文章を書く上で、普段はあまり気にされていない表現というものがあります。
それは、
『二重表現』
です。
二重表現は、日常会話でも頻繁に使われているため、
『日本語としてはおかしくても、誰も間違いだとは気づかないことが多い』
ものです。
ですが、仕事などでは、
『二重表現は厳しく訂正される』
傾向にあります。
そこで、今回は、
『二重表現にはどんなものがあるのか』
について、紹介していきます。
正しい日本語を覚えたい人は、参考にしてみてください。
『行為を行う』『違和感を感じる』などはよく使われている
二重表現でよく使われている言葉で、
『行為を行う』
というものがあります。
日常会話などでよく使われている表現ですが、よく見ると、
『行為』と『行う』が同じ表現になっている
ことに気付くと思います。
また、これもよく使われている表現で、
『違和感を感じる』
というものがあります。
これは、
『違和感』と『感じる』
が、二重表現となっていますね。
この二重表現というものは、プロの作家やライター、ニュースキャスターでさえ、
『油断していると間違って使ってしまう言葉』
となるのです。
逆に言えば、それだけ日常生活に浸透しているということですね。
はっきり言って、そこまで気にする人はほとんどいないのですが、
『仕事などで、二重表現を使ってしまう』
と、厳しい上司や取引先からは注意を受けてしまうこともあるので、注意したいところですね。
二重表現の文章例を紹介
ここからは、よく間違われる二重表現を紹介していきます。
中には、すでに使い始めている表現も含まれているかもしれないので、
『自分がどんな二重表現を言っているのか』
を確認する意味でも、参考にしてみてください。
お湯を沸かす
よくお湯を使うときに言っている言葉で、
『お湯を沸かす』
というものがあります。
ですが、これは典型的な二重表現であり、本来は、
『水を沸かす』
が正解となります。
お湯はすでに沸いているものなので、二重表現となってしまうわけですね。
頭痛が痛い
頭痛があるときに使ってしまう表現に、
『頭痛が痛い』
というものがあります。
これは、よく使う人がいますが、
『痛い』
という表現を2回使っているので二重表現になってしまうのです。
使うときは、気を付けておきましょう。
元旦の朝を迎える
これはかなり間違いが多いものですが、
『元旦の朝』
という言葉も、二重表現となります。
これは、
『元旦の意味として、元旦の朝がある』
ため、2回も朝を使っていることになります。
間違いやすい表現なので、気を付けておきましょう。
最後の切り札を使う
よく漫画などで、追い詰められた時に使う、
『最後の切り札』
と言いますが、これも二重表現と言われています。
切り札という言葉にある、
『キリが最後と被る』
ことから、二重表現とされているのです。
ですが、切り札自体が、
『他よりも強い手札』
といった意味もあるため、絶対に二重表現だというわけでもないようです。
過半数を超える
過半数に関しては、
『半分より多い』
という意味があるので、超えても同じ過半数になります。
その為、
『過半数を超える』
といった表現は間違っているのですが、使われ過ぎたため定着しています。
意味が通じているので、あまり気にはされていないようです。
日本に来日
この表現も、よく使われているものですが、
『日本に来日』
と言ってしまうと、2回も日本に来ていることになるので、二重表現となります。
本来は、
『来日』
だけで十分なのですが、聞き慣れているのであまり気にされていません。
後で後悔する
この表現も、かなりの人が使っているかもしれませんが、
『後で後悔する』
となれば、2回も後悔することになるため、2重表現となってしまいます。
あまりにも浸透し過ぎているため、
『二重表現と気付かない』
人が多いのも、この言葉の特徴と言えるでしょう。
間違いと分かっていても、二重表現を使ってしまう理由
二重表現と分かっていても、無意識のうちに、
『会話の中で、二重表現になってしまう』
という人も多いでしょう。
無意識で使っているときもありますが、なぜ、
『二重表現を使ってしまうのか』
については、理由があると言われています。
その理由は、
相手にわかってもらいたい
と考えているからです。
本来なら、1つの言葉だけで意味が通るところを、
『二重にしてまで伝える』
ことで、相手に自分の意思を明確に伝えたいと考えているからなのです。
そして、この気持ちが強くなればなるほど、
『二重表現を多用している傾向が強い』
と言えるでしょう。
確かに、自分の意思を確実に相手へ伝えたいときは、
『無意識で、二重表現を使っている』
ことが多い印象もあります。
これは、自分の言葉よりも、
『相手が話す言葉を聞いているとき』
のほうが、強く感じることかもしれません。
あまりにも二重表現を多用してしまうと、
『くどい話し方』
になってしまうこともありますが、時には、二重表現も必要だと言うことですね。
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まとめ
今回のまとめとしては、
『二重表現は、使いどころを間違えなければ便利な表現』
ということが言えるでしょう。
仕事などでは、二重表現は使わないほうが賢明ですが、
『日常会話』
では、場面によって使い分ける方が、相手に自分の意思を伝えやすいこともあります。
特に、何かを強調したいときなどには、便利な表現となるでしょう。
言葉を使った表現は、使い方ひとつで、
『意味や印象が変わってくる』
ものです。
適切な場面で、正しい表現を使えるようにしていきましょう。