胡散臭いニセ科学を紹介し、消費者を騙そうとする、悪質なメディアが増えています。
そのうちの1つが、
『レタスクラブ』
と言われています。
このレタスクラブというサイト・雑誌は、2020年9月に、
『毒メシ』
という謎の食べ物を紹介しました。
結果、科学的根拠のないデマで不安を煽ったことで大炎上したのです。
この記事では、レタスクラブで紹介したという『毒メシ』について、該当する食材や、記事が削除された理由を探っていきます。
『レタスクラブ』の毒メシが大炎上!
レタスクラブという、トンデモ記事を掲載しているデマサイトを知っていますか?
生活実用情報誌を謳いながら、
非専門家の意見を載せ、全く科学的根拠のない記事を投稿している
ことで有名になった、害悪サイトの1つです。
個人ブログで書くならまだしも、企業メディアがやっているのですから、大問題ですよね。
とくに、レタスクラブの記事で大がつくほど炎上したのが…
毒メシ
です。
毒メシとは一体、どんなメシのことなのか?
大問題となった記事、
「『毒メシ』をやめて成績アップ!子どもが天才になる食事」
は、次の記事内容でした。
記事は漫画形式になっていて、舞台は塾の中からスタートします。
塾の先生が、落ち着きのない生徒を見つけました。
その後、先生は、先ほどの生徒がお昼の休憩時間に唐揚げ弁当を食べているところを発見。
「また唐揚げ弁当か」
と先生が聞くと、生徒は、唐揚げ弁当が大好きだからと答えました。
ここで先生は、
もしかしたら、食べるものと生徒たちの学力に何か関係があるかもしれない…
という、バカげたトンデモ説を考えていると、
「そうなんだよ兄さん!現代の子どもたちの食べているものの多くが『毒メシ』なんだ!」
と叫びながら、突然男性がどこからか登場するのです。
そして、漫画では、毒メシがどんな食材のことなのか、とくに触れられることがないままの状態で、
- 腸や脳に炎症を引き起こす
- 血糖値のコントロール機能を破壊する
- 体から栄養を奪い取り、毒を与える
ものが『毒メシ』であると、何の根拠も提示せずに説明。
それを聞いた親たちが『毒メシ』ではない弁当を作ったことで、子供たちが100点を取れるようになった…
この流れで記事は終わっているのです。
まるで、カルト宗教のパンフレットを想起させるような内容ですよね。
レタスクラブの記事は、要するに、
頭が悪くなる食材のことを『毒メシ』と、何の科学的根拠もなく定義している
わけです。
この記事に対し、SNS上では批判が殺到!
「マスコミやメディア凋落の典型的パターン。取材も調査もせず裏づけ無しで思いつきで記事を書く。取材しないならただの詩人だ」
「エビデンス重視になってるご時世に大丈夫なのかこれ?」
「人の家のご飯を『毒メシ』呼ばわりとか何食ったらそんな言葉選びをするようになるのか」
「こんな本を書く時点で『毒メシ』を食べてないのに頭悪いじゃん。それとも『毒メシ』食べてないから頭悪いの?」
「こういう自分の子供への健康不安などを案じる親の慈愛に付けこんだ詐欺行為は本当に糞」
「メディア、雑誌の立ち位置と定番料理否定という食い合わせの悪さ、科学的リテラシーの低い内容、ツイートのお粗末さまで全てにおいて最悪の見本のようだった。レタスクラブ廃刊危機のレベルの出来事じゃないかな」
「レタスクラブ昔はレシピとして好きだったけど…立派なカストリ雑誌になったなぁ…今後デマ発信と覚えとこ」
「結局どんな飯が頭にいいのかサッパリだけど、全世界の唐揚げファンを敵に回してることは解った」
「飯よりこいつらの方が毒だろ」
「そもそも最初に学習塾で瞑想って…小学生の時に進学塾の一番上のクラスにいたが当然そんなことやってなかったぞ…宗教臭さが漂ってますねぇ…」
「『毒メシ』を食べていればこういうバカにならないのだとしたら、食べるのは『毒メシ』でいいわ」
レタスクラブ、そしてこの記事の元となった本の著者らに対する批判であふれかえっていました。
そもそも、レタスクラブの『毒メシ』記事は、
KADOKAWAから、2020年9月17日に刊行されたばかりのとある本
の内容を元に作られています。
レタスクラブはKADOKAWAが運営していて、この本の出版元もKADOKAWA。
KADOKAWAは、本の宣伝をしたくて、レタスクラブに記事を掲載したのでしょう。
諸悪の根源は、KADOKAWAということになります。
そして、この本の内容がトンデモならば、著者もトンデモな人物です。
著者は2人、監修が1人いるのですが…
そのうちの著者2人は、
- 食べ物や栄養に関する専門家ではない、ただの塾経営者
- その弟で、同じく専門家でも何でもない鍼灸院経営者
であり、監修として携わったのも、
『分子栄養学』や『波動測定』など科学的に証明されていない医学で、高額の自由診療をしている医師
と、何とも胡散臭いメンツ…。
さらに、この炎上に乗じて、著者のうちの1人は、
毒メシで炎上しているアカウントはこちらです。
興味を持っていただけたらぜひ読んでみてください。
唐揚げさんに謝罪に来ました。
悪者にしてゴメン。
などと、炎上商法で宣伝を始める始末…。
(悪質な炎上商法に加担したくないので、ここで著名、人名、アカウントは掲載しません。)
このトンデモ記事に、騙されない人が1人でも減ることを祈るばかりです。
レタスクラブが毒メシ記事を削除した理由
批判が殺到したせいか、レタスクラブは『毒メシ』記事を削除しました。
これで騒動は沈静化するかと思われたのですが…
レタスクラブは、さらなる燃料を投下してしまいます。
レタスクラブが釈明として、公式Twitterで次のツイートを投稿しました。
『「毒メシ」をやめて成績アップ!子どもが天才になる食事』につきまして、たくさんのご意見を頂戴しております。唐揚げを否定するようなコンテンツを掲載してしまったこと、多くの方に不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。
— レタスクラブ (@lettuce__club) September 18, 2020
あろうことか、レタスクラブが記事を削除した理由は、
唐揚げを否定するコンテンツを掲載してしまったこと
と思い込んでいるのです!
