隙間にシュッと噴射するだけで、効果的にゴキブリ退治をしてくれるスプレー、
『ゴキブリワンプッシュ』。
「とても効果があって使いやすい」
と評判です。
でも、『効果がある』ということは、それなりの殺虫成分を使っているわけですよね。
「人体やペットへの影響はどうなんだろう?」
「虫が退治できるっていうことは、人の体にとっても良くないのでは?」
と気になる人も多いのではないでしょうか。
どんなに効果的にゴキブリが退治できたとしても、人体やペットの健康に影響があるものは、あまり使いたくないですものね。
ということで今回は、
『ゴキブリワンプッシュ』の成分や、人体やペットに影響があるのかどうか
について、調べてみました。
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ゴキブリワンプッシュの成分は?
ゴキブリワンプッシュの有効成分『d-d-T-シフェノトリン』
ゴキブリワンプッシュに入っている成分は
『d-d-T-シフェノトリン』
という成分です。
この成分は、ピレスロイド系の成分の中でも殺虫効果が強く、特にくん煙式の殺虫剤などによく使われています。
『d-d-T』とは、
『効果が増強されている』
という意味です。
残効性も高いので、効果がより長く残ります。
ピレスロイドとは
昔から虫よけ効果があると使われてきた『除虫菊』には、『ピレトリン』という成分が含まれています。
この『ピレトリン』に似た効き目を持つ人工の化合物を、『ピレスロイド』と呼びます。
ピレスロイドには
- 少ない量で即効性がある
- 忌避効果がある
- 追い出し効果がある
- 虫や爬虫類などには退治する効果があるが、恒温動物の鳥や哺乳類には安全性が高い
- 光や空気、熱などによって分解されやすい
といった特徴があるので、殺虫剤によく使われているのです。
なぜ鳥や哺乳類には安全性が高いの?
ピレスロイドが
『虫や爬虫類には効いて、恒温動物には安全』
とされている理由は、
『虫や爬虫類などと、鳥や哺乳類などでは、代謝の仕組みが違う』
からです。
代謝とは、簡単に言うと
身体に取り込んだものを栄養にしたり、逆に身体に要らないものを外に出したりする仕組み
のことです。
この代謝の仕組みが違うと、何が毒になって、何が毒にならないかも違います。
これを
『選択毒性』
と言います。
恒温動物は、
ピレスロイドを分解して排出してしまう酵素
を持っていますし、人の神経のシステムは、昆虫より複雑です。
なので、神経系に作用するようになる前に、身体の中で分解されてしまうのです。
そのため、恒温動物には安全とされているのです。
ただし、さすがに大量に身体に取り込んでしまうと、重い症状が出てしまいます。
『安全』というのは、あくまできちんと使用方法や使用量を守った場合のことです。
安全とされているからといって、使い過ぎてはいけません。
ゴキブリワンプッシュは人体に影響ある?
これまで見てきたように、ゴキブリワンプッシュで使っている成分は、
『人体には、安全性に問題ない』
とされています。
でも、本当に大丈夫なのでしょうか。
『人体やペットにまったく影響がない』とは言い切れない
結論から言うと、
『人体やペットに、100%影響がない』とは言えません。
なぜなら、人の体質や体調は千差万別。
殺虫剤の成分の影響を受けやすい人もいれば、受けにくい人もいるからです。
もちろん、健康な人が、使い方や量をきちんと守って使用している分には、大きな影響を受けるケースは少ないでしょう。
ただ、やはり体質や体調、使い方など、状況によっては影響を受けてしまうこともあります。
どんな人が使う時に注意が必要?
たとえば
- アレルギー体質の人
- ぜんそくなど、呼吸器の病気がある人
- 妊娠中の人
- 体調が悪い人
- その他、化学物質や薬剤などに敏感な人、かぶれやすい人
このような人は、『ゴキブリワンプッシュ』を使う時に注意が必要、もしくは使わないほうが、より安全です。
とくに、ぜんそくや呼吸器の病気のある人、化学物質などに敏感な人は、使用を避けたほうが良いでしょう。
もしどうしても使う場合は、医師に相談してみてくださいね。
赤ちゃんや妊娠中の人がいるところで使っても大丈夫?
