いまや爆発的な人気となり、社会的現象にまで発展している漫画『鬼滅の刃』。
物語が完結した今も、その人気は留まるところを知らず、
累計発行部数が1億を突破する見込み
との発表もありました。
今や日本のみならず、世界でも人気となった『鬼滅の刃』は、なぜこれほどの人気を得たのでしょうか?
また、人気の一方で、つまらないという感想を持つ人もいます。
この記事では、『鬼滅の刃』について、人気の理由とつまらないと言われる原因を紹介していきます。
『鬼滅の刃』が爆発的な人気を得た理由は?
『鬼滅の刃』は、アニメ化前は、現在ほどの爆発的人気があるわけではなかったように感じます。
アニメが始まってから、一気に人気に火がつき、原作もたくさん読まれるようになった印象ですね。
ジャンプ作品なので、アニメ化で人気が出るのは普通のことなのですが…、
ただ、『鬼滅の刃』の人気ぶりは、そういう次元を突き抜けています。
2019年のオリコン年間コミックランキングは、
2位だった『ONE PIECE』の1080万部を大きく上回る1205.8万部で1位!
この売上からも、『鬼滅の刃』が凄まじい人気であることが伺えますよね。
なぜ、ここまで『鬼滅の刃』は人気なのか?
『鬼滅の刃』が人気の理由を考察してみました。
『鬼滅の刃』が人気の理由1アニメ化
第一に、
アニメ化をきっかけに人気が広まった
ことが挙げられます。
事実、『鬼滅の刃』は、アニメ化によって、
アニメ放送前からの累計発行部数の伸びが、10倍近く伸びている
ことからも明らかです。
ただアニメ化と言っても、いわゆるファミリー層が見るような時間のアニメではなく、『鬼滅の刃』は深夜アニメでした。
深夜アニメが国民的な人気を得たのは、特殊なケースです。
まぁ漫画自体が、アニメ映えする演出が多く盛り込まれていましたし、それがアニメ化したとなれば、もはや無敵ですよね。
人気が出るのも納得です。
そして、アニメ化といっても、ただ普通にアニメ化したわけではなく、アニメ制作会社が、
ufotable
だったことも、人気の理由の1つでしょうね。
ufotableといえば、
- 『fate』シリーズ
- 『空の境界』シリーズ
などのアニメを制作していて、表現力や演出、作画(例外もあり)で評判の良い会社です。
ufotable制作ということで、アニメを見る人もいるかもしれません。
そして、アニメ化した場合、キャラクターにCVがつきますよね。
CVがつくというのは、結構効果が大きく、
声優目当てでアニメを見る層もいて、そこから『鬼滅の刃』にハマる人が増える
こともあります。
アニメ化は作品の知名度、新規参入者を大きく増やしてくれる、もっとも有効な宣伝方法です。
『鬼滅の刃』がここまで人気となったのは、間違いなくアニメ化の影響が大きいですね。
『鬼滅の刃』が人気の理由2王道のジャンプ漫画だから
これは、後に紹介するつまらない理由にも当てはまるのですが…
『鬼滅の刃』の内容は、
いわゆる王道のジャンプ漫画
であり、これこそが、『鬼滅の刃』が爆発的な人気となった理由です。
『鬼滅の刃』のファン層は、老若男女問わず、幅広い世代から支持されていますが…
中でも、とくに熱狂しているファン層というものが存在します。
『NEWS ZERO』の特集によれば、
『鬼滅の刃』という作品は、30代~40代女性が火付け役となった
と紹介され、アニメイトタイムズのアンケート結果では、
読者層は10代、40代女性が多い
という結果になっています。
つまり、『鬼滅の刃』ファンの層は、全体的に見ると女性が多く、30代や40代といった年齢層も多いわけです。
ファンの年齢層なんて、関係のない話では?
と思うかもしれません。
…が、しかし、ここからが理由2の核心に入っていきます。
後に触れるのでここでは簡単に流しますが、たとえば、30代や40代の男性の場合、
ジャンプ黄金期
と呼ばれた時代を過ごしてきていて、いわゆる王道漫画で青春を過ごしてきた人たちです。
それゆえに、
『鬼滅の刃』はなんかワンパターンというか、単純明快な王道系でそれほど面白くないな…
と思うこともあるでしょう。
そんな背景もあってか、最近のジャンプ漫画は、設定やキャラクターなど、捻った漫画が多くなっていきました。
なので、連載初期の『鬼滅の刃』は、それほど目立っていたわけではなかったのです。
一方で、『鬼滅の刃』の熱狂的なファン層はというと、
- 物心がつき、漫画を読むようになった小中高生
- 多くは少年漫画に触れてこなかったであろう大人の女性たち
先ほどの前提から、この年齢層が該当しますね。
どちらも、いわゆる漫画慣れしていない人たちです。
とくに大人の女性たちは、少年漫画に触れてこなかった人が多いです。
そういった人からすれば、単純明快な王道スタイルの『鬼滅の刃』は、
読みやすくて、面白い!
