蚊取り線香って、なんとなく風情があっていいですよね。
あの独特な香りがすると、
夏だなぁ…
って思ったりするものです。
でも火を使う以上、やっぱり火事は心配ですよね。
2018年以降も、
蚊取り線香が火元になったと疑われる火事
が起きてしまっています。
いくら蚊を避けられても、命が危険にさらされてしまっては、元も子もありません。
今回は、蚊取り線香が火元の火事はなぜ起こるのか、その原因や、対策を見ていきます。
また、蚊取り線香の入れ物を
安全性の高いもの
にすることで、火事の原因になるリスクを減らすこともできます。
原因や対策をチェックしつつ、今の使い方や蚊取り線香入れは安全か、ぜひ確認してみてくださいね。
蚊取り線香が原因の火事はなぜ起こる?
まずは、蚊取り線香が火元になってしまう原因を見ていきましょう。
蚊取り線香の燃えている箇所が火元になるケース
蚊取り線香による火事で、一番の原因になりやすいのが
『蚊取り線香の燃えている部分に何かが触れて、燃え移る』
ということです。
蚊取り線香は『火を使うもの』であることを忘れずに!
蚊取り線香は、燃えている部分は
700〜800度
と、ものすごく高温になっています。
また、炎にはならないとはいえ、『火』であることには変わりありません。
ですから、そこに燃えやすいものが触れてしまったら、火が発生することは当然です。
蚊取り線香からの燃え移りで火事になりやすいもの
火が燃え移ってしまうケースとしてありがちなのは
- 新聞紙
- ティッシュペーパー
- カーテン
- 布団
といったものです。
部屋の中にあっても当然な物ばかりなので、つい
「火が燃え移るかも?」
という意識も、薄くなってしまうことがあります。
また、蚊取り線香から十分距離をあけていたつもりでも
- カーテンが風でなびいて、火が点いてしまった
- 読んでいた新聞紙が、ちょっと離れていた間に風で蚊取り線香のところに飛ばされた
- ゴミ箱に入れ損ねたティッシュが風に飛ばされて、蚊取り線香の火に接触
- 寝返りを打っているうちに、布団が蚊取り線香に接触して火が移る
ということもあります。
さらに、木の床に直置きすると、そこにも蚊取り線香の火が移って燃えてしまいかねません。
短時間でも床に直に置かずに、かならず専用ケースや不燃性のお皿などを使ってください。
蚊取り線香の灰が火元になる場合
『灰』は燃えカスなので、火は出ないようなイメージがありますよね。
でも実は、蚊取り線香の灰も火元になることがあります。
先ほど、線香の燃えている部分は700〜800度と書きましたが、そこから燃え落ちた直後の灰は
300度ほどの高温
になっているんです。
ですから、
新聞紙などを、蚊取り線香の灰受けに使うと、火事になりかねません。
灰受けは、温度が高くても燃えない物を使いましょう。
また、燃え落ちた後も、条件によっては100度を超える熱さが、2秒程度は続きます。
つまり、
灰が風にあおられて燃えやすいものと接触すれば、発火する可能性がある
ということです。
火事にはならなくても、人間の肌に触れれば火傷してしまいかねません。
蚊取り線香を扱う際には、燃えた後の灰にも十分気をつけてください。
専用ケースに入れて使っていても、火事になることもある
蚊取り線香は、入れ物にきちんと入れて使用した場合、そこまで危険ではないように思われます。
炎を出して燃えているわけでもありませんし。
それでも、蚊取り線香が原因の火事がなくならないのは、
入れ物が倒れたりして線香や灰が入れ物からこぼれ落ちる事故
が起こってしまうからです。
その原因は、
- 風で蚊取り線香入れが倒れてしまった
- うっかりぶつかったり、蹴飛ばしたりした
- 寝返りを打った時に、蚊取り線香入れをひっくり返してしまった
- 蚊取り線香入れの上に、物が落ちてきた
- ペットや赤ちゃんが蚊取り線香入れを倒してしまった
などということです。
また、例えば
棚の上に蚊取り線香を置いていれば、棚に掴まったり、ぶつかったりした拍子に、落としてしまう可能性
もあります。
ペットや、小さい子どもがいる家庭では、とくに注意が必要ですね。
蚊取り線香の専用ケースや入れ物はどんなものが良い?