確かに、唐揚げをあたかも悪者のようにしていました…
でも、問題の本質はそこではありませんよね。
記事がなぜいけなかったかというと、
何の科学的根拠のない健康情報を、専門家よるファクトチェックもなしに掲載したこと
であり、唐揚げを否定したかどうかは、大きな問題ではありません。
案の定、この釈明ツイートにもツッコミが殺到。
「謝るとこそこなの?」
「唐揚げを冒涜したことよりも、昨今流行りの偽科学めいた内容を掲載した点、恐らくは誤った三段論法で生み出された根拠のない理論を精査せずに掲載した点が批判されている点ではないかと思います」
「ここにきてもまだ問題点がわかっていないレタスクラブはヤバい」
「なにも分かってない感がスゴい」
「唐揚げが問題なのではなくて、なんの根拠もない擬似科学をヨイショしているのが問題ですよ」
「何が問題かもわからずに記事を書くとはメディアとしていかがなものでしょうか」
中には、レタスクラブを過去に購読していたことが恥ずかしいと感じる人まで出ています。
そして、指摘にあるように、
『レタスクラブは何が問題かわかっていなかった』
ことが示されたのが、炎上翌日に掲載された記事でした。
『毒メシ』記事の翌日、9月18日に配信された記事名は…
『材料は発芽玄米と豆乳だけ!種菌から作る「豆乳ヨーグルト」』
です。
なんということでしょう!
この記事で紹介されている、種菌から作る豆乳ヨーグルトというのは、2016年の時点で既に危険性が唱えられていました。
2019年には、FNNプライムオンラインが
『「豆乳にアボカドの種を入れて放置すると“ヨーグルト”」危険なデマがネットに拡散…食中毒の可能性も』
という記事を掲載。
その中で、豆乳メーカー大手で、商品として安全な豆乳ヨーグルトを販売しているマルサンアイから、
乳酸菌ではなく雑菌が繁殖したことで固まり食べられなくなった豆乳
と説明され、危険である可能性が高いと断言された、まさしく”毒メシ”…というよりも、毒そのものだったのです。
ニセ科学が問題だったとわかれば、たとえ翌日の記事配信が決まっていたとしても、普通なら取り下げるはず…。
それをせず、続けてニセ科学記事を配信するなんて…
炎上の原因がわかっていないとしか思えません!
毒メシ、自家製豆乳ヨーグルトなど、専門家の監修がないニセ科学ばかりを取り上げるようになってしまったレタスクラブ…
ニセ科学に傾倒し、カルト宗教染みたメディアに成り下がったのを見ると、ライバルであるオレンジページに勝てなかったのも頷けますね。
毒メシになる食材って?
問題となったレタスクラブの記事では、
どんな食材が『毒メシ』なのかは、一切触れられていません。
あんなに炎上したのに、肝心の『毒メシ』が何かわからないなんて、記事の質としても欠陥だらけですよね。
ただ、さらに調べてみると、記事元となった本のプレリリースには、詳細に『毒メシ』のことが書かれていました。
どうやら、『毒メシ』というのは、
- 牛乳やヨーグルトなど、多くの乳製品を含むもの
- マグロなど、水銀を含む大型魚
- 菓子パンやチョコレートなど、トランス脂肪酸を多く含むもの
以上が該当するみたいです。
健康問題で何かと騒がれているモノを挙げておけば、それっぽくなるだろう…
そんな思惑が透けて見えるような、実に薄っぺらい定義の仕方ですよね。
これら『毒メシ』は、本によると、
IQを下げるだけでなく、様々な発達障害をも引き起こしてしまう事も研究結果で明らか
らしいのですが、一体どんな研究をしたのやら…。
もし、本に書いてあることが事実だったら、既に一般に認知されているはずです。
教育現場にも取り入れられているはずでしょう。
でも現実は違い、唐揚げやヨーグルトどころか、
学校給食では、毎日のように牛乳が出てきます。
牛乳が頭が悪くなる食材だというのなら、本の著者は、文部科学省に抗議でもしてみたらどうでしょうか?
しかし、実際には行動を起こすことはせず、怪しげな本を刊行することしかできていない時点で、お察しです。
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まとめ
記事が炎上、そして削除されたことからもわかる通り、
『毒メシ』は、何の科学的根拠もないニセ科学
です。
- 乳製品
- 水銀を含む大型魚
- トランス脂肪酸を含むもの
これらの食材が、頭が悪くなる『毒メシ』と言われていますが、これらを食べていたから頭が悪くなるわけではありません。
科学的根拠のないニセ科学を掲載したことが問題なのに、当のレタスクラブは、
記事の削除理由を、唐揚げを否定する記事を掲載してしまったことだと思い込んでいる
ので、どうしようもないですよね。
この記事を真に受けてしまい、苦しんでいる親御さんもいるはずです。
あろうことか、記事の元となった本の著者は、炎上商法を始めています。
本当に何を考えているのでしょうね。