SNSアプリとして有名な『LINE』。
この記事を読んでいるほとんどの方が、友達や家族との連絡手段に、このLINEをよく使われているかと思います。
メールよりも気軽に連絡がとれるLINEですが、
最近になって、LINEを悪用した詐欺などのトラブルが、若い世代を中心に相次ぐようになってきました。
中でも、先日20日に、ある女子学生が、
LINEでの会話を通して、中央大学の男子学生に総額125万円を騙し取られた
という事件が報道され、話題になっています。
LINEを使った詐欺とは、一体どのような手口なのでしょうか?
そして、そういったトラブルに巻き込まれることなく、安心してLINEを使うためには、どのような事に気をつければいいのでしょうか?
今回は、先日発生したLINE詐欺事件に関する情報を中心に、安心してLINEを使うための対策などの方法を解説します!
LINEを使った詐欺事件が発生!
国内のユーザー数は5800万人以上、
今やその名前を知らない人はいないほどメジャーになった、コミュニケーションアプリの『LINE』。
LINEは、とくに中高生や大学生などの、若い世代を中心に人気が高いアプリで、
メールのような感覚で日常の連絡手段として使われています。
一方で、それだけ普及したLINEが悪用され、若い世代の人達が、悪質な詐欺やトラブルに巻き込まれる事件が相次いでいます。
中でも最近話題になったのが、先日20日頃に報道された、女子大生がLINEの会話を通じて、
125万円を騙し取られたという詐欺事件です。
しかも、女子学生からお金を騙し取った人物は、同年代の中央大学の男子学生であるとのことです。
若い世代同士がトラブルを引き起こした構図となっているのです。
LINEで詐欺!事件の概要は?
被害にあった女子大生が男子学生と出会ったのは、学外で開催されていた、学生向けのイベントでした。
男子学生は、「1年で7億円稼いだ会社の経営者と仲が良い」などの話をして、
女子学生と仲良くなり、LINEの連絡先を交換したようです。
その後、男子学生はLINEにて
「月に25万円ほど稼げるビジネスがある、投資してみないか」
と女子学生に持ちかけ、5万円の振り込みを強要しました。
その後女子学生は、消費者金融での借り入れや、クレジットカードの作成も強いられ、
最終的には125万円もの資金を男子学生に渡しました。
しかし、カードの不正利用に気付いた女子学生が、男子学生に返金を求めたものの、それに応じてもらえなかったことから、
女子学生がこれを詐欺だと考え、警視庁へ被害相談をするに至ったのです。
くわえて、慶応義塾大学の男子学生も、同一人物から同様の被害を受けており、
「父は外交官、おじは警視総監だ。知人の会社の資金繰りが厳しくなり、お金を貸してほしい」
と言われ、30万円をだまし取られたとのことです。
お金をだまし取った男子学生は、詐欺であることを否定しています。
女子大生は刑事告訴を検討しているとのことなので、じきに警察の介入があることでしょう。
若い人にもLINEで「詐欺」が身近なものに!
今回の事件で注目すべきことは、詐欺を実行した人物も被害にあった人物も、どちらも20代の大学生であるということですね。
みなさんが『詐欺』と聞くと、たとえば『オレオレ詐欺』など、高齢の方が騙される、といったイメージが強いかもしれません。
しかし、それは誤った認識であり、電話であっても若い世代をターゲットにした詐欺事件は増えてきています。
実際にお金を騙し取られた事例も少なくないのです!
とくに、LINEのような若い世代に連絡を取りやすい手段を使って、詐欺をおこなう事例も多発しています。
たとえば、2013年には以下のような詐欺事件がありました。
- 20代の女性が、LINEで連絡を取り合っていた21歳男性から160万円を騙し取った
- 19歳の無職少年が女性になりすまし、22歳の男性から104万円を騙し取った
- 架空の会社の社長になりすまし、男女11人から40万円を騙し取った
LINE詐欺の手口の色々
LINE詐欺の手口には、上記以外にも色々とあります。
その中でも多いのが『乗っ取り』です。
この手口は、犯人はまず対象者(被害者候補)の友人・知り合いのログイン情報を盗み出します。
その上で対象者の友人・知り合いになりすまし、対象者にメッセージを送るのです。
その内容は「今何してる?忙しい?手伝ってもらっていいですか?」というような内容が多いようです。
この詐欺の場合は、いきなり金を要求したりはしません。
「プリペイドカードを購入して番号を送って」などともちかけるのです。
身も知らぬ人にいきなり「金貸して」などと言われて、「ハイ、どうぞ」と貸す人などありません。
しかし、前からの友人・知り合いに
「今ちょっと手が話せない用事があるので、代わりにプリペイドカードを購入しておいて」
と言われれば、うっかり信じてしまうものです。
プリペイドカードには番号が印字されていて、それがあればカード本体はなくても実質的に現金のように利用することができます。
なので、犯人は番号を教えてほしい、あるいはその写真を撮って送ってくれなどと頼むわけです。
この番号を教えてしまえば、一巻の終りです。
プリペイドカードの額面分の被害を受けることになるのです。
不幸にしてプリペイドカードの情報を、犯人に知らせてしまった場合は、その被害を防止するのは、まず不可能でしょう。
この詐欺の特徴と見分け方です。
- プリペイドカードの情報をしつこく要求する
- 日本語がおかしい(犯人が外国人である場合)
- 言葉遣いなど普段のつきあい方とは変わった応対
- いきなり金銭的な依頼をしてくる
これらの条件の全て、あるいは大部分が該当すれば、乗っ取り詐欺の可能性は高いでしょう。
この詐欺の怖い所は、直接の被害者の他にも、情報を乗っ取られた人も、被害者である友人から誹られたりすることもある点です。
以下はもし、犯人にログイン情報を乗っ取られた可能性がある場合の対処法です。
ログインできる場合
この場合は、一刻も速くパスワードを変更しましょう。
たとえ乗っ取られていた場合でも、犯人が未だパスワードを変更していなければ、これで犯人を閉め出すことができます。
ログインできない場合
この場合は、残念ながら既に犯人にパスワードを書き換えられている可能性が極めて高いです。
LINEが設置している『問題報告フォーム』からの通報などをし、警察にも届け出るべきでしょう。
LINEでトラブルに巻き込まれる原因とは?
