マスクとフェイスシールドの予防効果の違いを解説!各デメリットは?

新型コロナウイルス対策として、マスクを着用している人をたくさん見かけますよね。

そしてもう1つ。

最近では、一般人でもフェイスシールドをつけている人を見かけるようになりました。

このフェイスシールドは、

マスクよりも予防効果が高い

と言われています。

でも、予防効果がどのくらい違うのでしょうか?

この記事では、マスクとフェイスシールドについて、予防効果の違いや、それぞれのデメリットを紹介していきます。

マスクとフェイスシールドの予防効果の違い

新型コロナウイルスの予防として、マスクの着用が一般的になりましたね。

筆者の活動範囲は田舎のため、道端でマスクをつけている人はそこまで見かけません。

でも、コンビニやスーパーなど、不特定多数の人が出入りする施設内だと、マスクの着用率はかなり上がりました。

街中をフェイスシールドで歩いている人は、ほぼいませんが、職場などでは、フェイスシールドの着用も徐々に広まってきています。

では、どれだけの違いがあるのか、マスクとフェイスシールド、両方のメリットとデメリットから比較してみましょう。

予防効果におけるマスクのメリット

マスクのメリット1自分が感染していた場合に人に移すリスクを減らせる

マスクを着用することで、

他人にウイルスを移すことが防げ、感染拡大のリスクを減らす

ことができます。

そもそもの話、マスクの本来の効果は、

自分が他の人にウイルスを移してしまうのを防ぐためのもの

であり、予防のためにするものではありません。

ウイルスにかかっている人が着用するのがマスクであり、ウイルスにかかっていない人なら、つける必要がないものだったりします。

しかし、無症状の人もいる新型コロナウイルスや、潜伏期間のあるインフルエンザは、知らないうちに誰かに移してしまうおそれも…。

1回の咳で約10万個、1回のくしゃみで約200万個のウイルスを外に出してしまう

と言われています。

人が密集する場所でこれらが飛散したら、大変なことになりますよね。

そうならないために、マスクを着用するのです。

もしかしたら既にウイルスに感染していて、無症状のまま周囲にウイルスをまき散らしている恐れもあるのですから…。

マスクのメリット2限定的だが飛沫感染を防げる

では、マスクは予防に意味がないのか?

といわれると、そういうわけでもありません。

マスクの着用によって、

咳やくしゃみで飛んだウイルスは、限定的だが防ぐことが可能

です。

限定的とはどういうことかというと、マスクの着用は、

咳やくしゃみを浴びてしまうような時、その飛沫をマスクが防いでくれる

のですが、飛沫を全てシャットアウトしてくれるかというと、そうではなく…

ミスト化したウイルスによる感染(エアロゾル感染)は防ぐことができず、顔とマスクとの間に隙間があるため、飛沫が隙間から入ってしまうこともある

のです。

マスクをいくら鼻から顎まで覆ったとしても、完全に密着するわけではなく、鼻や頬付近には、わずかな隙間ができてしまいますよね。

この隙間から、ウイルスが侵入してしまうことがあるのです。

だとしても、ある程度の予防は可能なので、人が多い場所では、マスクをするといいでしょう。

マスクのデメリット

次は、マスクのデメリットを紹介します。

マスクのデメリット1予防が完全とは言えず、防げないパターンも多い

先ほど、マスクのメリット2でも触れましたが、

予防という意味でのマスクは、効果があるとは言いにくい

ということです。

何度も言うように、マスクは、既に感染している人が周囲に拡散させないのが目的なので、予防効果は薄いです。

そのため、飛沫も完全には防げませんし、たとえば、新型コロナウイルスを例に出すと、

接触感染

というパターンもあります。

接触感染とは、ドアノブや手すり、便座、ボタンなどに付着した病原体を触れてしまい、その手で口や鼻を触ってしまうことで発生する感染です。

当たり前ですが、接触感染はマスクでは防げません。

もともとが予防目的のアイテムではないので、仕方ないと言ってしまえばそれまでですが…

マスクのデメリット2熱中症になりやすい

夏の暑い時期などにマスクを着用していると、

熱中症のリスクが高まります。

マスクを着用していると、体に熱がこもりやすくなるため、とくに運動時には要注意が必要です。

マスク着用時は、呼吸に負荷がかかり、何もしていなくても運動をしている時と同じような状態になると言われています。

それに加えて運動などしようものなら、熱中症のリスクが高まってしまう…

というわけです。

夏場にマスクをする場合は、こまめな水分補給を忘れないようにしてください!

