新型コロナウイルスの影響で打撃を受けている観光や飲食業を支援する需要喚起策として、
『GoToイート』キャンペーン
が開催中です。
しかし、世の中にはセコい人間がいるもので、この『GoToイート』を利用して、
システムの穴を突いてポイントを荒稼ぎしている人が増えている
のだとか…。
こういった人たちは、どうやって『GoToイート』でポイントを荒稼ぎしているのでしょうか?
この記事では、
『GoToイート』でのポイントの稼ぎ方や、鳥貴族を使ってできていたというポイント荒稼ぎ、その手口
について紹介していきます。
『GoToイート』キャンペーンでポイントを貰う方法
話題になっている『GoToイート』キャンペーンでポイントの荒稼ぎとは、どういうことなのでしょうか。
『GoToイート』キャンペーンは、2020年10月1日から始まった制度で、おもに2つの内容があります。
- 地域内の登録店舗で使える、プレミアムを付けた食事券発行
- オンライン予約サイトで予約・来店した人に、次回以降に使えるポイントを付与する
この2つです。
このうち、ポイントを貰うことができるのは、2のシステムが該当しますね。
2のシステムを詳しく説明すると…
- 農林水産省が選定した予約サイトを通じて予約し、その店に来店する
- 1人につき、昼食時間帯は500円相当、15時以降の夕食時間帯は1000円相当のポイントが付与される
- ポイントは1日1回、合計10000ポイントまで
といった手順で、ポイントが付与されます。
(テイクアウトやデリバリー、ケータリングサービスは対象外。)
ポイントとは、予約サイトのポイントのことであり、対象となっているのは…
- 一休レストラン
- Yahoo!ロコ
- ぐるなび
- ホットペッパー
- 食べログ
- Retty
- OZmall)
- LUXA
- ヒトサラ
- EPARKグルメ
- favy・トレタ
- 大阪グルメ
- シェフル
この13種類です。
これらのサイト・サービスのポイントがもらえるだけであり、『GoToイート』でお金を稼げるわけではありません。
『GoToイート』のポイントを鳥貴族で稼ぐ手口とは?
要するに、『GoToイート』キャンペーンのポイント付与は
500円、もしくは1,000円が一律で付与される
わけで、食べたものの価格がいくらであろうが、全く関係ないわけです。
価格に左右されず一律付与ということは、
食べたものが1,000円より安ければ、支払ったお金以上のポイントを稼ぐ
ことができます。
たとえば、『GoToイート』を利用して、800円のディナーを食べたとします。
夕食時間帯に利用したので、付与されるポイントは1,000円分。
金額にして、200円得したことになります。
これを10回繰り返せば、ポイントは2,000円分得したことになり、
次にそのサイトを利用し、どこかのお店でネット予約をする際、2,000円のものまでならタダで食べられます。
制度の穴を突いたやり方で、心の貧しさが露呈するだけなので、全く褒められた行為ではありませんが…
しかし、世の中は心が綺麗な人ばかりではありません。
10,000円分までという上限はあるものの、『GoToイート』キャンペーンをうまく使うと、
お得にポイントを稼ぐことができてしまう
ということで、狡賢い人は、いかに支払いを安くして、ポイントを稼ごうかと頭を捻らせているようです。
そして、この『GoToイート』の抜け穴の被害者となってしまったのが、
『鳥貴族』
でした。
焼き鳥をメインにしている居酒屋『鳥貴族』は、『GoToイート』の制度が始まった当初、ネットサイトを利用した予約は、
- 席のみ
- コース
の2つに対応していました。
コースは数品目が出てくるので、価格は1,500円~3,000円くらいなのですが…
席のみの予約でディナーを利用した場合、
1品だけ注文して代金を支払えば、支払額327円に対し、673円分のポイントを稼ぐことができる
という、からくりができてしまうのです!
ポイント
『鳥貴族』は一番安いメニューが298円=税込み327円なのです。
これを1日1回、合計10回繰り返すと、
6730円分のポイントを稼ぐことができる
ため、『鳥貴族』でポイントを錬成する人が続出したのです。
このことを、『鳥貴族マラソン』、もしくは『トリキの錬金術師』などと呼ばれているとか…。
この錬金術で損をするのは、他でもない『鳥貴族』です。
来てもらった方も儲かるんだからいいじゃないか!
などと開き直っている乞食もいたのですが、実は、グルメサイトには、
送客手数料
なる手数料があるのです。
グルメサイト経由で客が来た場合、売上の一部がグルメサイトに持っていかれてしまうのです。
手数料はグルメサイトによって異なっており、
- 『ぐるなび』なら昼50円、夜200円
- 『食べログ』だと昼100円、夜200円
といった具合です。
『鳥貴族』を例にすると、『GoToイート』利用客が、一番安い298円のメニューだけを頼んで帰ってしまった場合、
298円から200円が引かれて、利益は98円しか出ません。
食材費や人件費などの諸費用も込みにすれば、利益などほとんど出ませんし、客単価も低く、
『鳥貴族』側からすると、何のありがたみもない
のが、この『GoToイート』キャンペーンだったのです。
その結果、『鳥貴族』は、ポイント乞食への対策として、
席のみの予約を対象外にして、コース限定に変更
することになりました。
10月7日から、準備が整った店舗から順次変更されていきます。
対象となるコースは、
- 鳥トリキ晩餐会(3,278円)
- お好きに選べる9品コース(2,943円)
- お好きに選べる5品コース(1,635円)
この3種類。
これで、『鳥貴族』には、利益にならないポイント乞食が近寄ることもないでしょう。
このような、ポイント乞食が発生してしまった原因は、日本人の心の貧しさもそうですが…
そもそも『GoToイート』キャンペーンは、突貫工事で作った制度だけに、欠陥が見られるのも理由の1つだと思います。
新型コロナウイルスの影響で打撃を受けている飲食業の支援
を目的にしているみたいですが、実はこの制度、
グルメサイトの送客手数料の補助は一切ありません。
(サイトに掲載する時にかかる掲載費は無料にしていますが。)
送客手数料の補助はされないため、
一番潤っているのはグルメサイトであり、飲食業の支援というよりは、単なるグルメサイト救済政策になってしまっている
ここが、一番の問題点なのです。
大手グルメサイトが焼け太りするだけで、本当に支援が必要な飲食店には、救済が行き渡らないのが現状です。
当の農林水産省は、
運用上は問題ない!
などと、対応を店側に丸投げしています。
これなら、プレミアム食事券の方にもっと力を入れるだけでよかったと思うんですが…
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まとめ
原理としてはいたって単純で、
ディナーなら、1,000円より安く済ませれば、支払いより多いポイントが貰える
という、一律ポイント付与の制度の穴を突いた稼ぎ方です。
『鳥貴族』は、グルメサイトの予約をコースに限定することで対応をしましたが、対応を店側に丸投げなんて、農林水産省は何を考えているんでしょう。
飲食業支援などと言っておきながらこのありさまでは、グルメサイトを支援しているだけの制度です。
それに、この制度でポイントを荒稼ぎする方もする方ですよね。
日本人はここまで心が貧しくなったのかと、残念な気持ちでいっぱいになりました。