漫画『七つの大罪』に登場する、男勝りながら、バンへの一途な片思いで人気のジェリコ。
『七つの大罪』連載初期に登場した聖騎士見習いのジェリコは、言葉遣いや凛々しい鎧姿から、”男の子”かと思われていましたね。
そんなジェリコには、リオネス聖騎士の兄(グスタフ)がいます。
ジェリコが、自分のことを”俺”と言ったり、男装をして聖騎士見習いをしているのは、どうやらグスタフと関係があるようなのですが…。
一体、ジェリコと兄(グスタフ)の間に何があったのでしょうか?
今回は、ジェリコと兄(グスタフ)の関係や仲について、いろいろと調べてみたいと思います!
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ジェリコと兄(グスタフ)の仲は?幼い頃から確執?
ジェリコと兄(グスタフ)は、代々リオネス王家に仕える聖騎士の家系に生まれました。
兄・グスタフは、生まれた時から、いずれ聖騎士として家を継ぐ者として扱われ、そのことを誇りとしながら、聖騎士見習いとしての厳しい鍛錬を積んでいました。
氷の魔力が発現したこともあり、ますます聖騎士見習いとして修業に明け暮れるグスタフ。
ジェリコにとって、そんな兄は
憧れの存在
だったのです。
修行で忙しい、憧れの兄・グスタフと、
いつでも一緒にいたいがためにジェリコも騎士になることを望みます
が、そんなジェリコの気持ちを知らない兄・グスタフは決まってこう言います。
「お前は女なんだから、できるはずがないだろう」
魔力の発現もしていない、しかも女であるジェリコが聖騎士になれる訳がない、家でおとなしくしていろ、と兄・グスタフに邪険に扱われるため、兄妹は、言い争いをするようになっていったようです。
傍から見ると、兄・グスタフのすることなら何でも一緒にしてみたがり、わがままを言い出したらきかないジェリコ。
そんな妹に手を焼き、最後には突き放す物言いをする兄・グスタフは、
あまり仲良し兄妹に見えなかった
と思われます。
そんな中、ジェリコが7歳の時のこと。
ある出来事がきっかけとなり、ジェリコは、
自らを「俺」と言い、大好きな可愛いドレスの代わりに男物の服を身に着けることで女を捨て、
家を出て、下っ端の兵士から聖騎士目指し、兄・グスタフに認めてもらえる強さを得る決意をします。
しかし、家を抜け出すところを兄・グスタフに見つかり、いつも通り言い争いに。
そこでいつも以上にジェリコの決意が固いことを知ったグスタフは、渋々ながら、ジェリコが聖騎士見習いになれるよう口添えをすると約束してくれるのです。
その時に、兄・グスタフの口から出た言葉は、
「俺と父上に恥をかかすな。途中で音をあげたら許さんぞ」
でした。
それに対してジェリコは、
「絶対に兄貴より強い聖騎士になってみせる!」
と答えます。
このやり取りから見ても、家柄を重んじる厳しい兄と、そんな兄を見返そうとしている妹、という関係が見えますね。
そんな関係の中でもグスタフは、
3歳年下の妹が可愛くて仕方がなかった
のです。
ジェリコが、自分のように騎士になりたいと言い出した時も、
『妹には危険な道を歩んでほしくない、きれいなドレスを着て平穏に過ごし女性として幸せになって欲しい。』
そう願っていたのですが…なぜか、そのことを口にすることができなかったグスタフ。
グスタフは、せっかく可愛い女の子に生まれたのに、わざわざ辛い道を進もうとする妹の気持ちが理解できません。
なんとか騎士を目指すのをやめるように説得しようとした結果が、
「お前は女なんだから、できるはずがないだろう」
というセリフだった訳なのです。
このことから、
グスタフは口下手で不器用な性格
だということがよくわかります。
お互い、一番大事な一言を口にできていたら、こんな風にすれ違うことなく、もっと違った兄妹の関係が築けていたかもしれません。
その点では、
ジェリコとグスタフは本当に似たもの兄妹
と言えるようです。
こうして、お互いの気持ちに気付くことなく、女を捨てたジェリコは、聖騎士見習いへの道を突き進んでいくのでした。
ジェリコと兄(グスタフ)の聖騎士になった後の関係は?
その後、ジェリコは無事に聖騎士見習いになれたようで、約10年後には、バステ監獄の警護についていました。
そこで、ジェリコは、
バンの脱獄騒動に巻き込まれた結果、プライドを傷つけられ、それが後に魔神の血を飲む決意をさせる
ことに繋がったのです。
その後、ジェリコは、魔神の血を飲み、それで強力な魔力を得て『新世代』と呼ばれる聖騎士になってしまいます。
一般的な聖騎士として活躍しているグスタフには、ジェリコの変貌をどのように感じていたのでしょうか?