マスクのデメリット3口呼吸になりやすい

マスクをしていると、息苦しくなるため、口呼吸になってしまう人もいます。

しかし、口呼吸は、鼻呼吸よりも過剰に空気を吸い込んでしまうので、

過呼吸になるリスクがある

のです。

また、鼻呼吸は吸う空気の温度を適切にしてくれる、フィルターのような機能を果たしているのですが、口呼吸の場合はそれがなくなってしまうので、

  • 肺の中の繊細な細胞にダメージを与える
  • 体が冷えることで血流も悪くなって、コリや痛み、便秘になる
  • 自律神経のバランスが乱れる

などの症状が起きてしまうのです。

マスクをすることで口呼吸を多用するようになり、色々な症状を引き起こしてしまうデメリットもあるのです。

マスクのデメリット4口元が見えない

マスクを着用すると、目より下の顔が見えなくなります。

これにより、表情がわかりづらくなり、

  • アイコンタクトだけでは、感情が伝わりにくくなる
  • 口元が隠れてしまうせいで、耳の不自由な人に言葉が伝わらなくなってしまう

といったデメリットが生じます。

コミュニケーションが円滑に進まなくなってしまうのは、接客業では痛いデメリットかもしれませんね…。

予防効果におけるフェイスシールドのメリット

次は、フェイスシールドのメリットです。

フェイスシールドのメリット1顔に飛んでくる飛沫を防げる

マスクではなく、フェイスシールドをするメリットの1つが、

飛沫を防ぐ範囲が顔全体に広げることができる

という点です。

フェイスシールドは顔全体につけるゴーグルのようなものなので、

他人の咳やくしゃみから出た飛沫が、口や鼻はもちろん、目に入るのも防ぐことができます。

マスクではカバーしきれない部分の飛沫を防げるのは、良い点ですよね。

ただ、マスクが不完全な予防しかできないように、フェイスシールドも予防面では不完全であることには、注意が必要です。

メモ

不完全な点は、デメリットの項目で触れます。

フェイスシールドのメリット2呼吸がしやすい

フェイスシールドは、

口や鼻を直接覆うわけではないので、マスクに比べて呼吸がしやすい

というメリットがあります。

これは、マスクと差別化できる点の1つです。

マスクは口と鼻を覆うため、呼吸しづらくなるデメリットがありましたが、フェイスシールドは密着していないため、息苦しくなく、蒸れにくいです。

メガネをかけている人にとっては、呼吸によるメガネの曇りが起きにくいのも嬉しいポイント!

過呼吸気味だったり、過呼吸の発作が起きたことがある、というような人は、マスクよりフェイスシールドを着用したほうがいいでしょう。

フェイスシールドのメリット3顔全体が見える

フェイスシールドがマスクと差別化できるメリットの2つ目として、

顔が見えるので、表情がわかりやすい

という点が挙げられます。

マスクのデメリットに、表情がわかりづらくなり、コミュニケーションに支障が生じると紹介しました。

フェイスシールドの場合、透明なシールドで顔を覆うだけなので、

顔が隠れず、表情もしっかり相手に見えます。

口元が見えることでコミュニケーションが円滑になることから、最近では、接客業や語学講師、合唱団などでフェイスシールドが使われるようになりました。

フェイスシールドのメリットを見ていると、

日常生活において、マスクだと不便になる部分を補う役割

を持っていることがわかりますね!

フェイスシールドのデメリット

一方で、フェイスシールドにも、当然ながらデメリットが存在します。

フェイスシールドのデメリット1隙間がある分飛沫が入り込みやすい

フェイスシールドは密着しておらず、結構な隙間があります。

これは、

真正面の飛沫は防げても、左右からウイルスが入り込みやすい

というデメリットになります。

イスラエルの研究者がマネキンを用いて行った実験によると、

咳の発生源が数十センチ上下or左右にずれるだけで、フェイスシールドの予防効果は半減してしまう

とのこと…。

もともとマスク自体、予防効果は薄いのですが、フェイスシールドの場合、さらに薄くなってしまうのです。

フェイスシールドのデメリット2飛沫がマスクに比べ飛びやすい

フェイスシールドは、隙間がある関係で、

マスクよりも多く飛沫を飛ばしてしまうリスクが高まる

という致命的なデメリットを抱えています。

2020年8月に発表された、スーパーコンピューター『富岳』によるシミュレーションの結果によると…

  • 不繊維マスクは、5µm以下のエアロゾルが漏れたのは約3割、50µm以上の大きな飛沫は、ほぼ捕まえられた
  • フェイスシールドは、エアロゾルは100%近くが漏れてしまい、50µmの飛沫でも半分が漏れてしまう

とのこと。

飛沫に対する予防面でも微妙、飛沫を飛ばさないようにする感染防止対策としても微妙という、何とも言えない結果となってしまいました。

まぁ、近距離では効果がないわけではないので、あくまでも人と近距離で対面する時に使うもの…

フェイスシールドは、このくらいの位置づけなのでしょう。

マスクとフェイスシールド、それぞれのメリットとデメリットを紹介しました。

マスクとフェイスシールドの違いは、

  • 感染拡大を防止するという意味では、フェイスシールドは1対1など限定的な効果に留まり、不特定多数がいる場ではマスクの方が有効
  • 日常生活における快適さは、マスクよりフェイスシールドの方が効果的

という部分にあることがわかりましたね。

一方で、予防効果については、

どちらも効果は限定的であり、感染者ではない人がつける意義は薄い

ということで、両者一致の結果になりました。

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まとめ

結論として、マスクとフェイスシールドの違いは、

  • どのくらいウイルスの飛散が防止できるか
  • 日常生活の快適さ

この2つが大きな部分であり、

予防効果はどちらも似たり寄ったりでした。

マスクもフェイスシールドも、飛沫に対する予防はできます。

でも、エアロゾル感染や接触感染を防ぐことは難しく、飛沫も隙間から入り込んでしまい、完全予防にはなりません。

不完全とはいえ、ある程度の予防効果には期待できるので、人が集まりやすい場所では、マスクやフェイスシールドの着用が良いですね。

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