2012年に開催されたU-20女子ワールドカップで、『ヤングなでしこ』のメンバーとして脚光を浴びた、田中陽子選手。
『澤穂希さんの後継者』
と、期待されながら、肝心の日本代表(なでしこジャパン)では力を発揮しきれず、現在は、日本代表から外れています。
しかも、日本代表から外れているだけにも関わらず、
『女子サッカーから田中陽子の名前すら聞かなくなった』
という声も…
では現在、田中陽子選手は、どのチームでプレーしているのでしょうか。
また、今後なでしこジャパンへの復帰はあるのでしょうか。
本記事では、田中陽子選手の現在と、なでしこジャパンへの復帰時期・可能性を探りまとめていきます。
田中陽子の現在は?
かつては、ヤングなでしこの中心選手として活躍し、U-20 ワールドカップ2012にも出場した田中陽子選手。
1993年7月30日、山口県山口市小郡出身。
身長157cm、体重47kgと小柄ながらも、技術力は非常に高く、センスがあります。
実際に、左右どちらの足からもフリーキックを決めたこともあり、左右サイドハーフ・ボランチとこなせるポリバレント性は希少。
さらに、U-20ワールドカップ2012では、金恩花選手(北朝鮮)に次ぐ6ゴールを決め、シルバーシューズ賞を獲得。
『澤穂希の後継者』
とまで言われ、なでしこジャパンでの活躍も期待されていましたよね。
しかし、当時のなでしこジャパンの組織的サッカーに馴染めず、日本代表からは外されています。
佐々木則夫監督時代では、後半から投入されたものの、チームの約束事が守れず、わずか10分程度で、屈辱の途中交代も受けています。
さらに、高倉麻子監督になってからは、なでしこジャパンに招集されずじまい…
下位リーグ『ノジマステラ神奈川相模原』への移籍
なでしこリーグでは、INAC神戸に在籍するも、なかなかスタメン定着できず、2015年の心機一転
『ノジマステラ神奈川相模原』
へ移籍しています。
いまでこそ、なでしこリーグ1部に所属していますが、田中陽子選手が移籍を決断した当時、ノジマステラ神奈川相模原は、まだ2部リーグ所属。
しかも、2012年に誕生した歴史の浅いクラブで、2015年は、2部リーグに昇格したばかりでした。
仮にも、田中陽子選手が所属していたINAC神戸は、澤穂希さんや川澄奈穂美選手が所属していた超名門クラブです。
Jリーグで例えるなら、川崎フロンターレや鹿島アントラーズのような、代表クラスを多く輩出した常勝軍団とも言うべきトップチーム。
なのに、まるで立ち位置の違う下位のリーグのクラブに移籍するのは、不可解に思えてなりません。
もちろん、田中陽子選手が戦力外とみなされ、移籍するチームが他になく、やむなく下位のリーグへ移籍するなら話は別…
ただ、彼女の移籍は、決して戦力外といった理由ではありませんでした。
INAC神戸では出場機会に恵まれていなかったものの、チャンスが無かったわけではありません。
それに、まだ当時は彼女も21歳でしたし、世代交代によってチャンスだって十分得られたはずです。
ノジマステラ神奈川相模原への移籍理由
田中陽子選手は、当時スター選手を多く要しているINAC神戸では、スタメン定着することが出来ず、控えに甘んじていました。
そのため、なでしこジャパンへのアピールが殆どできず、なかなか復帰へのチャンスに恵まれていなかったのです。
そして、2019年開催のフランスワールドカップや、2020年開催の東京オリンピックを意識して、
「このままでは、なでしこジャパンへアピールできない…」
と考えました。
そうして、ノジマステラ神奈川相模原への移籍を決断し、下位リーグであっても出場機会を求めたのです。
ノジマステラ神奈川相模原へ移籍後の田中陽子
ノジマステラ神奈川相模原へ移籍後の田中陽子選手は、時折ゲームキャプテンとして活躍し、チームをなでしこ1部に押し上げる貢献をもたらします。
そして、2018年2月に行われた、なでしこチャレンジトレーニングキャンプに参加するなど、少しずつ復帰の青写真を掲げ、動き始めました。
残念ながら、なでしこジャパン(日本代表)への復帰は叶っていません。
しかし、その素養は感じさせる選手なので、可能性はまだまだあると言えるでしょう。
ただし、フィジカル・戦術眼を鍛え、組織にうまく溶け込む術を身に着けなければ、復帰の可能性は永遠にありません。
田中陽子がなでしこジャパンに復帰できない理由
田中陽子選手が、なでしこジャパン(日本代表)に選ばれていない理由は、
- 組織の中の一員として機能できていないこと(チームの約束事が頭に入っていないことも…)
- 中途半端に技術力があるため、前を向こうと無理してボールロストすることが多い。(しかも致命的なロストが多い…)
という2点。
この2つの欠点が改善されない限り、どれだけ技術力や得点力があったとしても、なでしこジャパン(日本代表)に招集されることはありません。
2019年に田中陽子がスペイン女子1部リーグに移籍!