と感じる人が多くなるのです。
王道スタイルで、女性人気の出るようなキャラクターも複数登場、特殊なところでは腐女子人気があるキャラクターもいました。
こうして、トレンドの拡散力が非常に強い女性たちがファンのメイン層となったおかげで、『鬼滅の刃』は爆発的な人気で伸びていったのではないか…
これが『鬼滅の刃』人気の理由と考えます。
鬼滅の刃が面白くない・つまらないと言われる原因
これだけ人気のある『鬼滅の刃』ですが、一方では、
『鬼滅の刃』が面白くなかった、つまらない
という意見も見かけます。
なぜ、『鬼滅の刃』がつまらないと言われるのか?
その理由も考察してみましょう。
『鬼滅の刃』がつまらないと言われる理由1話がワンパターン
『鬼滅の刃』は、主人公の炭次郎が鬼殺隊に入ってからは、
話の内容がワンパターン
です。
大体のパターンが、
- 鬼が襲ってくる→倒す→鬼の過去編でバックボーンが語られるお涙頂戴
- 柱と出会う→鬼が襲ってくる→ある程度感情移入させておいて、柱が鬼にやられる→主人公サイドが鬼を倒す
であり、話が進むほどワンパターン化が激しくなります。
このまま、30巻40巻と続くような作品になっていたら、間違いなく『鬼滅の刃』は途中から人気が落ちていたはずです。
逆に、
人気漫画とはいえ、最初から引き延ばしを考えずに完結させたため、ワンパターンによる読者の飽きが来る前に綺麗に終わった
ことは、『鬼滅の刃』人気を保ったままでいられたのです。
引き延ばしをしなかったことが、功を奏したとも言えますね。
『鬼滅の刃』がつまらないと言われる理由2過去編がつまらない
『鬼滅の刃』は、過去編というか、登場人物の過去に関する話がたくさん出てきます。
- 味方サイドの過去編
- 鬼の過去編
があるのですが、この過去編が、『鬼滅の刃』がつまらないと感じている人にとっては、
浅くて面白くない
と映っています。
実際のところ、ぽっと出の敵の過去編が語られたところで感情移入はしにくいです。
『鬼滅の刃』の場合、
テンポが速いので、基本的に敵はその話で倒されてしまう
ことも、過去編(とくに鬼の)に魅力が感じられない理由でしょう。
(事実、作中では猗窩座以外全ての鬼が、その場で倒されています。)
その過去を炭次郎が知ることもなく倒してしまっているわけですし、鬼の過去編は本当に必要だったのか?とも感じます。
『鬼滅の刃』がつまらないと言われる理由3ストーリーが単調で薄い
先ほど、『鬼滅の刃』が人気の理由でも後に触れると言ったのは、このことです。
『鬼滅の刃』は、いわゆる王道スタイルの漫画で、
単純明快でわかりやすく、今まで王道な漫画に触れてこなかった人には読みやすい
ことが人気の理由だと言いました。
裏を返せば、
内容自体は王道パターンそのものなため、漫画を多く読んできた人には単調に感じてしまう
ということ。
緩急が小さいんですよね。
まぁ、パワーインフレが少なく、戦闘もあっさりしているゆえにそう感じやすいのでしょう。
なので、
漫画に目の肥えた人たちには、『鬼滅の刃』があまり刺さりません。
とても個人的な意見となりますが、女性作家の作品って、いわゆるパワーインフレが抑え気味の気がするんですよね。
途中で、あまりにも力の差がハッキリしている敵が登場→主人公がズタボロにされる→強くなって再戦して倒す
というような流れを、あまり見かけません。
インフレはしすぎもよくありませんが、ないとそれはそれで単純になってしまうので、多少なりともパワーインフレがあってもよかった気はします。
スポンサーリンク
まとめ
『鬼滅の刃』が、なぜ人気なのか?
そして、つまらないと言われる理由を、筆者なりに考察しました。
やはり『鬼滅の刃』が人気になったのは、
- もともとアニメ映えしやすかったものが、アニメ化されて素晴らしい作品に仕上がったこと
- 単純明快な作品のため、漫画好きな人だけでなく、漫画初心者といった今まで漫画を読んでいなかった人にヒットしたこと
が理由として考えられます。
単純明快なのは良いことでもありますが、内容が単調で薄くワンパターンとも言うことができ、
先の予測できない、伏線が複雑に絡み合うようなストーリーが好きな人には、面白くない作品に感じてしまうこともある
わけですね。
いずれにしても、作品は合う合わないがあります。
最近は、鬼滅キッズなる、『鬼滅の刃』以外の作品をこき下ろすような人も現れてきました。
好みは人それぞれなので、過激な言動は控えてほしいものです。