイルドじゃない…
肝要なのは物事がすすむ"適論(場にあった適切さ)"だと思うんです。
— 【休業中】藤木部長@メンズおばさん (@choku_nyu) March 12, 2018
このツイートが大規模…ではありませんが、そこそこ話題になったことで、
相手の気持ちを考えずに正論ばかりを突き付ける人
という意味になっていきました。
話題となった『ワイドナショー』で紹介された際も、
『正論ばかりを突きつけて相手を追い詰めるハラスメント』
として紹介され、この意味を使っています。
ちなみに、今話題となっているロジハラの意味に該当する、具体例を挙げると…
『ワイドナショー』では、
上司が部下のミスに対して「なんでできなかったのか説明して」とミスの理由が分かっているにもかかわらず言わせる行為
このような行動が紹介されていました。
この行為自体は、PDCAサイクルの1つであり、何ら問題ないはず。
ロジハラと呼ぶには、ちょっとおかしいと思いませんか?
ロジハラが意味不明と言われるのはワイドナショーの説明不足?
ロジハラについては、『ワイドナショー』にて、ダウンタウンの松本人志さんが、
「本当に意味分からない」
「もう本当にめちゃくちゃやな。ロジハラ、早くはやれ。はやって早く終われ」
とコメントしたり、バカリズムさんも意味不明だと言っていました。
『ワイドナショー』で話題になったことで、ロジハラは、
賛同する意見もあれば、否定する意見もあり、評価が二分されている状態
になっています。
…が、しかし、筆者は1つ思っていることがあります。
そもそも、『ワイドナショー』のロジハラの説明が間違っているのでは?
と…。
相手に正論を言われて嫌な気持ちになったからロジハラ!なんて簡単なことではないはず…。
意味不明だとか、おかしいと言われるのも、『ワイドナショー』での説明が不足しているから、混乱を招いているのではないでしょうか。
そこで、筆者なりに、ロジハラの意味を考えてみました。
正しいと言っていいのかはわかりませんが、ハラスメントと言われるレベルに該当する、ロジハラの意味を挙げるならば…
- 相手にマウントを取ることを目的として正論をぶつけている
- 正論で相手を言い負かし、人格否定に繋げていく
- 自分が正しいと信じている人が、持論を理屈で固めて相手を追い詰めていく
- 知識量の多さで優位に立ち、相手の揚げ足をとることで、自分の主張を一方的に正しいと思い込ませる
これらの行為が、本当の意味でのロジハラに該当すると考えます。
よくやっていたことなので、自分で言っていて耳が痛いんですが、
自分の主張を強引に通すために、正論や揚げ足取りで否定して地盤を固めていく
といった行動が、ロジハラでしょう。
この定義に則って、『ワイドナショー』で紹介されていたロジハラの具体例をアレンジすると…
上司が部下のミスに対して、「○○したらこの失敗は起きなかったよね?だから君は無能なんだよ」と人格攻撃をする
部下を叱る際、理にかなったことを言って逃げ場のない叱り方をする
など、このようになります。
「それじゃパワハラと一緒じゃないか!」
と思うかもしれませんが、その認識でいいんです。
正論をぶつけるパワハラ・モラハラのことをロジハラと定義する
ことの方が、本来定義されるべきロジハラに近く、
ロジハラは、パワハラやモラハラの一種
と考えた方が、わかりやすいと思うのです。
いい例えが思い浮かばないのですが、
正論をぶつけること自体がロジハラになるのではなく、正論をぶつける目的次第で、ロジハラになりうる
といった感じでしょうか。
相手より優位に立つとか、相手にマウントをとるためだったり、相手の意見を否定して自分の意見を通したい時など…
攻撃的な目的で正論をぶつけること
が、ロジハラか否かを判断する材料になるでしょう。
ロジハラの人物の例を挙げると、
元2ちゃんねる(現5ちゃんねる)管理人・ひろゆき氏のような人物
ホリエモンこと、堀江貴文氏
が該当するように思えます。
正論をぶつけて相手を論破してマウントをとったり、自分の主張を正義にすることを目的としていますから…。
スポンサーリンク
まとめ
『ワイドナショー』で紹介された具体例は、
ロジハラとするにはちょっと違う
こともあって、
「意味不明」
「おかしい」
という評価が湧き、賛否両論です。
筆者も、『ワイドナショー』のロジハラの定義は違うと思っていて、本来あるべきロジハラの形は、パラハラやモラハラの一種であり、
正論をぶつける目的が、攻撃目的であるかどうか
こそがカギになるのではないかと思う次第です。