かつて、ブラック企業の象徴と言われたワタミ。
そのワタミは今、
『ホワイト企業大賞』特別賞を受賞
したことをアピールするなど、
ブラックじゃないよ!
という宣伝をしているのですが…
やはりというべきか、渡邉美樹CEOが議員を辞め、ワタミに返り咲いてから、残業に関するブラックな話が出てきました。
ワタミは今でもブラック企業なのか?
この記事では、ワタミについて、年収や残業といった面から、ブラック企業かどうかを探ってみました。
ワタミはブラックじゃない?ホワイト化したとの噂
ワタミといえば、かつては宅食事業でブラック企業大賞を取り、2008年の新入社員の過労事件や現CEO・渡邉美樹氏の発言や社訓から、
ブラック企業の代名詞
にもなっていた企業です。
渡邉美樹氏の発言といえば、
ビルの8階とか9階で会議をしているとき、『いますぐ、ここから飛び降りろ!』と平気で言います。
アルバイトとして雇った部下がいましてね。
あのころは僕、そいつの頭を何度もスリッパでひっぱたいていました。
それでも十数年はついてきてくれましたが、8年ほど前に辞表を出したんです。
追い込まれて、潰れたわけです。
別に強制している訳じゃない。
営業12時間の内メシを食える店長は二流。
命がけで全部のお客様をみていたら、命がけで全部のお客様を気にしてたら、ものなんか口に入るわけない、水くらいですよ。
以上のような、あまりにも酷い発言をしていたり…
ブラック企業と言われ、世間の批判にさらされた時には、
「ブラックって言われたら一人前」
などと開き直り、反省の色を見せない経営者でした。
渡邉美樹氏が参議院議員になる前、まだ社長としてワタミのトップに君臨していた時は、
毎月本社から渡邉美樹氏のビデオレターが届いて、感想を提出しなくてはなりませんでした。
『根性論ばかりで、現場のこと何も見てないんだな』
と思いましたね。
という、いかにも時代遅れな根性論者で宗教めいたことをさせていたのも有名な話です。
2019年10月の渡邉美樹氏のワタミ復帰
には、多くの社員が戦々恐々としていたそうです。
また、2014年まで社員向け冊子の中には、
24時間365日しぬまで働け
という一文が記載されているなど、ブラックどころかダークネス企業とも言うべき、闇のような企業、それがワタミでした。
真っ黒に染まり切ったブラック企業のイメージが強いワタミ。
しかし、近年になって、
ワタミはホワイト企業化した
との話を耳にするようになりました。
ワタミの残業や年収などブラック要素まとめ
今ではホワイト企業化していると噂のワタミ。
ブラックだと問題になっていた部分をチェックし、はたしてブラックなのか、ブラックじゃないのか検証していきましょう。
1.ワタミの年収
主にワタミがブラック企業と言われた理由のうちの1つに、
正社員の給料が異常に少ない
という部分が挙げられます。
たとえば、ブラック企業と言われていた時代のワタミは、店舗の一般従業員の場合、
固定給190,000円、時間外勤務手当52,326円(45時間)
とされていました。
この時点で、公表している時間外勤務が労基法違反というツッコミどころなのですが…
固定給190,000円の中に、深夜手当30,000円が組み込まれている
ここも問題でした。
なぜなら、深夜手当は健全な企業ならば固定給に組み込むことはありません。
ブラック企業が、固定給を水増しするために使う常套手段だからです。
実際に、日本共産党が手に入れたワタミ従業員の給与明細を見ても、
深夜労働が少なかった月は、『所定勤務重複等調整』なる謎の天引きをされていて、月給16万円程度に抑えられていた
という事実が判明。
別の人が、給与明細を公開し、週刊誌に提供したこともありましたが、その時は、
店長なのに給与17万円だった
ことも…。
それでいて定期昇給がないので、多くのワタミ社員は、
固定給220,000円、時間外勤務手当60,502円(45時間)の店長職がキャリアの目指すべきところ
になってしまい、ボーナス等を含めても年収が400万円程度になのです。
店長で年収400万円程度だったら、一般従業員はもっと少ないわけです。
社員でアルバイト以下になるのも頷けますよね。
現在のワタミの年収は、どうなっているのでしょうか?
現在のワタミの正社員の年収を調べてみると…
- 従業員:月収26万4,016円(固定給19万円)
- 店長:月収39万5,852円(固定給28万5000円)
となっていました。
つまり、
従業員は年収316万円
店長は年収475万224円
になります。
年収面は、昔よりも改善されていると見てよさそうですね。
しかし、業界では特別高いわけでもありません。
2.ワタミの残業
ワタミで一番問題になっていたのは、
行きすぎた時間外労働
つまり残業です。
7日間連続の深夜勤務を含む長時間労働をさせ、月140時間の時間外労働を強いていた
と、労基法違反の労働をさせていたことが判明しました。
ワタミの残業問題は、改善されたのでしょうか。
ワタミの残業問題は、渡邉美樹氏がいない間は話題に上らなかったのですが…
渡邉美樹氏がワタミ復帰後の、2020年9月15日に、
高崎労働基準監督署から残業代未払いに関する労働基準法37条違反の是正勧告を受けました。
2008年の問題があったにもかかわらず、
『ワタミの宅食』で勤務していた正社員女性に、月175時間の労働をさせていた
ことが判明したのです。
女性は既に労災を申請済みですが、
週7日出勤、1日6~7時間の残業が当たり前
になっており、さらにひどいのは、
残業代は固定で、どれだけ働いても追加されることはなかった
のです。
現在のワタミを見る限り、長時間におよぶ時間外労働をさせておきながら、適切な残業代を支払わないあたり…
ワタミがブラック企業であることには、依然変わりない
と結論づけるのが妥当でしょう。
そもそも、渡邉美樹氏が必死になってアピールしていた、冒頭で触れた『ホワイト企業大賞』なるものも、選考基準が、
- 個人
- 職場の関係性
- 社会貢献
- 人間的成長
- 自律
- 信頼
- 誇り
の6つであり、肝心の、
過労問題に対する項目は存在していません。
もう1つ、この『ホワイト企業大賞』なる賞は…
- エントリー費用の10万円を支払った企業が参加
- この時応募した30数団体中、31の企業が賞を受賞している
という、なんともお粗末。
お金を払えば何らかの賞をくれるという、何の価値もないに等しい賞
なんです。
お金をくれる会社に賞をあげるような、利権屋が開催している賞を誇らしげに自慢されても、ブラック企業ではなくなったなんて、言えるわけもなく…。
結局のところ、ワタミはブラック企業のままだったんですね。
スポンサーリンク
まとめ
ワタミといえば、2008年の過労事件をきっかけに、ブラック企業の代名詞とも言われるようになり、多くの人が敬遠するようになりました。
とくに、
すべてを根性論で突き通すCEO・渡邉美樹氏の存在
には、酷い評判もあります。
渡邉美樹氏がいない間は、ホワイトになったという評判もたまに耳にはしたのですが…
2019年10月に、渡邉美樹氏がCEOに復帰してからは、再びブラック体質に逆戻り。
2020年9月15日には、
月175時間の残業をさせられながら、残業代が追加で支払われなかった
ことで、『労基法違反をしている』として、高崎労働基準監督署から是正勧告を出されています。
渡邉美樹氏が戻ってきたことで、ワタミがブラック企業から脱却することはできないのかもしれませんね。