フグの毒の危険度は?肝臓を食べる時の毒抜きのやり方・方法をチェック

日本の魚といえば、様々な種類がありますが、その中でも

『とくに美味しい』

とされ、昔から食べられてきた魚といえば『フグ』ですよね?

フグ刺しは、見た目にも綺麗で、食べても美味しいという

二重の幸せ

を感じることができます。

ですが、綺麗なバラにはトゲがあるのと同じように、

美味しいフグにはがあります。

今でこそ、フグの毒による被害はかなり減っていますが、かつては

危険と分かっていても食べてしまい、亡くなる人

がたくさんいました。

人を虜にするほど美味しいというのが困りもので、

肝臓などの毒性が強い部位

も食べてしまう人が現在でもいるのです。

そこで、今回はフグの毒の危険度はどれくらいなのか、肝臓を食べるときはどうすれば良いのかを紹介します。

正しい知識を持って、美味しくフグを食べましょう。

フグの毒はどれほど危険なのか?

まず最初に、

フグの毒がどれほど危険なのか

を紹介していきます。

フグに含まれている毒は

『テトロドトキシン』

と呼ばれる毒で、神経毒の一種です。

その効果はすさまじく、フグを食べてから

約20分~1時間程度

で口から体全身に毒が回っていきます。

  • 歩行障害
  • 言語障害
  • 嘔吐下痢
  • 呼吸困難

など、様々な症状が出た後、最悪の場合『命を落とす』のです。

フグの毒はどの部位にあるのか

恐ろしい毒を持っているフグですが、フグのどこに毒が含まれているのでしょうか?

その答えは、

『ほぼ全て』

としか言えません。

有名な部位で言えば、

肝臓などの臓器

といわれていますが、それ以外にも皮膚や筋肉に毒は存在するとされています。

また、フグの種類によって、毒の強さや毒が多い部位が違っていて、同じ種類であっても生息場所・季節などで毒の量も違ってくるのです。

つまり、

絶対に安全といえるフグはこの世に存在しない

ということを覚えておいてください。

フグの毒にかかると助からないのか

危険度が極めて高いフグ毒。

『1度当たるともう助からない』と思う人もいるでしょう。

ですが、決してそんなことはありません。

フグを食べた後、少しでも身体の不調を感じたときに、病院で適切な処置を受ければ、助かる確率は極めて高いです。

そもそも、フグ毒であるテトロドトキシンは、先程紹介したとおり神経毒の一種であり、身体がマヒするタイプの毒なのです。

これにより、呼吸困難が起こり亡くなるのが一般的ですが、逆に考えると呼吸を確保できれば良いとも取ることが出来ませんか?

なので、フグで中毒を起こした場合、

『人工呼吸で呼吸を確保し、フグの毒が抜けるのを待てば助かる確率は飛躍的に上がる』

というわけです。

人の体内に入ったフグの毒は外に出やすく、

『約8時間程度で抜けていく』

とされています。

適切な処置を施せば命を落とすことはないので、

フグの毒に当たっても慌てず対処していきましょう。

フグの肝臓を食べるにはどうすればよいか

フグの毒について一通り説明したところで、次は実際にフグを食べるには、どうすればよいかを紹介します。

人は危険と言われれば、逆に手を出したくなってしまう生き物です。

それはフグも例外ではありません。

今でこそ比較的安全に食べられるようになったフグも、

昔は命がけで食べていました。

「あれだけ美味しいものを食べられれば悔いはない」

という思いで食べていたといわれ、それで命を落とすのも本望かもしれませんが、現代ではそうもいきません。

もしフグを食べるとしても、

しっかりとした手順を踏んでから

美味しく食べてください。

今回は、とくに危険である『肝臓』に焦点を当てて紹介していきます。

フグの肝臓はどうやって毒抜きしているの?

まず最初に、

フグの肝臓はどうやって毒抜きしているのか?

を紹介していきます。

といってもフグの肝臓から毒を抜いてから販売する許可が出ているのは、日本で1か所だけなのです。

日本で唯一肝臓の毒を抜いて販売できる県は『石川県』

現在、日本で唯一フグの毒を抜いてから肝臓を販売することの出来る場所、それは『石川県』です。

江戸時代から、大阪と北海道の魚の流通を支えてきた石川県では、フグも盛んに取り扱われていました。

そんなときフグの肝臓、ここでは『卵巣』を指しますが、これをどうにか食用で食べられないかと考えられたのが始まりです。

それから様々な試行錯誤がなされた結果、

フグの卵巣のカス漬け・ぬか漬け

が販売されるようになったのです。

どのような工程で肝臓の毒抜きしているのか

ではどのようにして、フグの毒抜きをしているのかも気になるところです。

簡単に紹介すると、

  • フグをさばき、卵巣を取り出す
  • 取り出した卵巣を、1年間塩漬けにする
  • 塩漬けした卵巣を、さらに2年間ぬか漬けにする
  • 毒性検査を受け、合格すれば商品として販売される

このような流れになっています。

小さいフグのさらに小さい卵巣を1つ食べるのに、これだけの時間を掛けなければならないのです。

あくまで許可が出ている石川県だけ

ここで注意してほしいのは、毒抜きの工程が分かったからといって、自分で試すようなことはしてはいけないということです。

あくまで、許可が出た石川県だからこそできる方法であり、

一般人が真似をしてもまず上手くいきません。

もし上手くいったとしても、それを食べるようなことは絶対にしないでください。

とくに、

『卵巣は、フグの毒が1番溜まっている部位』

といわれています。

命の保証はできないので、方法を知るだけに留めておくほうがよいでしょう。

養殖したフグの肝臓も、食べるのは禁止

良く聞く話では、

「養殖ならフグに毒がないから、肝臓を食べてもいいよね。」

というものがあります。

確かにフグの毒は、本来フグ本体ではなく生息地に住んでいるマキガイなどを食べている影響とされています。

実際に養殖したフグからは、

『毒は検出されていない』

との発表もされているのです。

ですがそこはやはりフグ。

国も過去の事例から、かなり慎重に判断をしているようで、たとえ養殖でも肝臓を食べることは禁止しているのが現状です。

わざわざ危険なフグの肝臓を食べるより、もっと安全でおいしいアンコウの肝などを食べれば済む話ではありますからね。

それでも、人の食べ物に対する執念は強いので、誘惑に負けて食べてしまう人が後を絶たず、結果不幸な被害者が増えているのでしょう。

今後、国がどのような判断をするか分かりませんが、安全性が確保されるまでは、絶対にフグの肝臓を食べるようなことはしないようにしましょう。

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まとめ

今回のまとめとしては、

『フグの肝臓は、毒抜き方法が分かっても絶対に食べないようにする』

ということです。

そもそも

食品衛生法で販売・提供が禁止されているもの

を食べようとすること自体、非常に危険性が高いことなのです。

フグの毒は甘くみると、

あっという間に人の命を奪う力

を持っています。

なのでルールを守り、安全な方法でフグを食べるようにしてくださいね。

自分の命を守るのは、自分自身です。

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