ピアノをはじめて間もない頃に、誰もがぶつかるのが
- なかなか両手で弾けない!
- 両手で合わせようとすると、頭が混乱する!
- 左手が思うように動かない!
ということです。
ピアノをはじめたばかりの頃は、
『両手の指をそれぞれに動かしてピアノを弾く』
という作業に、脳も手も慣れていません。
両手で弾くことは、けっこう大変です。
また、利き手ではない手は、どうしてもうまく動かせないものです。
でも、着実に練習していけば、両手で弾けるようになります!
この記事では『独学でピアノを弾けるようになりたい』という人のために、
- 両手で弾くためのコツ
- 左手もしっかり弾けるようになるための練習法
について解説します。
『左利きで、右手がうまく動かない』という人は、右手の練習の参考にしてくださいね。
独学でピアノを習得したい!ピアノを両手で弾くためのコツとは
まず、片手ずつでしっかり練習
両手で弾けるようになるためには、
片手ずつでしっかり弾けるようになっておくこと
が大切です。
片手だけで弾けないのに、両手で合わせられることはないのです。
片手ずつ練習する時には
- 音とリズムをしっかり確認し、ゆっくり弾く
- 音がきちんとなぞれて、リズムが崩れなくなるまで弾きこむ
ということに気をつけて練習してください。
リズムが崩れやすい時は、メトロノームに合わせて
- 手拍子で右手(左手)のリズムを打つ
- 手拍子でリズムを打ちながら、右手(左手)のパートを歌う
- リズムがしっかり把握できたら、ピアノで弾く
という練習をすると良いですよ。
メモ
片手ずつ練習するとしても、その日の練習の中で必ず、右手と左手両方の練習をしましょう。
右手にも左手にも、『ピアノを弾く』ということを、なるべく早くなじませるためです。
『今日は右手だけで、明日は左手だけ』というやりかたは、おすすめしません。
両手で合わせる時の基本的な練習法
片手ずつスムーズに弾けるようになったら、いよいよ両手で合わせます。
まず、実際に音を出す前に、楽譜をよく見て、
- 右手と左手の音が重なるところ
- 右手と左手のタイミングがずれるところ
を、じっくりチェックしましょう。
右手の音と左手の音が同時に出るところの音符を線でつなぐと、わかりやすいですよ。
楽譜をよくチェックしたら、いよいよ合わせる練習です。
- 1小節ずつ、多くても2小節ずつ練習する
- 右手と左手の音を出すタイミングに注意しながら、ゆっくり合わせる
- 1小節目ができたら、2小節目を練習する
- 2小節目ができたら、1小節目と2小節目をつなげて弾く
と練習をして、少しずつ弾ける小節を増やしていってください。
『1小節だけでもなかなか合わせられない』という時は、
さらに細かく分けて、1~2拍ごとに練習すると良いです。
最初から最後まで通して合わせたくなるかもしれません。
でも、そこは我慢。
『通して合わせるのを繰り返す』という練習の仕方は、逆に効率が悪いのです。
少しずつ練習していくほうが、早く弾けるようになりますよ。
メモ
両手を合わせる練習の時は、
『曲を弾く』という意識ではなく、『両手の音を合わせる』ということを意識すると良いです。
『曲を弾く』という意識だと、ついメロディーを追うほうに気持ちが持っていかれてしまうからです。
まず合わせられるようにして、最後まで合わせられるようになったら、『曲を弾く』という意識を持って弾いてください。
両手で合わせやすくするための練習法
両手で合わせる前に、
- 音源や録音に合わせて弾く
- 左手のパートを弾きながら、メロディーを歌う
- 左手を弾きながら、右手の音のリズムを打つ
という練習をすると、両手で合わせやすくなります。
両手で合わせるのが難しい時にも、やってみてくださいね。
音源や録音に合わせて弾く
両手になるとうまく弾けない時は、
片手ずつ、教材のDVDや動画など、音源に合わせて弾いてみましょう。
ピアノ教室などでは、
『片手のパートを生徒が、もう片方の手の分を講師が弾く』
というレッスンが、よくあります。
独学の時は、音源に講師役をやってもらえば、このレッスンに近いことができます。
音源に合わせて弾く時も、数小節ずつ練習すると良いですよ。
また、片手ずつでテンポやリズムが崩れずに弾けるなら、
- 右手だけで弾いたのを録音して、それを聴きながら左手で弾く
- 左手だけで弾いたのを録音して、それを聴きながら右手で弾く
というのも、とても良い練習になります。
左手に合わせて歌う
『左手だけで弾きながら、右手のメロディーを歌う』
というのも、とても良い練習になります。
この練習では、左手がメロディーにつられてしまうことが、よくあります。
でも、ぐっとふんばって、つられないようにしてください。
その『つられないようにがんばる』ことが、両手で合わせるための練習になるのです。
なお、『右手を弾きながら左手を歌う』というのは、やらなくてOKです。
『つられないようにする練習』ですし、『メロディーを聴きながら左手のパートを歌う』のは、とても難しいですから。
メモ
弾きながら歌う時は、歌詞は『ラララ』でもなんでもOKです。
また、『左手で弾きながら歌う』ということそのものが大事ですから、歌の上手さは気にしなくてよいです。
左手に合わせて右手のリズムを打つ
- 左手のパートを弾きながら、右手のメロディーのリズムを打つ
- 左手のパートを弾きながら、右手のメロディーのリズム打ち+歌う
という練習法もあります。
これも、左手が右手につられないようにする練習です。
最初はなかなかできないかもしれませんが、根気よくやってみてくださいね。
両手で同時に弾くことそのものが難しい時の練習法
そもそも、右手と左手の指を同時に動かすのが難しいんだよ!
