【プロ野球】広島カープのサイン盗み疑惑とは?手口や方法をチェック

近年の野球界では、サイン盗みに対する問題が何度か起きています。

2019年に、メジャーリーグでアストロズのサイン盗みが『クロ』だったとして、関係者が処分されました。

日本の高校野球では同年に、習志野高校のサイン盗み疑惑に対し、星稜高校の監督が直接相手側に乗り込み、抗議した一件もありました。

そして、プロ野球では一時期、広島カープにサイン盗み疑惑が出ていました。

なぜ、広島カープにサイン盗み疑惑が出たのでしょうか?

この記事では、広島カープのサイン盗み疑惑や、サイン盗みの手口や方法を紹介していきます。

広島カープのサイン盗み疑惑とは?

サイン盗みは、野球のゲーム性を損なわせる、あってはならない行為の1つです。

実際に、プロ野球では過去のサイン盗みの横行により、さまざまな対策が取られ、現在では禁止行為にされています。

そんなサイン盗みですが、プロ野球では最近、2020年7月18日の西武VS楽天戦で、

観客が相手チームの捕手が構えたコースを叫ぶ

という行為をしたことで、西武側がサイン盗みと抗議した出来事が話題になりました。

また、楽天は他にもサイン盗みを疑われたりしています。

試合数が少ないので、何とも言えない部分はありますが、パ・リーグの2020年7月17日までの打率成績を見てみると…

パ・リーグの打率成績(ホーム/ビジター)

楽天:.324/.210

ロッテ: .245/.228

西武:.243/.232

ソフトバンク:.250/.250

日本ハム:.235/.205

オリックス:.242/.236

となっています。

楽天だけ、ホームの打率が他のチームに比べ、異常に高いこと

がわかりますね。

試合数が少ないとしても、他のチームがそれほど差がないのに比べ、1割以上違っているのは、不自然にも思えます。

このように、

首位チームがホームゲームで異常に強い場合

には、サイン盗みを疑われてしまうことがあるのです。

その典型として、過去にサイン盗み疑惑が浮上したのが、広島東洋カープです。

広島カープは、2018年にセ・リーグを優勝したのですが、

この年の広島カープは、ホームでの成績が45勝25敗と圧倒的な数字だった

ことから、サイン盗みをゴシップ誌などから疑われることになってしまいます。

ビジターでの成績は、37勝34敗とあまり差がありませんでした。

5ちゃんねるのスレッドでも、以下の画像が貼られ、サイン盗み疑惑がさらに話題となっていきました。

ただ、そう簡単にサインを盗むことができるわけではありませんし、そもそも広島カープが、サイン盗みをしている証拠があるわけでもありません。

それでも広島カープが疑われたのには、後に触れますが、おそらく過去の出来事があるためです。

ちなみに、プロ野球で昔サイン盗みが横行した際、対策として、サインが複雑化していきました。

元ロッテで活躍した里崎智也さん曰く、

キャッチャーは5本の指を駆使してサインを出すわけですが、複数回出す中の「何番目」なのか、どの指がどの球種なのか、打者によって変えるのか、奇数イニング、偶数イニングで変えるのかなどのルールもピッチャーによって全員違います。

とのこと。

このように、イニングごとに違ったりするサインを、どうやって盗むのでしょうか?

サイン盗みの手口・方法は?

プロ野球におけるサイン盗みは、実際にどんな手口・方法でおこなわれていたのでしょうか?

それを知るには、まず何をサイン盗みとするのか?の定義をしなければなりません。

サイン盗みは、言葉だけで受け取ると勘違いしやすいのですが…

投手に対し、捕手が手を使って球種やコースを決めるサインを解析、その結果を伝える

という行為のこと…だけではありません。

  • 2塁ランナーが、相手捕手が構えた場所を何らかのジェスチャーでバッターに教える
  • 投手のボールの握り方を見て球種を判断し、それを何らかのジェスチャーでバッターに教える

という行為もサイン盗みに該当します。

“サイン”盗みとは言っているものの、サインではない、見てわかる情報を教えることもダメ、というわけですね。

しかしその一方で、

バッターが捕手の構えた位置をチラ見する行為

については、基本的にルールでは禁止されていません。

この行為は、プロ野球では少ないのですが、高校野球ではよく見られる光景です。

これらを踏まえて、一体どうやってプロ野球でサイン盗みがおこなわれていたのか?

