女であるため、聖騎士である兄・グスタフに対して、どうしても腕力で劣ってしまう部分があり、その事をコンプレックスに感じている聖騎士見習いだった『七つの大罪』のキャラクターのジェリコ。
ジェリコは、リオネス王国奪還編で魔神族の血を飲み、その後、魔神化してしまうシーンを除いては、それほど目立っていなかったように思います。
さらにその後、十戒編では、ジェリコがバンとエレインを十戒から救うために動く主要キャラクターとして登場します。
ただ、ジェリコが主要キャラクターとなった割には、その強さや魔神に変身してしまった経緯、そして能力(技)などを知らない方もでてきそうですよね。
そこで本記事で、『七つの大罪』のキャラクター・ジェリコの魅力を改めてご紹介していきます!
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ジェリコの強さの秘訣は『七つの大罪』バンへの愛?
『七つの大罪』のキャラクターというと、メリオダスをはじめとする七つの大罪メンバーや、2大聖騎士長であるヘンドリクセン、ドレファス(実質2人共、魔神族に乗っ取られている)、そして、ギルサンダー達聖騎士の一部が、主だったキャラクターとなっています。
しかし、実際に登場するキャラクターは、彼らだけではありません。
新世代の1人で、聖騎士となったジェリコも、十戒編では重要なキャラクターとして登場します。
魔神族の血を飲むことで身につけた魔力は、魔神の力が暴走した際に、バンの活躍により消失し、聖騎士見習いとして身につけた一部の能力は残っているものの、はっきり言って、ジェリコは七つの大罪メンバーたちよりは、遥かに弱いです。
しかし、ジェリコは魔神化した際にバンに救ってもらったことをきっかけに、バンを愛するようになり、1人の女性として強くなりました。
それは『七つの大罪』単行本コミックス18巻を読んでいただければ分かることです。
十戒のメラスキュラによって、魂を復活させられたエレインが、バン・ジェリコに襲いかかるシーンがあります。
バンは、エレインは何かに操られておかしくなっているだけと、一方的に攻撃されても咎めること無く、エレインの行動を全部受け止めようとします。
しかし、ジェリコは、そのエレインの行動を黙って見ていることができませんでした。
無茶を承知で、エレインの体めがけて飛び込み、押さえつけたジェリコは、
『本当にバンのことを愛しているのか?』
と激怒。
そして、
『俺もバンのことが大好きだ』
と言います。
さらに続けて、
『バンのためだったらなんだってやってやる。けどな、男を苦しめることだけは絶対にしねぇ!』
と、啖呵を切るのです。
その言葉は、エレインの胸に突き刺さり、メラスキュラの呪縛から立ち直ります。
結果的に、バンに襲いかかるエレインからバンを守ろうとしたジェリコの行動は、エレインの心に宿った嫉妬・妬みから一時的に解き放たれたのです。
さすがに十戒のメンバーたちと、対等に渡り合えるほどジェリコは強くありませんが、何とかしてバンのために動こうとする姿は、1人の女性として、たとえ振り向いえてもらえないとしても、健気に愛し続ける強さの表れなのだと思います。
そして、ジェリコがその場にいたからこそ、最終的に七つの大罪メンバーのエスカノールがいる酒場に逃げることができ、なんとか命を救われたのです。
あくまで、ジェリコは、サポートとしての強さでしかありませんが、その強さは、闘級では語ることの出来ないものを感じさせてくれますね。
そして改めて、ジェリコはバンにとってだけでなく、この『七つの大罪』という作品においても、重要なキャラクターなのだと改めて痛感させられました。
ジェリコの強さや能力(技)は?