一度、聖騎士の職務を放って出かけたジェリコに対して、
「『新世代』だか何だか知らぬが、聖騎士としての責任をまるで理解していない。いつまで俺に恥をかかせるつもりだ…!」
と、怒りのあまり氷の魔力で周囲を凍らせながら、憤るグスタフが描かれています。
このセリフから、ジェリコとグスタフの関係は、
子供時代からあまり変わっていないような印象
を受けますね。
ヘンドリクセンの企みで『新世代』聖騎士達の魔神の血の暴走が引き起こされた際、ジェリコは魔神に身体を支配され、意識を失いながらも、グスタフにこう言っています。
「俺、強くなったんだよ…兄貴…少しは褒めて…」

ジェリコとグスタフ
幼い頃から、大好きな兄・グスタフと一緒にいることを願っていたジェリコ。
強くなってグスタフを超えれば、自分を認めて褒めてくれる、そうすれば一緒にいられるはず…。
魔神に支配されつつも、そんな『ジェリコの本音』が、素直に口に出た瞬間でした…。
このジェリコの気持ちがグスタフに通じたのか、変わり果てた姿のジェリコを何とか救って欲しいと願うグスタフ。
最終的にバンが、ジェリコの身体を魔神から抜き取り、魔神の種を潰すことで、ジェリコを救うことに成功します。
(このことがきっかけで、ジェリコのバンへの気持ちが、恨みから恋に変わりますが、それは別のお話で)
魔力を失ったジェリコは、再び聖騎士見習い程度の力に戻ってしまいます。
しかし、以前は頑として身につけなかった可愛い女物の洋服を着ているところを見ると、少しだけ気持ちが、軟化したのかもしれませんね。
(バンへの恋心のせいかもしれませんが)
そして、相変わらず口うるさいグスタフと、兄に逆らってばかりのジェリコ。
その関係は、今までと同じで、なかなかすぐには変わらないようです。
ジェリコと兄・グスタフの十戒編での別れ!
その後、『七つの大罪』本編(十戒編)で、兄・グスタフは、『十戒』メンバーのゼルドリスの戒禁『敬虔』によって操られたリオネス市民に刺され重傷を負います。
ようやくリオネス城に避難しますが、そこでは、『十戒』メンバーのグレイロードに魔神の種を植え付けられたジェリコを救うために、魔力を使い果たし、
グスタフは息絶えてしまうのでした…。
後日、グスタフを含めた聖騎士達の葬儀の場でジェリコは、
『(グスタフとは、)まだちゃんと話していなかったこと、いつもけんかばかりしていたこと』
を思い出しながら号泣します。
グスタフが、この世を去ってからの兄のことを想い悲しみ、自分の情けない様を後悔し、涙を流し続けるジェリコ…。
そんなある日、川辺で悲しみと怒りと後悔を剣に込めて川の水に打ち付けていたジェリコですが、気が付くと剣を打ち付けたときに上がった水しぶきが凍りついていたのです!
それを見ていたギーラは、ジェリコに魔力が発現したこと、しかもその氷の魔力はグスタフと同じものではないか?と告げるのでした。
それを聞いたジェリコは、兄・グスタフの顔を思い浮かべます。
「分かったよ、兄貴…俺、もう一度目指すよ。兄貴を超える聖騎士を…!!」
最後まで、ジェリコには分からなかったグスタフの気持ち。
兄と同じ魔力が発現したのは、もしかしたら
グスタフの妹を想う気持ちが籠った最後のプレゼント
で、どこかで兄が見守ってくれているとジェリコは感じたのかもしれませんね。
こうして、新たに氷の魔力を得たジェリコ。
聖騎士として、これから更に強く優しく、グスタフの分も活躍してくれることに期待したいと思います!
まとめ
ジェリコと兄(グスタフ)は、お互いを大切に想っているのに、そのことを口にしないまま、ずっとすれ違って生きてきたようです。
大事な一言を口にできない兄妹は、似たもの同士と言えますよね。
そんな二人ですが、お互いの気持ちを伝えられないまま、兄・グスタフが亡くなるという悲しい別れが突然訪れました。
最後まで兄・グスタフとちゃんと話せなかった、自分が弱いばかりの役立たずだったと…と悲しみ後悔するジェリコでしたが、突然、魔力が発現します。
それは、亡くなった兄・グスタフと同じ、氷の魔力…。
ジェリコは、その魔力を兄からの贈り物として、グスタフを超える聖騎士になる決意を再び抱くのでした。
新たな魔力を得たジェリコが、これから『七つの大罪』の中で、どんな活躍をみせてくれるのか、とても楽しみですね!