サイン盗みの手口・方法を、過去の事例も参考にしながら紹介していきます。

サイン盗みの手口1目で見た情報を伝える

過去のサイン盗み騒動によって、サイン盗みに関するルールが決められたことから、現在のプロ野球でサイン盗みといえば、

『目で見た情報を伝える』

という手段しかありません。

2塁ランナーが、目で見た情報をジェスチャーで伝える、なんともアナログな方法であり、先ほど紹介したGIF画像も、この方法だと考えられます。

紹介した画像では、2塁ランナーのエルドレッド選手(当時)が、キャッチャーがアウトコースに構えたのを、手で教えているように見えますよね。

ただ、あからさまなジェスチャーだと、審判にバレて処分を受けることになるので、

サイン盗みが禁止になった現在は、ランナーはリードの距離や姿勢を変えて相手の球種・コースを伝えている

という工夫をしているみたいですね。

巨人は、長嶋監督時代に、不自然な2塁ランナーの動きを察知し、試合中にサインを変更したことがありました。

ベンチも、かなり警戒していることがわかります。

サイン盗みの手口2スパイ行為

日本プロ野球で、最初に問題となったサイン盗みの手口、それが、

スパイ行為

と呼ばれるサイン盗みです。

最初に、スパイ行為が誕生したのは、1960年代。

主に南海や広島がよくやっていたと言われています。

この前科があるため、今でも広島カープはサイン盗み疑惑が出てしまう、というわけですね。

スパイ行為が、具体的にどのような方法かといえば…

  1. バックスクリーンの横か、パネル式のスコアボードの隙間に2人配置する
  2. 1人が高倍率の双眼鏡を用いて、捕手のサインを覗き球種を特定する
  3. もう1人がサインを電話や旗でベンチに伝える

という、外部の人間を利用した大掛かりな行為でした。

伝わった情報をバッターに伝える際は、

球種によって掛け声を決めておく(広島)

バッターの身体に受信機をつけておき、そこに電波を流した(広島、南海)

といった方法を使っていました。

このサイン盗みに対抗するために、バッテリーは乱数表を用いた歴史もあったほど。

後に乱数表の使用、そして機器の利用による不正な情報の入手も禁止され、サイン盗み問題も沈静化していったのですが…

重要なのは、

この時点では、サイン盗み自体は禁止されていない

という点です。

次に、スパイ行為によるサイン盗み疑惑が浮上したのは、1998年のダイエーでした。

ダイエーの前身が南海だったので、つまるところ、

『ホークス』というチームは、サイン盗みの常習犯だった

とも言えます。

この時のダイエーは、どういう手口でサイン盗みをしていたのかというと…

  1. ホームゲームの時、球団職員が球場のモニターを見て相手バッテリーのサインを解読
  2. 無線機で外野席にいるアルバイトの学生に球種を伝える
  3. その情報を、学生がメガホンを立てるなどのジェスチャーで、バッターに合図を送る

という方法です。

このダイエーによるサイン盗み問題を受け、1999年1月18日に、

当時のコミッショナーが『試合中に外部からベンチへの情報伝達の禁止』などの6項目を通達

し、パ・リーグは監督会議を開き、

二塁走者やコーチによるサイン盗みも禁止

としました。

その後2009年に、セ・リーグも申し合わせ事項として、サイン盗みを禁止にしたことで、両リーグにおいてサイン盗みの禁止が規則となったのです。

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まとめ

サイン盗みは、

首位を走っているチームが、ホームゲームでの成績が異常にいい場合に疑われやすい

という特徴があります。

2018年の広島カープも、その疑いの対象になっていました。

でも、確たる証拠がないので、あくまで疑惑止まりです。

サイン盗みの手口・方法は、

  1. 2塁ランナーが、目で見た情報をジェスチャーで伝えている
  2. スパイ行為によるもの

の2種類があります。

さすがに現在では、スパイ行為はおこなわれていません。

しかし、テレビ中継を見ていると、

2塁ランナーが、目で見て判断した情報を伝える行為は、今でも時々おこなわれている

ように感じます。

サイン盗みは、ルールとして禁止になったのですから、正々堂々とフェアプレーをしてほしいものですね。

海の向こうのアストロズのようになってからでは、遅いのですから…。

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