ジェリコの能力といっても、魔力そのものは魔神の力の暴走の際に、既に失くしていますし、あくまで剣技的なものしかありません。
1つは、一瞬のうちに十もの斬撃を放ち、相手を斬り刻む『神速之十閃』、もう1つは、瞬時に相手に迫り、渾身の一撃で相手を斬り刻む『神速之断骨』。
この2つだけです。
もちろん、いずれも剣技としては素晴らしい能力(技)であることに違いないでしょう。
しかし、メリオダスのフルカウンターや、バンのアンデッドの能力には刃が立たず、やはり強力な魔力を持つ面々と比較したら、ジェリコの能力(技)は、見劣りしてしまいます。
そして、どういった理由があったにせよ、力を求めて、魔神族の血に頼ってしまったわけですから、その代償が訪れるのは当然のことなのかもしれません。
ヘンドリクセンによって、ジェリコの魔神の血が暴走してしまい、その時のジェリコ自身の本心としては、もう命を絶って欲しいと願うくらいの後悔だったのでしょう。
幸い、バンの強奪の能力で、ジェリコの中に取り込まれた魔神族の血による魔力を断ち切ってくれ、ただの人間に戻してくれただけでも、非常にありがたい話ですよね。
ジェリコも、それ以来、バンを命の恩人として見るようになり、憎しみから好意的な目で見て、愛するようになっていったわけです。
決して魔神としての魔力が失われたことをジェリコは悔いておらず、以降はとくに背伸びしてまでも力が欲しいとは思っていないようですね。
聖騎士見習いジェリコが魔神化した背景(理由)
先ほども少し触れていますが、実は聖騎士ギーラ同様、ジェリコも魔神の血を飲んで、魔神化せずに耐え切った新世代の1人でした。
ただ、ヘンドリクセンが古の呪言を用いて魔神の血を暴走させ、新世代が抱いている聖騎士への劣等感や、自身の能力の低さに対する苛立ちを増幅させ、魔神化させてしまったのです。
幸いにも、ギーラはゴウゼルが能力を用いて、記憶を塗り替えたために、精神が揺さぶられず、魔神化せずに済みましたが、ジェリコはそのまま魔神化してしまったのです。
もともとは、女であることをコンプレックスにしていたジェリコが、バンに甲冑を剥ぎ取られ、公衆の面前で女であることを晒された悔しさを晴らすため、力を手に入れようと魔神の血を飲んだところから始まった話です。
その行為さえしていなければ、ジェリコが魔神化することはなかったのですが、そこは人間の心の弱さというべきなのかもしれません。
一度は魔神化してしまったジェリコですが、バンが魔神化から開放してくれたために、今も1人の女性として生きることができています。
そういう部分でジェリコにとって、バンは命の恩人であり、それをきっかけにして、ゆくゆくは愛する人となっていくのです。
エレインというバンの想い人が存在している以上、ジェリコにとって、叶わぬ恋であることは分かっていますが、それでもバンのことを諦めきれず、いつまでも追いかけて行ってしまうわけですね。
ある種、ストーカー行為でもあり、あまり好ましい行為ではないのだと思いますが、幸いにしてバンはジェリコのことを妹のように思っていますし、エレインが亡くなり、心に穴が空いていたバンにとっては、ジェリコが、ある種、心の支えになったことも事実だと思います。
今後も普通に考えれば、異様な光景として映るかもしれませんが、何かが変わらない限り、バンとエレイン、ジェリコは変な三角関係として共に行動し続けていくことになるでしょうね。
まとめ
『七つの大罪』に登場する聖騎士見習いのジェリコは、女性であるか弱さに対してコンプレックスを持つキャラクター。
七つの大罪メンバーのバンによって、そのコンプレックスを周囲に晒されてしまったため、復讐心に囚われ、魔神の血をのみ魔力を手に入れますが、最終的には魔神化してしまいます。
魔神化した後、バンに救われたものの、魔神の血で得た魔力を全て失ったため、以降は、ただの人間であり、能力的にはそれほど高くありません。
ただ、バンを愛する気持ちは誰にも負けず、バンのためだったら何でもしてあげたいと奮起し、愛ゆえの強さを随所で発揮します。
ジェリコと蘇ったエレインとバンの奇妙な三角関係が続いていますが、今後もジェリコは重要なキャラクターの1人なので、きっと色んなところでジェリコの魅力が垣間見られることを期待したいですね!