Windows7まで、ネットワーク接続をする時は『ローカルエリア接続』を設定していました。
しかし、Windows8から名称が『イーサネット』に変わりました。
単に名前が違うだけで、同じものじゃないのかな?
この記事では、『ローカルエリア接続』と『イーサネット』の違いについて解説します。
『ローカルエリア接続』と『イーサネット』の意味
まずは『ローカルエリア接続』と『イーサネット』の意味について解説しましょう。
『ローカルエリア接続』とは?
WindowsでLANの設定を行うためのアイコンに付けられる名称
のことです。
コンピュータが、ネットワーク機器を持っている場合、Windowsのネットワーク設定の画面には、ひとつのネットワーク機器に対して、アイコンがひとつ表示されます。
そのアイコンに付けられる名称が『ローカルエリア接続』です。
『ローカルエリア接続』とは、『LAN(Local Area Network)』への接続を意味するWindows独特の用語です。
『LAN(Local Area Network)』とは家庭や職場など、ある限られた空間の中にあるネットワークを意味します。
『インターネット』は、『LAN』がいくつもつながって構成される大規模なネットワークのことです。
したがって、『インターネット』を構成する小規模なネットワークが『LAN』であると考えることもできます。
『イーサネット』とは?
『LAN』を構成するためのネットワーク規格のひとつ
のことです。
ネットワーク通信には複数の層(レイヤ)があり、その層を表すモデルを『OSI参照モデル』といいます。
OSI参照モデル
アプリケーション層 | HTTP, SMB |
プレゼンテーション層 | SMTP, FTP, Telnet |
セッション層 | TLS, NetBIOS |
トランスポート層 | TCP, UDP |
ネットワーク層 | IP, ICMP, ARP |
データリンク層 | イーサネット, 802.11a/b/g/n/ad/ac/ax |
物理層 | RS-232, 10BASE-T, 100BASE-TX, 電話線, 光ケーブル |
『OSI参照モデル』を見ると、『データリンク層』という階層の中に『イーサネット』が含まれていることが分かります。
現在のネットワーク通信では、『データリンク層』に『イーサネット』、『トランスポート層』と『ネットワーク層』に『TCP/IP』が使われる形式が圧倒的に多いです。
よって、『LAN』といえば、
たいていの場合は『イーサネット TCP/IP』である
と考えることができます。
なので、
Windows8から、『ネットワーク接続』という代わりに『イーサネット』と呼ばれるようになりました。
『ネットワーク接続』と『イーサネット』は、Windows上での名前が異なるというだけなのね。
『ローカルエリア接続』と『イーサネット』の違い
『ローカルエリア接続』と『イーサネット』は、Windowsにおいては同じ意味で使われています。
それぞれに大きな違いはありません。
Windows7までは『ローカルエリア接続』と表示されていました。
しかし、Windows8からは『イーサネット』と表示されます。
どちらの場合も、アイコンをダブルクリックして設定の画面を表示すると、同じ内容になっています。
通常は、『インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)』を選択して、『IPアドレス』や『サブネット・マスク』『デフォルト・ゲートウェイ』を設定します。
『DHCP』という仕組みが利用できる場合は、『IPアドレスを自動的に取得する』を選択することもできます。
『IPアドレス』とは、ネットワーク層のIPで使われ、ネットワーク機器に割り当てられる一意の識別番号です。
32ビット(4バイト)の番号であり、ネットワーク部とホスト部から構成されています。
『サブネット・マスク』は『IPアドレス』のネットワーク部とホスト部を分けるためのマスクです。
同じネットワークの中では、同じ『ネットワーク部』を持ったIPアドレスしか利用することはできません。
また、IPアドレスのホスト部は全て異なる番号である必要があります。
そのため、IPアドレスはたいてい、ネットワーク管理者が管理しています。
ネットワークを設定する場合は、必ずネットワーク管理者に設定内容を確認してから行う必要があります。
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まとめ
ポイント
- 『ローカルエリア接続』とは、WindowsでLANの設定を行うためのアイコンに付けられる名称のことである。
- 『イーサネット』とは、『LAN』を構成するためのネットワーク規格のひとつである。
- Windows8から、『ローカルエリア接続』という名称から『イーサネット』に変えられた。
ネットワーク設定は、間違えると接続ができないだけでなく、大きなトラブルの原因となることもあります。
設定する時は、間違いのないように慎重に作業しましょう。