夏場、犬や猫を飼っている人が、とくに気にするのが、
ペットの虫ケア
ではないでしょうか。
かわいいペットが蚊に刺されて、皮膚炎を起こしたりフィラリア症になったりしたらと、想像するだけでも悲しくなってしまいますよね。
蚊への対策に、ペットなど動物用の蚊取り線香を使っている人も多いかと思います。
でも、ちょっと気になりませんか。
動物用の蚊取り線香って、人間用と何が違うのでしょう?
人間用を動物に、逆に動物用を人間に、使ってもいいものでしょうか?
この記事では、両者の違いについて見ていきます。
ペットと過ごす快適な夏のための参考にしてみてくださいね。
動物用と人間用!蚊取り線香の有効成分に違いはある?
まずは、有効成分から見ていきましょう。
実はこれについては、人間用と動物用でほとんど違いがありません。
使われているのはピレスロイドという、
『虫にはよく効き、哺乳類や鳥類への毒性が少ない』
とされる薬剤の仲間です。
天然の材料だけ使用しているものは、除虫菊に含まれるピレトリンが有効成分になります。
そうでないものは、アレスリンなどのピレスロイドが有効成分です。
いずれの成分も、人間用の蚊取り線香など虫ケア用品によく使われていますよ。
あと気になるのは、
成分の濃さはどれくらい違うのか?
というところですよね。
残念ながら調べる限り、動物用の蚊取り線香に有効成分が、どの程度の量や割合で含まれているかという表示を見つけることはできませんでした。
ただ、あまりに成分が濃すぎれば、ペットやその世話をする人間にも悪影響が出かねません。
ということは、少なくとも人間が吸い込んで害にならない程度の濃度だと考えてもいいのではないでしょうか。
もちろん、煙を直接、長い時間吸い込み続けたりすれば話は別ですよ。
蚊取り線香を使うときは、人間用、動物用にかかわらず、
風の通る場所の風上に置いて使うのが好ましいです。
狭い場所や空気が入れ替わらない場所で使うときは、ときどき換気してください。
蚊取り線香の有効成分以外で動物用と人間用に違いはある?
さて、それでは蚊取り線香の動物用と人間用で、違うポイントはあるのでしょうか?
実はいくつかあります。
例えば、人間用は『防除用医薬部外品』、動物用は『動物用医薬部外品』というくくりで販売されていることです。
両者とも、国が製造などに関わる許可を出しているのですが、許可を出す機関が違います。
人間用は厚生労働省が、動物用は農林水産省が許可を出しているんです。
あくまでも、人間用は人間に、動物用は動物に使うことを前提とした基準で許可を出しているということなんですね。
ほかに人間用と動物用で違うポイントといえば、やはり燃焼時間でしょう。
一般的に、人間用は1巻で7時間くらいの効き目のものが多いです。
対して、動物用は1巻で10時間や13時間など、長く効くものが多いのです。
飼い主がペットの蚊取り線香を取り替える手間を軽くするための気遣いなのかもしれませんね。
人間用蚊取り線香はペットに悪い成分が入っている!?
ここで、ふと思いませんでしたか。
「有効成分が同じなら、人間用で燃焼時間が長い蚊取り線香をペットに使えばいいんじゃ?」
筆者もちょっと思ったんです。
人間用にも、ジャンボサイズで12時間など長く燃焼するタイプがありますから。
それでも、わざわざペット用と書いて売っている製品があるのです。
ということは、人間用には何かペットに悪い影響を与えやすいものが入っているんじゃないか、と疑ってみたくもなるものです。
そこで、調べてわかる範囲で、人間用と動物用の有効成分以外の成分を比較しました。
有効成分以外というと、線香の形にするための植物の粉末などや、香料、防腐剤などになります。
その中でペットに対する悪影響が疑われたのが、
デヒドロ酢酸ナトリウム
という成分です。
これは、人間の化粧品などにも防腐剤として使われている成分です。
人間が肌につけた場合は、そう悪影響がないとされていますから、人間用の蚊取り線香に入っているのは不思議ではありません。
ただ、動物用の蚊取り線香には入っていないのです。
というのも、イヌがこれを食べてしまった場合の反応で、体調を崩したり、吐いてしまうことがあるようなのです。
大量に食べてしまった場合は、亡くなってしまうこともあります。
線香や灰を誤って食べた場合はもちろん、身体の小さい子や敏感な子なら、煙を吸っただけで体調を崩してしまうこともあるかもしれません。
このことからも、人間用の蚊取り線香は動物用としては使わないほうが良さそうですね。
屋外の小屋などで飼っているペットには、動物用の蚊取り線香を使ってあげてください。
屋内で一緒に過ごしている場合でも、人間用の蚊取り線香を使うさいはペットの体調が悪くなっていないか、よく見てあげてくださいね。
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まとめ
まとめると、
燃焼時間と防腐剤が違う
ということです。
誤食などの危険性を考えると、ペットの虫ケアには、ぜひ動物用と書かれているものを使いたいところですね。
あるいは、蚊取り線香以外の方法を検討してみるのも良いかもしれません。
例えば蚊がいなくなるスプレーなど、少量のスプレーを噴射することで蚊よけ効果が長く続くものがあります。
もちろん、それはそれで注意しなければならない点も多々あります。
ただ使用する薬剤の量が少なく成分もシンプルな分、安心できる部分もあると思います。
いずれにせよ、ペットの様子をよく観察しながら、人間とペットの両方が快適に過ごせる生活空間を作っていきたいものですね。
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