蚊取り線香を安全に使うためにも、
蚊取り線香の入れ物の選び方
は、とても大切です。
ここでは、安心して使える蚊取り線香入れを選ぶポイントを見ていきましょう。
蚊取り線香入れはどんなものが安全?
蚊取り線香のケースとして一番おすすめなのが、
- フタが付いている
- フタや本体に空いている穴が、指が通らないくらいの大きさである
- 灰が飛び散りにくい
- 安定して置ける(転倒しにくい形である)
という条件がそろったものです。
蚊取り線香の燃えている部分はフタでしっかりカバー
火事を出さないための一番の対策は、
蚊取り線香の燃えている部分に燃えやすいものを近づけないこと。
これを簡単に実現できるのが、『フタつきの蚊取り線香ケース』です。
近くに燃えやすいものがなくても、紙など軽いものは風に飛ばされてこないとも限りませんよね。
ですから、蚊取り線香立てだけを使って、線香をむき出しにしておくのは、かなり危険です。
でもフタがあれば、万が一風で紙などが飛んできたりしても、火が点いたところに触れるのをかなり防げます。
フタや本体の穴は、指が入らないくらいの大きさのものを
フタ付きのケースであっても、
フタや本体に開けられた煙を出すための穴が大きすぎると、燃えやすいものが入りかねません。
また、『指が入って火傷しちゃった』なんてことも起こり得ます。
それを防ぐためにも、
フタや本体の穴が、指が通らないくらいの大きさになっているケースを使うと良いです。
特に、小さい子や認知症の人がいる家庭、ペットがいる家庭では、穴が小さいものを使った方が安心です。
蚊取り線香ケースのフタは、きちんと設計されたものを正しく使えば、一番熱い箇所でも60度くらい。
大人が触って、すぐには火傷しない程度の熱さです。
これなら、万が一ケースの上に燃えやすいものが被さってしまっても、すぐ火事になるリスクは低そうですね。
灰が飛び散りにくい蚊取り線香ケースを選ぼう
『風で灰が飛び散りにくい』ということも、ケース選びには大事なポイントです。
『灰が飛び散りにくい』などと書いてあるものを選ぶのもおすすめです。
灰が飛び散ると、掃除の手間がかかりますよね。
それだけでなく、
灰の温度によっては、火事になったり、灰が接触した物を傷めてしまったりしかねません。
それを防ぐためにも、灰が飛びにくいデザインであることは大事です。
安定して置ける形のものを
フタが付いていても、穴が小さくても、ひっくり返りやすいケースでは危ないです。
蚊取り線香入れは、ひっくり返りにくく、安定して置けるものを選びましょう。
どんなものがひっくり返りにくいかというと
- タテ型より、ヨコ型
- 軽いものより、ある程度重さのあるもの
- 底が平らなもの
ということです。
中には、
「とてもオシャレだけどちょっと安定性が…」
というデザインのものもあるでしょう。
そういう時は、安全に置ける場所があるかどうか、よく考えてみてくださいね。
蚊取り線香入れは、やはり安全第一で選ぶのがおすすめです。
置き場所や置き方にも注意を!