とくに気になるのが、赤ちゃんや妊娠中の人への影響ですよね。
フマキラーのサイトでは、
『用法通りに使うなら、赤ちゃんがいる部屋で使っても大丈夫』
と書かれています。
しかし、
できるだけ使わないほうが安全です。
使うとしても、頻繁に使ったり、決められている以上の量を噴射したりということは、絶対にしないでください。
なぜかというと、胎児~幼児期に、頻繁にピレスロイド系の殺虫剤を使われる環境の中にいると
ピレスロイドに対して、敏感な体質になってしまう可能性がある
からです。
また、
『妊娠中のラットに、少量のピレスロイドを与えたところ、子どもの行動や、脳の働きに影響が出た』
という実験結果もあります。
もちろん、ラットと人間は同じとは言えません。
でも、お腹の赤ちゃんにできるだけ安全な環境をと思うと、これはとても気になる結果ですよね。
そして、妊娠中は身体がとてもデリケートな状態。
普段より、臭いや化学物質に敏感になっていることも、十分あり得ます。
ゴキブリワンプッシュを使って気分が悪くなったりすることも、あるかもしれません。
このようなことから、やはり
使わないか、もし使うなら慎重に使ったほうが良い
というのが筆者の結論です。
もし、必要があって『赤ちゃんや妊婦さんがいる部屋で使いたい』という場合は、
- 使用量や使用頻度を厳守
- 赤ちゃんや妊婦さんは、他の部屋に移ってもらう
- 家族など、他の人がゴキブリワンプッシュを使う(ゴキブリの始末も他の人がする)
- その後、十分換気をしてから、部屋に戻ってもらう
というふうに、十分に気を付けて使うことをおすすめします。
ゴキブリワンプッシュのペットへの影響は?
ではペットへの影響はどうかというと、
犬や猫、鳥など、恒温動物のペットへの影響は少ない。
カメやカエル、昆虫など、昆虫や爬虫類・両生類、魚のペットには危険。
昆虫や爬虫類などのペットがいる所では使用厳禁!
先にも触れたように、ピレスロイドは、
- 昆虫や節操動物(カブトムシやクモなど)
- 爬虫類(トカゲやカメなど)
- 両生類(カエルやサンショウウオなど)
- 魚
などにとっては『毒』です。
なので、
昆虫や爬虫類や魚などのペットのいる部屋では、絶対に使わないでください。
使う場合は、まずペットを避難させ、使用後にしっかり換気をしてから部屋に戻してください。
犬や猫への影響は?
犬や猫などの場合はどうかというと、フマキラーのサイトでも
『猫のいる部屋で使っても大丈夫』
と書いてあります。
しかし確実なのは、やはりペットのいる部屋では使わないことでしょう。
使う場合は
- ペットを避難させる
- 使用後はよく換気をする
- ペットが使うものや食器などにかからないようにする
とくに、持病やアレルギーがある子、呼吸器の弱い子、妊娠中の子や幼齢の子は、必ず避難させてください。
なお、猫は出てきたゴキブリを追い回したり、捕まえてかじったりするかもしれません。
また、ハムスターなどのげっ歯類も、ゴキブリを食べてしまうことがあります。
ゴキブリワンプッシュがかかったゴキブリを口に入れたり食べたりしないように、使用後も十分気を付けてください。
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まとめ
殺虫剤は、使わないで済むなら、それに越したことはないですよね。
でも、ゴキブリがいるとなれば、退治しないわけにはいきません。
ゴキブリワンプッシュも、人やペット、赤ちゃんにも安全とされてはいますが、より安全に使うためには、
- 使用量、使用方法をきちんと守る
- 体調が悪い人や化学物質過敏、アレルギーなどがある人は注意する
- 妊娠中の人や赤ちゃんがいる所では極力使わない
- ペットのいる部屋で使う時には、ペットを避難させる
といったことに気を付けてください。
こうした殺虫剤などは、
安全と言われているものが本当に安全かどうか。
使うとすれば、どんなことに気を付けて、どのくらい使うか。
って、なかなか判断が難しいところですね。
でも、使わざるを得ない以上、できるだけ安全を確保して、うまく使っていくことが大切です。
そして、殺虫剤を使いたくない、使えない場合は、他の方法でゴキブリを駆除することもできます。
置き餌タイプの駆除剤やゴキブリホイホイ、凍結系スプレーなど、ゴキブリ退治グッズはいろいろあるので、それも検討してみてください。
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