2018年10月3日、プロ野球読売巨人軍の山口寿一オーナーは、高橋由伸監督が今季限りで辞任することを明らかにしました。
同監督は、3年契約の3年目。
今季は優勝争いに食い込めずに、広島の独走を許した形になりました。
結局3年連続で、リーグ優勝を逃した責任を取る形での辞任ですが、後任には、原辰徳の3度目となる監督就任が決定しています。
しかし、巨人の監督候補として毎回挙がるのは
『松井秀喜』
です。
今回も見送られた形となった松井監督ですが、一体どのような理由があるのでしょうか?
この記事では
- 松井秀喜と巨人の関係はなぜ悪いと言われているのか?
- 松井秀喜が巨人の監督のしない理由や原因は?
について調べてみました。
松井秀喜と巨人の関係はなぜ悪いと言われているのか?
現役時代は
『ゴジラ』
の愛称で呼ばれ、巨人の4番として大活躍、その後メジャーに移籍した松井秀喜氏の
『プロ野球選手としての歩み』
を見ていきましょう。
プロ入り前
松井秀喜さんといえば、まず初めに思い出されるのは、
5打席連続敬遠
ではないでしょうか?
これは1992年8月16日、
『第74回全国高校野球選手権大会』
2回戦の高知・明徳義塾高校対石川・星稜高校戦において行なわれた出来事です。
明徳義塾は、星稜の松井秀喜選手に5打席連続敬遠を敢行し、結局一度もバットを振ることないまま星稜は敗退しました。
しかし、当時は高校野球とは縁の無い大手マスコミもこれを取り上げ、松井秀喜さんの名前は全国区になったのです。
そして、1992年11月21日に行われたプロ野球ドラフト会議では、巨人の他に
- 中日ドラゴンズ
- 阪神タイガーズ
- 福岡ダイエーホークス
以上4球団から1巡目指名受け、抽選の結果交渉権を獲得した巨人に入団しました。
プロ入り後
入団直後は二軍スタートでしたが、セリーグ高卒ルーキーでは新記録となる11本塁打を達成。
その後の活躍は素晴しいもので、10年間巨人の主砲として通算本塁打数332本を放ち
- 本塁打王3回
- 打点王3回
- 首位打者1回
などのタイトルを獲得しました。
MLB移籍後
2003年にはアメリカメジャーリーグベースボール(MLB)のニューヨークヤンキースへ移籍。
そこでも活躍を続け、とくに2009年のワールドシリーズでは
- 13打数8安打
- 3本塁打8打点
- 1試合6打点(シリーズタイ記録)
と、ヤンキースの世界一に貢献し、
アジア人初のワールドシリーズMVP
を獲得しました。
その後はエンゼルス、アスレチックス、レイズと所属チームを渡り歩き、2012年に現役引退を発表しました。
こうして日米で通算507本塁打を放った松井秀喜さんは、20年間のプロ生活に幕を下ろしたのです。
松井秀喜の引退後の巨人との関係は?
松井秀喜さんは、2014年2月1日から13日まで、巨人の春季キャンプで臨時コーチを務めました。
ただ、目立った働きは打撃投手ぐらいで、関係者によると
松井秀喜さん自身は事前に内容を聞かされているわけでもなく、何をやっていいかわからず、言われるままに動いているだけですね。
もちろん質問されれば答えますが、選手とは
「メジャーの選手はこういう打ち方なんですね」
「みんながみんなそうじゃないんだけどね」
なんてやっているくらいでしたね。
とのこと。
結局は、コーチというよりはファンやマスコミ向けの話題作りみたいなものだったのですね。
しかし、巨人としては松井秀喜さんには臨時コーチではなく、最低でもコーチングスタッフとして入閣してほしいのが本音です。
実はこういった動きは以前から始まっていて、2013年の新年互礼会の席で、当時の渡辺恒雄球団会長は
原君のあと、すぐ監督になれる人材ってのがいないんだよ。
原君はまだやるけど、その後は松井君が最適だよね。
と発言しました。
しかし、松井秀喜さんには全くその気は無いようで、この計画は白紙となりました。
その後も、松井秀喜さんは巨人からの再三のラブコールを袖にして、2015年にアメリカで
『ヤンキース特別アドバイザー』
に、就任したのです。
いったい何故、松井秀喜さんは巨人との関係を築こうとしないのでしょうか?
原因として挙げられるのは、
巨人のオーナーである渡辺会長との確執
と言われています。
2002年に松井秀喜さんがFA権を行使する際に、渡辺会長は
「残ってくれるにはいくら払えばいいんだ?」
と、金さえ払えば残るだろうという態度を取り、松井秀喜さんは不快感を示したそうです。
そして、メジャーへ移籍した松井秀喜さんに対して、渡辺会長は
「巨人からFAで出て行った奴は許さん」
と激怒したそうです。
このような別れ方をした以上、松井秀喜さんは再び巨人に戻ることは出来ないと考えたのでしょう。
実際、松井秀喜さんがメジャーから日本に戻ってきた際に、巨人は獲得する意思を示しませんでした。
それが、監督候補の人材がいないとみると、手のひら返しの交渉では、松井秀喜さんは不愉快な気持ちになったでしょう。
このように、松井秀喜さんと巨人の関係というよりは
松井秀喜さんと巨人の“ドン”渡辺会長との関係が悪化した
と考えるのが妥当ではないでしょうか。
松井秀喜が巨人の監督をしない理由や原因は?
現在の松井秀喜さんは、ニューヨークの自宅を拠点とし、
『ニューヨークヤンキース傘下のマイナー選手の打撃コーチ』
として、忙しい日々を送っています。
また、2015年にはNPO法人を立ち上げて、子ども向けの野球教室を開催するなど、後輩の育成に余念がないようです。
そして、私生活では、2008年に一般女性と結婚し、2013年3月に長男、2017年1月に次男が誕生しています。
さらに、松井秀喜さんはニューヨーク地元紙のインタビューで
「こちらのほうが静かな生活を送れます」
「家族として、子どもを育てるには最高の環境だと感じています」
「監督への興味は、今のところは本当に考えてない」
と語っています。
このインタビューの内容から、松井秀喜さんは
現在のニューヨークでの仕事や家庭環境に満足している
ことが伺われますね。
このような環境から、わざわざ日本に戻って巨人の監督を務めることは、
まずありえない
と言えるのではないでしょうか。
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まとめ
まとめると、
- 松井秀喜と渡辺会長の関係は、松井秀喜がFAを行使して以来、険悪な関係が続いている
- 松井秀喜の現在は、ニューヨークを拠点として、メジャーから子どもの指導まで野球の活動に力を注いでいる
- 松井秀喜は、ニューヨークでの家族との生活に満足している
となります。
よって、松井秀喜さんが日本に戻って巨人の監督になるという可能性は、限りなく低いでしょう。
しかし、巨人軍終身名誉監督である長嶋茂雄氏が、松井秀喜さんに監督の就任要請を熱望すれば、可能性はゼロとは言い切れません。
松井秀喜さんと長嶋氏の師弟関係が、強固なものであるのは周知の事実。
もし、長嶋氏が要請をすれば、少なくともコーチとして巨人に復帰する、ということがありえるかもしれませんね。