どんなに良い蚊取り線香入れを用意しても、ひっくり返しやすい場所に置いたり、不安定な置き方をしたりしたのでは、危ないですよね。
蚊取り線香を置く場所は、
- なるべく風上
- 平らで安定した場所
- 人や物がぶつかりにくい
- 上から物が落ちてこない
- 小さい子やペットがいたずらしない
という場所を選びましょう。
風上に置くのは、蚊取り線香の煙が有効に使えるからでもありますが、
たとえば風で紙が飛ばされてしまっても、蚊取り線香の方が風上にあれば、火が移る確率もぐっと低くなります。
ただし、風上であっても、
人が蹴飛ばしたりしかねない場所、上から物が落ちて来そうな場所は避けてください。
もちろん、小さい子やペットがいる場合は、いたずらされない場所に置くことが大事です。
となると、
「低い場所には置けないし、棚の上では落ちるかも知れないし…」
ということもあるでしょう。
そんな時は、
吊り下げ式の蚊取り線香入れを使って、壁掛けにする
という方法もあります。
壁に蚊取り線香入れを掛ける所を作り、高さを調節すれば、子どもやペットが届かないようにできます。
それに、通ったり寝返りを打ったりした拍子に倒してしまう心配もなくなりますね。
他にも、アイディア次第で安全に置ける工夫ができると思います。
あなたや家族にとって安全な置き場所や置き方を、考えてみてくださいね。
蚊取り線香の火の消し方
蚊取り線香を専用ケースに入れて使ったり、安全な場所に置いたりすることは、火事を防ぐためにとても大切です。
でも、もう1つ、絶対に忘れてはいけないことがありますよね。
それは
確実に火を消す
ということ。
ここで、蚊取り線香の火の消し方について確認してみましょう。
蚊取り線香の火の消し方いろいろ
蚊取り線香は、案外簡単に火が消えてしまうものです。
たとえば、この動画では8通りの消し方を紹介しています。
この中で特に安全に消せるのは
- 水をかける
- 目玉クリップやクリップ、ヘアピンなどで挟む
- ホチキスの芯や金属製のキャップをかぶせる
- 蚊取り線香ケースに密着させる
- あらかじめ、消したい場所で折っておく
という方法です。
一番安全で確実な方法は、なんといっても
燃えている部分に水をかける
という方法ですね。
火のついた部分だけに水がかかれば消えるので、ほんのちょっとの水で大丈夫です。
「水をかけたら、しけて使えなくなっちゃうんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、
乾けば、また使えます。
乾く前に使いたいなら、湿った部分を折って使っても大丈夫です。
それから、クリップやヘアピンで挟んだり、ホチキスの芯や金属製のキャップをかぶせても消せます。
ただしこの場合は、必ず金属製のものを使ってください。
燃える材質のものだと火が点いてしまいますし、ビニールなどでコーティングされたものやプラスチック製のものも、熱に弱いです。
なお、動画で紹介している『こすって消す』という方法は、筆者としてはあまりおすすめしません。
火のついた部分が飛び散ったりする可能性
があるからです。
また、この動画では火が消えた部分を指でこすって見せていますが、
蚊取り線香は消えてしばらくは熱が残るので、指で直接触らないでください。
火を消す時や消えたかどうか確認する時にも、火傷や火移りには十分注意してくださいね。
火を消したら必ず確認を!
蚊取り線香の火を消すにはいろいろな方法がある、ということがおわかりいただけたと思います。
でも、火を消した後にも、やることがありますよね。
そう、
確実に消えたか、確認する
ということ。
蚊取り線香も、小さいとはいえ『火』を使うのですから、
消火の確認まで含めて、『消火』です。
『消えたはず』で済まさずに、しっかり確かめてくださいね。
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まとめ
蚊取り線香で起こる火事は、
燃えている部分や温度が高い灰が燃えやすい物に触れてしまうこと
が原因です。
それを防ぐためには、
ココがポイント
- フタや本体の穴が大きすぎない
- 蚊取り線香の灰が飛び散りにくい
- 転倒しにくい形や重さ
を満たした蚊取り線香の入れ物を使い、なおかつ
安全に置ける場所に置く
ということが大切です。
もちろん、ケースに入れて使っているからと、燃えやすいものを周りに置いたりしないでくださいね。
蚊取り線香の入れ物も、最近はタイマー機能付きや香炉型など、機能もデザインも多種多様です。
ぜひ、安全に使えるお気に入りの蚊取り線香入れを見つけて、蚊の季節も楽しく過ごしてくださいね。