給食のソフト麺はいつまで?なくなった理由と原材料や味をチェック

学校給食の定番とも言われ、多くの子供たちに親しまれてきたソフト麺。

そんなソフト麺が、今、

だんだん学校から消えつつある

と言われているのを知っていましたか?

実際、茨城県のある学校では、

ソフト麺がなくなった!

ということでニュースになったことも…

では、なぜ学校給食のソフト麺が消え始めているのか?

今回は、給食のソフト麺がなくなっている理由など、ソフト麺についてお話していきます。

ソフト麺とは?

学校給食のソフト麺を知っていますか?

正式には、

ソフトスパゲッティ式めん

という名前です。

学校給食では、

『ご飯、パンに続いて登場率の高い炭水化物枠』

として、ソフト麺が有名だったように思います。

この『思います』というのも、実はソフト麺というのは、

地域によって出る頻度が異なる

からです。

そもそも、ソフト麺というのは、東海、関東、中国地方の一部ではよく知られている学校給食なのです。

東北、関西(滋賀県以外)、四国、九州、沖縄県、北海道(札幌市以外)、北陸・甲信越では、ほとんどソフト麺に知名度がありません。

かなり地域が限られたメニューなんです。

2018年に放送されたNHKの特集では、

平成29年度、『ソフトめん』の給食を扱うのは、主に中部地方から東のエリアを中心に18道県…

との紹介がされていました。

筆者の地域はソフト麺が出る地域だったので、小中学生の頃はよく食べました。

ソフト麺を知らない!という人のために、ソフト麺そのものについても紹介しますね。

まず、ソフト麺の原材料は、

  • 小麦粉(強力粉)

これがスタンダードな形です。

ソフト麺は、見た目こそ、うどんのように見えるのですが、

うどんは薄力粉を使うのに対し、ソフト麺は強力粉を使っている

という違いがあります。

また、強力粉自体も、学校給食用強力粉という、ビタミンB1やB2を含んだ強力粉を使用しているんですよ。

ソフト麺の味は、かけるものによってさまざまで、カレーやミートソースがありました。

地域によっては、それ以外のものをかけて食べることもあるかもしれません。

さすがに、ソフト麺そのままで食べることはありません。

物好きな人は、ミートソース単体、ソフト麺単体で食べていたかもしれませんが…

ソフト麺がなくなった?その理由とは

学校給食の人気メニューの1つでもあったソフト麺。

しかし、現在そんなソフト麺が、

だんだん学校から消えつつある

との悲しいニュースを耳にしました。

ソフト麺が消えつつあるというのは、本当なのでしょうか?

実際にソフト麺がなくなった地域では、いつまでソフト麺が提供されていたか調べてみました。

たとえば東京都。

東京都は、ソフト麺発祥の地であり、1965年1月に全国に先駆けて給食に登場しました。

そんな東京都でのソフト麺は、だんだん減っていき、

懐かしのメニューとして、年1回出てくる程度に減少

してしまいました。

その後、2016年には、規格品から外れたことで、懐かしメニューも中止に。

東京都でも、消滅とまではいきませんが、ほとんど見かけることがなくなってしまったのです。

東京都民の中には、

東京都民の声

ソフト麺っていつまで出てたの?

東京都民の声

私が小学生の頃はもう既になかった

東京都民の声

5個くらい上の先輩の頃は出てたらしいけど、うちは全く知らない!

と、ソフト麺の存在を知らない人が増えています。

今、全国的に数を減らしている給食のソフト麺。

なぜ、ソフト麺がなくなったという地域が増えてしまったのでしょうか?

その理由は、大きく分けて2つの理由があります。

ソフト麺がなくなった理由1 文部科学省のせい

ソフト麺がなくなった理由の1つに、

文部科学省が2009年に出した、『学校における米飯給食の推進について』

が挙げられます。

これはどんな内容かというと、

米飯給食を週3~4回にしてほしい

というもの。

この方針の影響力は大きく、米飯以外をパンかソフト麺で分け合っているため、ソフト麺自体の受注が減ってしまう結果になったのです。

受注が減ることによって、さらなる影響…もう1つの理由が生まれることになってしまいます。

ソフト麺がなくなった理由2 製麺業者が激減

ソフト麺がなくなった理由というのは、製麺業者が減ったのも理由の1つです。

もともと、ソフト麺というのは製造が非常にコストと手間がかかります。

なぜかというと、給食のソフト麺は、

配膳される日に、40分かけて90度の蒸気殺菌を行い、ホカホカの状態で学校に午前中に納入しなければなりません。

他の麺類に比べると、かなり手間がかかります。

それに加え、前述の受注数の減少…

こうして、東京都の場合は、

  • 注文が年1回のためだけに、製麺業者がソフト麺のための設備を維持する費用
  • 注文を受けられない業者もいる

という理由で、規格品から外されることとなってしまいました。

このように、

  • ソフト麺は製麺業者の負担が大きくコストが見合わない
  • 少子化の影響や文部科学省の米飯推進方針のせいで注文が減っている

などの要素が重なり、

製麺業者が学校給食から撤退、もしくは廃業に追い込まれてしまっているのです。

そして、ある地域を担当していた製麺業者が廃業してしまうと、その地域からソフト麺は消えてしまいます。

例としては、茨城県が挙げられます。

茨城県では、ソフト麺業者最大手だった『茨城ソフトメン』が2015年に廃業!

水戸市など担当エリアからは3年間、ソフト麺がなくなっていました。

そこで水戸市は、他の業者から提供を受けられるよう交通網を整備し、3年の時を経てソフト麺の復活にこぎつけたのです。

しかし、茨城県では、製麺業者が15社から9社に減少…

このままでは、いつまでソフト麺の文化が持つかわかりません。

もう20~30年も経てば、ソフト麺が全国から完全消滅してしまうということだって、十分に考えられます。

今のソフト麺をとりまく環境が変わらない限り、今後は茨城県のみではなく、全国でソフト麺の製麺業者が減少し続けるでしょう。

コストが見合わないのはもちろんですが、こうして原因を考えてみると、

文部科学省にも原因がある

ともいえます。

やっぱり、文化を破壊するのも役人なんだなということが、よくわかる事例の1つとなりました。

スポンサーリンク

まとめ

給食のお馴染みメニューだったソフト麺。

現在、提供数がかなり減り、廃業などによる製麺業者の減少も相まって、

ソフト麺が給食からなくなった

という地域も増えているようです。

昔は、あんなに人気だったソフト麺が、

「いつまでソフト麺ってうちの地域で出てたの?」

なんて言われてしまう日が来ていること自体、筆者としては悲しみを覚えました。

とはいえ、

  • 製麺業者の負担が大きくコストが見合わないこと
  • 役人が米飯を推進する方針

である以上、こうなるのも仕方ないのかもしれません。

いずれ、ソフト麺が給食から完全消滅してしまう日も、近いのかもしれませんね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする