月刊アフタヌーンにて連載中の岩明均先生の漫画『ヒストリエ』。
月刊誌での連載をしている漫画ですが、何と言ってもこの『ヒストリエ』という作品は…
休載が多く、連載ペースがあまりに遅すぎる
として、
『未完のまま終わりそうな漫画○選』
として紹介されてしまう漫画でもあります。
では、なぜ『ヒストリエ』は休載が多いのでしょうか?
当記事では、月刊アフタヌーンの岩明均先生の漫画『ヒストリエ』について、休載が多い理由を調査してみました。
漫画『ヒストリエ』の休載が多い理由は?
月刊アフタヌーンで連載中の漫画『ヒストリエ』は、『寄生獣』で知られる岩明均先生の作品です。
『ヒストリエ』は、かの有名なアレクサンドロス大王の書記官・エウメネスの生涯を描いた歴史漫画であり、
- 2010年に第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞
- 2012年に第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞
の受賞をしている名作でもあります。
しかし、この『ヒストリエ』という作品は、1つ大きな問題を抱えています。
それが…
連載ペースが非常に遅く、休載が多い
ということです。
どのくらい連載ペースが遅いのかは、連載年数と単行本の数を見てもらえればわかります。
『ヒストリエ』の連載が始まったのが2003年のことでした。
そして2020年になった現在、単行本は11巻までしか出ていません。
そうです、なんと『ヒストリエ』…
17年で、たった11巻しか出ていません!
いくら月刊誌での連載作品とはいえ、連載年数より単行本の刊数が大きく下回っていることは、異常なことですよね。
『17年で11巻しか出ていない』ということは、それだけ休載が多いことでもあります。
どのくらい休載が多いのか、それを示す数字として、2020年3月現在における、直近の掲載日を見てみましょう。
110話:2020年3月25日
109話:2020年1月25日
108話:2019年11月25日
107話:2018年10月25日
106話:2018年8月25日
105話:2018年6月25日
104話:2018年4月25日
103話:2018年2月25日
102話:2017年12月25日
なんだ1ヶ月おきか…と思った人は、赤字のところをよく見てください。
なんと、
107話から108話までの間は、1年1か月も空いています!
そもそも月刊誌でありながら、不定期連載とも宣言していないのに、隔月連載…
なぜ、『ヒストリエ』は、こんなに休載が多いのでしょうか?
作者の岩明均先生は、もう還暦が近いですし、何か病気をしていたりするのでしょうか?
調べてみると、『ヒストリエ』の休載が多い理由は、岩明均先生の病気などではなく…
岩明均先生が遅筆だから
という、何とも言えない微妙な理由でした。
岩明均先生は、これまでに自分の作業の遅さを自覚している発言を何度もしています。
最初に自らの遅筆を自覚するコメントをしたのは、第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した時です。
この時は、以下のコメントをしています。
開始から7年、ご支持をいただけた事は大きなよろこびです。
開始から7年経つのに単行本がいまだ6冊というのが何とも面目ない話で、今現在もほかのマンガ家さんが聞いたら笑ってしまうようなわずかな仕事量に立ち往生し、机にへばりついておる所です。
もう10年も前から、遅筆を自覚していながら、その数年後に1年1ヶ月も休載しています。
言うだけなら、何とでも言える状態ですよね。
さすがに、1年1ヶ月もの間を休載していた時は、『まずい』と思ったのか、休載明けに次のコメントを誌面で残しています。
ずいぶんとご無沙汰いたしました。
年齢からくる心身の衰えそのままに、仕事の手間取りがひどくなってきています。
これまでは最もやりやすい、自分に合った手法で執筆活動を続けてきましたが今後は「作品のために」やりかたを変えていかなくてはならなくなったようです。
私も来年還暦で、新たな手法にしても一朝一夕で身につくとは思えず、劇的に作業時間が短縮されることもないでしょうけどやるしかないです。
さしあたっては12巻を11巻よりは短い月日で形にすることが目標です。
2020年の誕生日で還暦となるだけに、心身の衰えも出てくることから、
本格的に『ヒストリエ』連載のために執筆のやり方を変えること
を決めたようです。
具体的なやり方は不明ですが、アシスタントを雇うとか、デジタル処理をするといった手法をとるのではないでしょうか。
岩明均先生の執筆ペースが遅い理由の1つに、
『アシスタントを雇っていないこと』
が挙げられます。
アシスタントがいない…
それはつまり、岩明均先生は1人で、あらゆる作業をやっているわけです。
それに加え、単行本を刊行する際には、加筆修正などもおこなっています。
岩明均先生が、もっと前にやるべきだったことは、アシスタントを雇用、もしくは育成することだったでしょうね。
独特の表現などもあり、執筆が難しいこともあるのかもしれませんが…
岩明均先生は、ただでさえ遅筆なのですから、せめて背景アシスタントあたりは雇っておき、負担を減らせる体制を作るほうが良さそうです。
年齢による心身の衰えもあり、執筆速度の低下をもたらす要素が、さらに増えているのです。
昔からアシスタントを雇っていれば、還暦になってから手法を変えようとして苦労する必要もなかったわけですからね。
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まとめ
月刊アフタヌーンで連載中の岩明均先生の漫画『ヒストリエ』は、休載が多い漫画として有名です。
どのくらい多いのかというと、
連載17年で単行本がわずか11巻しか出ていません。
この数字が全てを物語っています。
理由は岩明均先生の病気といった健康問題ではなく、単純に岩明均先生が遅筆なだけです。
まぁ、エウメネスはその半生が詳しくわかっていないため、描くのに苦労しているのだとは思いますが、それにしても遅すぎます。
さすがに執筆ペースが遅いことは岩明均先生自身も自覚しており、最近では作品を完結させるため、執筆活動のやり方を変えていくようです。
まだ新しいやり方に苦心しているのか、1年の休載前後で執筆ペースが全く変わっていませんが…。
ただ、岩明均先生の場合は、他の何も言わず平然とサボったり、だらだら言い訳をしているなめくさっている漫画家と違い、切実なコメントをしているところは好感が持てますね。
『ヒストリエ』が名作であることには変わりないので、何とか完結させてほしいと思っています。