という時は、まず『右手の指と左手の指を同時に動かす』ということに慣れましょう。
そのためには、
『右手と左手で同じ音を弾く』という練習がおすすめです。
この練習の時は、いわゆる『曲』でなくてもかまいません。
たとえば、こういう音でOKです。
最初は、どの指を動かすのか混乱したり、右手と左手がずれたりするかもしれません。
でも、誰でも最初はそうです。
根気良く繰り返し練習して、『右手と左手の指を同時に動かす感覚』を手に馴染ませてください。
左手だってきれいに弾きたい!左手のための練習法とは
『利き手ではないほうの手』は、なかなか思うように動かせないものです。
『ピアノを弾く』という、指の細かい動きなら、なおのこと思い通りには動きません。
プロのピアニストも、ピアノを弾き始めたばかりの頃は、そうだったんですよ!
でも、練習を重ねていけば、少しずつ少しずつ、指をスムーズに動かせるようになっていきます。
ここからは、左手のための練習法について、解説します。
左手だけで基礎練習をしてみよう
左手の指をスムーズに動かせるようになるためにおすすめなのが、
左手だけで
- 音階
- アルペジオ(分散和音)
- 和音を弾く
といった基礎練習をすること。
といっても、難しく考える必要はありません。
たとえば、先に挙げた『右手と左手で同じ音を出す練習』。
これを左手だけで弾くのでも良いのです。
基礎練習をする時には、
- リズムが崩れないようにする
- 音の大きさをそろえる
ということを意識して、丁寧に弾いてくださいね。
メモ
基礎練習も楽しめるなら、『ハノン』という練習曲集を使うのもおすすめです。
ハノンには、いろいろな音形や和音、音階などが載っているので、基礎練習にはとても良い本ですよ!
曲を使って『基礎練習』をしてもOK
その気持ち、わかります。
『基礎練習は好きじゃない』という人、けっこう多いんですよ。
それに、『基礎練習をしていると、曲の練習をする時間がなくなる』ということもあるでしょう。
そんな時は、
- 曲の左手のパートをていねいに弾く
- 曲の左手のパートの中で弾きにくいところを抜き出して、繰り返し練習する
という方法がおすすめです。
曲を上手に弾くための練習にもなるので、一石二鳥ですよ!
ただし、曲を使って練習する時には、『曲を弾く』ことに気を取られないように、気をつけてください。
『リズムを整える』『音の大きさをそろえる』ということに、注意が向きにくくなるからです。
曲を使って練習する時には
左手の練習として弾く
⇒リズムを正確にすることや、音の大きさをそろえることに集中する
曲の練習をする
⇒『音の流れを意識しながら弾く』
というふうに、気持ちを切り替えてくださいね。
曲の左手のパートをうまく弾くコツ
曲の左手のパートをうまく弾けるようになるには
『左手のメロディーや響きの移り変わりを意識する』
ということが大事です。
たしかに、左手は、『主旋律(メインのメロディー)』ではないことが多いですし、そのため『伴奏』と思われがちです。
でも、左手の音にも、メロディーはあります。
例として、有名な『メヌエット ト長調』の最初の部分の、左手のパートを見てみましょう。
『ソシレーラシー、ドーシー…』という流れが、メロディーになっているのです。
また、左手のパートがこのようなパターンの曲もありますよね。
このパターンの中には、
- 低い音の『ドーシーラーシー』がベースのメロディーになっている
- ミとソの和音は変わらないが、ベースのメロディーが変わることで、音の響きが変わる
という要素があります。
なぜ『メロディー』と『響きの変化』を意識すると良いかというと、
- 音を覚えやすくなる
- 音楽がより生き生きしてくる
という効果があるからです。
1つ1つの音をバラバラに捉えるのは、『ピアノ』という言葉を『ピ』『ア』『ノ』と、『1つ1つの発音を並べたもの』として捉えているのと似たようなことです。
ただ音を並べただけだと、覚えにくいですよね。
でも、『ピアノ』という、『意味を持つ言葉』で捉えると、覚えやすくなります。
それと同じです。
そして、意味を感じながら使うと生き生きしてくるのも、音楽も言葉も同じです。
左手のパートも生き生きしてくると、両手で弾く時に、よりステキな音楽になりますよ!
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まとめ
ピアノを両手で弾くには、
- まず、片手ずつでしっかり弾けるように練習する
- 音やタイミングを確認しながら、1~2小節くらいの長さずつ、ゆっくり両手で合わせる
- ゆっくり両手で合わせられたら、少しずつテンポを上げて、目標のテンポにもっていく
という、地道な練習が、一番の近道です。
また、左手もうまく弾けるようにするには、
- 左手だけで、シンプルなパターンを使って、基礎練習をする
- 基礎練習が苦手なら、曲の左手の部分をしっかり練習する
という練習がおすすめです。
そして曲の練習をする時には、
左手のメロディーや、音の響きの変化も、ぜひ意識してください。
音を覚えやすくなりますし、曲もステキになります。
『利き手ではない手』は、なかなか言うことをきいてくれないものです。
でも焦らずに、じっくり練習を積み重ねていってくださいね。
いつの間にか、左手もスムーズに動かせるようになりますよ!