2019年6月26日に、ノジマステラ神奈川の公式サイトで
田中陽子選手が海外へ移籍する
と、突然発表がありました。
そして、2019年7月に移籍先が
スペイン女子1部リーグ『スポルティング・ウエルバ』
だと明かされたのです。
田中陽子選手は、もともと海外志向のある選手です。
実は、2018年末くらいに、スポルティング・ウエルバからオファーをもらっていたそうなのです!
オファーをもらったときは『すぐに行きたい』と思ったそうですが、
「ノジマステラでみんなと、もっと一緒にサッカーをしたい」
という気持ちから、そのときは辞退しました。
そして、その半年後に、再びスポルティング・ウエルバからオファーが届き、チームの熱意に心を動かされた彼女は、スペインでプレーすることに決めたのです。
田中陽子選手は、小学生のころから、ブラジル代表のカカ選手に憧れ、海外サッカーに興味を持っていました。
そして、特に好きだったのが、スペインサッカーだったのです。
自身のプレースタイルから、スペインのサッカーが合っているのではないかと考え、いつかプレーしたいと考えていたみたいですよ。
2019年スポルティング・ウエルバでの活躍
移籍した2019年は、リーグ戦13試合中11試合に出場しました。
しかし、ゴールを決めることはできていません。
2019年のラストゲームの後に、自身のSNSに投稿し、
「来年(2020年)こそは、初ゴールを取れるように頑張る」
と意気込みを語っていました。
https://www.instagram.com/p/B6l5I5ZoFkr/?utm_source=ig_web_copy_link
2020年スポルティング・ウエルバでの活躍は初ゲームで初ゴール!
2020年1月4日に行われた2020年初ゲーム、テネリフェ戦で、そのときが訪れました。
田中陽子選手は、
ダイビングヘッドで初ゴール
を決めたのです!
見事、スペインで自らのサッカーをアピールすることができたわけですね。
チームに貢献しただけでなく、田中陽子選手自身の自信にも繋がったでしょう。
田中陽子のなでしこジャパン復帰時期は?
女子サッカーで活躍する田中陽子選手は、U-20年代では、ヤングなでしこジャパンの中心選手でした。
しかし、それは過去の話。
現在は、なでしこジャパン(日本代表)から離れています。
ただ、まだ26歳で才能も持っている彼女だけに、復帰の可能性も十分ありえます。
では、田中陽子選手が、なでしこジャパンに復帰する時期はいつごろになるのでしょうか。
なでしこジャパン・高倉麻子監督の方針
基本的に、高倉監督の起用方針は、
- チームのために戦う(約束事を守り勝手なプレーはしない)
- グラウンドの中でパフォーマンスを100%発揮できる選手
- 約束事の中で個性を光り輝かせることのできる選手
この3つの条件に当てはまる選手を基準として起用しています。
つまり、名前ではなく、
チームへの貢献力+実力
がなければ、たとえ、過去の影響がどれだけあろうが一切起用はされません。
残念ながら、田中陽子選手は、まだ、なでしこジャパンで活躍できるだけの実力がありません。
なので、まずは結果を残すことが重要なのです。
アピールが復帰への鍵!
スペインのスポルティング・ウエルバに移籍して、海外でプレーすることは、田中陽子選手のサッカーの技術を高める絶好の場です。
海外の選手と共に練習をし、海外の選手と試合をする中で、自然とフィジカルも強くなるでしょう。
そのような選手は、なでしこジャパンにとって”強み”になってくるはずです。
2020年の初試合では、ダイビングヘッドで初ゴールを決める、最高のアピールができました。
今後、もっとチームに貢献するようなプレーを積み重ねることで、再びなでしこジャパンに召集されることを期待したいですね。
目指すはFIFA 女子ワールドカップ2023!
2020年の東京オリンピックで、田中陽子選手の復活が見たかったところですが、おそらく今回は招集されないでしょう。
なので、次に目指すは、FIFA 女子ワールドカップ2023です。
3年間の間にしっかりとアピールできれば、再びなでしこジャパンに召集される可能性は大いにありますね!
スポンサーリンク
まとめ
田中陽子選手は、U-20ワールドカップで、大会2位のゴール数を決め、
『澤穂希さんの後継者』
とまで言われた期待の選手でした。
しかし、気がつけば、なでしこジャパンで結果を出せずに、選考からも外れる日々が続いています。
現在、スペイン1部・スポルティング・ウエルバに所属。
2020年初試合で、見事初ゴールを決めて存在感を見せつけました!
海外でサッカーをすることで、フィジカル強化も期待でき、なでしこジャパンに欠かせないメンバーになる可能性は絶大です。
それだけに、まずはしっかり個を磨きアピールした上で、次のワールドカップに間に合うように、なでしこジャパンに復帰してほしいものですね。