LINEで発生した、これらのトラブルの話を見てみると、
「どうして、そんな簡単に相手を信用してしまうの?」
と疑問に思う方も居るかもしれません。
おそらく、これらのトラブルが発生する原因は、やはりLINEの
手軽さ
に有るのではないでしょうか?
LINEは、メールのように、受信と送信を繰り返すような手間がかかりません。
その上、文章であっても、電話のようにフランクに会話ができることが、大きな魅力です。
また、文章以外にも、絵文字や可愛いキャラクターの『スタンプ』などで、感情を表現できます。
これも、LINEでの会話が楽しくなる要素の一つですよね。
たとえば、メールでいきなり
「急きょ500万円が必要です。連絡してください」
なんて無愛想なメールが来ても、誰も信用する人は居ないでしょう。
一方で、LINEや関連アプリで知り合って、お互い楽しくLINEで対話している中で、
「実は今、すごいお金に困っていて……」
と、相手から言われたら……。
実際、最初に述べた被害者の男子学生も、イベントで知り合ってから、LINEで数か月ほど交流して加害者と仲良くなったのです。
そのため、被害にあうまでは心から信頼していたとのこと。
LINEという身近なツールを用いることで、相手の警戒心を解いて、その心のスキにつけ込む手口が多い、というわけですね。
LINEでトラブルに巻き込まれないための対策は?
とは言え、LINEであろうとメールであろうと、トラブルに巻き込まれないために気を付けることは同じです。
- 親しくない人や見知らぬ人に、安易にLINEの連絡先を教えない
- どれだけ仲が良い人であっても、暗証番号や口座番号などの重要情報を教えない
- 少しでも怪しいと感じたら、警察に相談する
ただし、前述したように、LINEはやはり『気軽』にコミュニケーションが取れます。
なので、大切な情報であっても、ついつい『気軽』に教えてしまいがちです。
また、中高生の方など、まだ成人していない人であれば、LINEに触れる機会が多い一方で、
「相手に何を教えたらいけないのか」、という善悪の判断も難しいことでしょう。
これまでのLINEを用いた犯罪や、どんなケースでトラブルに巻き込まれるのかをよく学び、
「LINEで何をしてはいけないのか」、ということを、しっかり学ぶのも大切ですね!
LINEの『既読スルー』を気にしない!
また、今回のLINE詐欺事件でもう一つ指摘されているのが、LINEに搭載されている、
相手がメッセージを見たという、『既読』が通知される機能の存在です。
先ほどのLINE詐欺事件で、被害にあった女子大生は、
「自分のLINEメッセージに既読(相手が読んだ)がついてすぐ返事があった。
レスポンスが早かったので、考える余裕がなかった」
と証言しています。
つまり、
相手のLINEメッセージを見る=相手に既読が伝わる
↓
返事が遅くなると、「LINEメッセージを見たのに返事が遅い!」と思われてしまう
↓
早く返事を書かないと!
という心理がはたらくのです。
この、LINEメッセージを見たのに返事をしない、という行為は、LINEユーザーのあいだで『既読スルー』と呼ばれています。
気に入らない人に対する行為などと考えられているのです。
しかし、トラブルから自分の身を守るためには、この『既読スルー』を気にしない心も必要です!
「あれ?なんか変だな?」
と少しでも思ったら、たとえLINEメッセージに『既読』を付けてしまったとしても、
どう返信するべきか、よく考えるようにしましょう。
もし、どうしても『既読スルー』が気になる!というのであれば、正直に
「考える時間が欲しい、返事はもう少し待ってくれない?」
と返信すれば良いのです!
いずれにしても、怪しい『ウマい話』に安易にのらないよう、少しでも気になることがあれば、家族や警察とよく相談すべきです。
トラブルに巻き込まれるのを未然に防ぐようにしましょう!
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まとめ
今回は、LINEをめぐる詐欺などのトラブルについて、その事例と対策について解説しました。
LINEで気をつけるべきことは、電話での詐欺などと同じなのです。
それがLINEとなると、その手軽さから、ついつい相手を信用してしまいがちです。
また、LINEを主に使用している、中高生などの若い人たちは、詐欺などのトラブルに対する意識が低いことも、
トラブルに巻き込まれる原因となっています。
LINEで他人と対話するということは、
詐欺などのトラブルに巻き込まれる可能性が十分ある、ということです。
どのようなトラブルが発生しうるのかをよく心得た上で、十分注意しながら活用していきたいですね!