藤井聡太さんも苦しめたと話題になり、
『女流棋士の間では敵なし』
とさえ言われた里見香奈さん。
ワイドナショーでタレントとして注目され、女流棋士・タレントの二足のわらじで人気を博している現役大学生の竹俣紅さん。
彼女らが、女流棋士としての認知度を高めていることに違いありませんが、まだまだ男性棋士ほどの実力・人気は無く、年収が安すぎという話も…
では、実際のところ、どれくらい女流棋士は年収を得ているのか、ランキングや、女流棋士が年収低い理由もあわせて調査してみました。
女流棋士の年収・賞金ランキングは?
2018年5月、最速で七段昇格を果たし、今や人気絶頂の棋士・藤井聡太さん。
まだタイトル7大タイトルに関しては、所持していませんが、将来、間違いなく7大タイトルを制覇する逸材といっても過言ない存在です。
そして、将棋に対する認知度が上がったことは紛れもない事実と言えるでしょう。
一方、情報番組『ワイドナショー』で、現役高校生女流棋士として登場し、その後、バラエティ番組中心にタレントと活躍する竹俣紅さん。
そして、藤井聡太さんとも何度か対戦し、女流6大タイトル戦の内4つを奪取し、注目を浴びている里見香奈さん。
彼女らを中心に、女流棋士も確実に注目を浴び始めています。
さて、そんな将来が期待される女流棋士界ですが、実際のところ、彼女らはどれだけの年収を得ているのでしょうか。
女流棋士の賞金ランキングは非公表
賞金ランキングを調べようとしたのですが、残念ながら、女流棋士は賞金ランキングが公開されていません。
そこで、女流棋士の強さをランキング付する際に用いる『レーティング』というシステムを活用し、上位トップ5の年収を調べてみました。
1位:里見香奈・女流四冠
2位:伊藤沙恵・女流二段
3位:加藤桃子・奨励会初段
4位:上田初美・女流四段
5位:西山朋佳・女王
以上が、上位トップ5ですが、この中で、年収が推測されているのが、
1位:里見香奈 推定1500万円
3位:加藤桃子 推定584万円
の二人のみ。
やはり、女流棋士の場合、ほとんどのタイトル戦が賞金非公開とされているため、年間賞金ランキングも公開されず、年収が不明となっているようです。
強さの点におけるランキング1位の里見香奈さんでさえ、1500万円というのですから、圧倒的に男性棋士より安いことだけは明白。
『多くの女流棋士が、年収100万以下』
という話も耳にするだけに、なかなか棋士としてだけで生活するのは難しいと言えるでしょう。
女流棋士の年収が低い実情
男性棋士が賞金ランキングを発表する中、何故か女流棋士は賞金ランキングが発表されないプロ将棋の世界。
その理由として考えられているのが、
『賞金そのものが低いため、公開できない』
という話です。
竹俣紅さんなどもテレビ出演するようになり、女流棋士の人気・認知度は高まっています。
しかし、男性棋士と比較して、まだまだ低いのが現状…
男性棋士との圧倒的実力差
その上、女流棋士は、女性限定の制度に過ぎず、本来ならば、奨励会で四段以上でなければプロになれないのです。
そのことを踏まえると、未だにプロと位置づける女流棋士不在とも言えます。
つまり、男性棋士とは圧倒的な差があるというわけ。
もちろん、将来、男性棋士に混ざって活躍が期待できる女流棋士も、たくさん登場するとは思います。
ただ、まだまだその実績が不足しているため、圧倒的な差が付き、タイトル戦においても賞金額は、極端に低いのです。
賞金ランキング非公開理由は、タイトル戦の賞金が低いため
賞金額が低いのに公表してしまうと、
「プロ棋士は夢がない」
と、将棋から離れる子供も増えてしまうかもしれません。
せっかく女流棋士制度も作り、女性でも将棋を楽しんでもらおうと、活動しているにもかかわらず、肝心の子どもたちが離れたら、元も子もありません。
だから、女流棋士に関しては、あえて、賞金ランキングを公表していないのでしょう。
女流棋士界の認識の変化も必要?
正直なところ、これは制度的な問題で、Jリーグとなでしこリーグが別の扱いになっているように、男女で区別させることも必要。
ただ現実は難しいのです。
それは、女流の将棋界に対する考え方が、まだまだ軽く捉えられすぎているからだと思われます。
女流棋士という存在をしっかり認め、スポンサーがバックアップすることは、非常に重要です。
その上で、大会の賞金額がアップする様にならない限り、現状は厳しいでしょう。
当然変化は必要ですが、現時点でも、少しずつ変革は起こりつつあります。
将棋界も、女性の時代は近い将来やってくるでしょう。
そのことを期待し、男女ともにもっと将棋界が盛り上がっていくことを願うばかりです。
竹俣紅の奨励会退会をどう考えるか?
女流棋士・タレントとして活躍している竹俣紅さんが、突如2019年3月末に、将棋連盟を退会すると発表しました。
冒頭からもお話している通り、竹俣紅さんは、女流将棋界の広告塔として、絶大な貢献をもたらしています。
そんな彼女が、将棋連盟を退会するというのですから、本当に驚きですよね。
竹俣紅の将棋連盟退会の理由
一応、竹俣さんが語る退会理由は、
「大学に入って、さまざまな価値観に触れたことで、そうではない生き方をしてみたいと思うように…」
とのこと…
ただ、それだったら、プロとしての肩書を残したまま現役を退く引退でも良かったはず…
それなのに、何故、完全なる退路を立つ退会を、竹俣さんは選んでいるのか?
退会発表の裏に隠れる女流棋士への冷遇
その理由は、彼女にしかわからないことですが、一部では、
「女流棋士に対する待遇があまりにも低いことが影響しているのでは?」
とも言われています。
先程も触れたとおり、女流棋士の場合は、年収100万円稼げない棋士も多く、女流棋士の人数でさえ約80名であるため、タイトル戦も限られています。
そんな冷遇を受ければ、さすがに、見切りをつけられても仕方ありません。
女流棋士への冷遇改善が、今後の鍵
あくまで、竹俣さんの一件は、一つの事例に過ぎませんが、大きな広告塔を失うことも事実。
また、他にも退会者が続出したら、せっかく人気が出始めた女流棋士界が、また底辺をたどることになりかねません。
それだけに、竹俣紅さんの退会をどう考え、今後に生かしていくのか…
そのことを将棋連盟がしっかり意識して対応していくことが、今後求められるでしょう。
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まとめ
女流棋士の賞金ランキングが公表されないほど、女流棋士の年収・賞金は低いこと
が、今回の調査でわかってきました。
女流棋士は、男性の棋士と比較すると
圧倒的実力差
がありますが、実力トップの里見香奈さんでさえ、1500万円しか稼げない状況…
竹俣紅さんも2019年3月末に連盟を退会、このまま人気が低迷してしまうと、将棋界にも悪影響がでます。
将棋界にとっての大きな損失になりかねませんし、藤井聡太さんの人気にあやかってばかりでは駄目でしょうね。
ぜひ、女流棋士たちが賞金ライキングを公表できるくらい、待遇改善を図ってほしいものです。