初めて聴いた人は、シルクロードのようなアジアンテイストの楽曲と思い、どことなく妖しい世界観を描いている印象の久保田早紀さんの名曲『異邦人』。
かつて、三洋カラーテレビのテレビCMでタイアップされ、一気に注目された楽曲です。
ただ実は、『アジアンテイストとは大きく異なる歌詞の意味が存在している』といわれています。
では、異邦人の歌詞の本当の意味とは、どういった内容なのでしょうか?
本記事では、筆者の個人的見解も交えながら、名曲『異邦人』の歌詞の本当の意味を解説していきます。
心に残る久保田早紀の名曲『異邦人』
イントロから、アジアンテイストで、妖艶な世界観をも感じさせる久保田早紀さんの名曲『異邦人』。
筆者は、この独特の妖しさに、癖の強さを感じ魅了された一人です。
実際に、楽曲のレビューなどを見ていくと、筆者一人がアジアンテイストを感じていたわけではないとわかります。
メロディがアジアンチックで、歌詞もどこか異世界な印象を与える歌詞内容です。
いきなり
「子供たちが空に向かい両手広げて・・・」
と始まっていく歌詞には、とにかく衝撃が走りました。
筆者の第一印象としては、
これって、西遊記か何かをイメージした歌詞なの?
という印象で、まさに神(仏)の経典を目指して、突き進んでいくシルクロードのよう…。
まぁ両手を広げた子供たちが、空に向かっていくわけですから、神の世界に旅立つような、新興宗教の世界と考えても、おかしくありません。
その是非はともかく、この『妖しさ』が、異邦人のひとつの魅力となっているのは間違いないでしょう。
異邦人の歌詞の意味とは?
さて、ここからは、メインテーマである異邦人の歌詞の意味について解説していきます。
端的に、異邦人の歌詞の意味をまとめてみると、
異国の人とのエキゾチックな恋愛模様と、それを失ったことへの哀しみ
が描かれています。
1番では、主人公となる女性が、ある異国からやってきた旅人に恋をします。
しかし、とくに相手にされるわけではなく、スルーされてしまう様子を描写。
一方、2番の歌詞では、
叶わない恋だとわかり、恋する相手に対して別れを決意する女性の心理描写
が描かれています。
おそらく気になる相手男性は、
中東からシルクロードを渡り、日本にやってきた外国人
と思われます。
そして、主人公に対して、相手男性は自然とレディファーストを取り、その言動に心が引かれた主人公は、その男性を好きになってしまった・・・
しかし、特に恋愛感情を相手男性が持っていなかったので、ただ旅行を満喫して母国に帰っていく…
そんな彼を追いかけようと、海外に渡ろうとするものの、右も左も分からず、相手男性に置き去りにされてしまい、叶わぬ恋にさよなら…
という流れです。
まさに、アジアンテイスト満載な音楽とは言えますよね。
異邦人の歌詞の本当の意味とは?
『異邦人』は、お話しした通り、アジアンテイスト満載な歌詞が描かれている楽曲です。
でも実は、そうではなかったみたい…。
というのも、この楽曲を手がけた久保田早紀さんが、全く異なる証言をしているのです。
では、本当の歌詞の意味とは一体何だったのでしょうか?
その真相を探っていくと、意外な話が見えてきます。
『異邦人』の舞台は、東京都国立市の風景
実は、1番の歌詞にある子供たちの描写は、久保田早紀さんが住んでいた
東京都国立市の国立駅前から見えた何気ない風景
を描いただけでした。
単純に、国立駅から見えた、子供たちが無邪気に遊んでいる姿を描いただけです。
「そこに特別な意味があるというわけではなかった」
と、久保田早紀さんは証言しています。
とはいえ、歌詞には異邦人という言葉が出てきているわけですし、全く海外と無関係では無いと思うのですが…
さらに紐解いていくと、異邦人も外国人を示しているものの、特に中東を意識したわけではありませんでした。
アジアンテイストのメロデイが大きな誤解を
ただ、アジアンテイストな曲のイメージに影響を受けていた久保田早紀さんの紡いだメロディが、歌詞の世界観をシルクロードと結びつけてしまいました。
そして、中東の素敵な男性に対する恋い焦がれる女性の恋愛描写を、どことなくエキゾチックに描いていった、というのが率直なところなのでしょう。
異邦人を巡る裏話とは?
実は、異邦人を巡って裏話が存在します。
久保田早紀さん本人曰く、
「あまりにも衝撃的すぎて、楽曲が一人歩きし、気がつけば御殿が建ってしまった」
と…
しかも、異邦人の久保田早紀というイメージが強すぎて、その後の楽曲制作にも支障が出てしまった話もありました。
音楽で世の中でブレイクすることは素晴らしいことです。
でも、そこに縛られてしまうリスクも伴うのは、なんとも言えない話ですね。
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まとめ
今回は、久保田早紀さんの名曲『異邦人』の歌詞の意味について、調査・考察しながら、その真相をまとめてみました。
異邦人は、そのメロディが、あまりにもアジアンテイストであるが故に、
「中東からやってきた男性に恋した女性目線の失恋ソング」
といった印象の歌詞内容の曲となっています。
ところが、実際は、特に中東に限った話ではありません。
外国人に恋をしながら相手にされず、さよならしてしまった女性の哀しい心理描写
を、ただ描いただけに過ぎませんでした。
そのことが改めてわかり、異邦人が実に奥深い楽曲なのかわかりましたね。
ぜひ、歌詞の意味を踏まえつつ、異邦人を改めて聴いてみてください。