『海は広いな、大きいな~』
ではじまる童謡『海』は、誰もが一度は聞いたことがありますね。
実際、私たちが住んでいる地球は、『海洋』と『陸地』に分けることができますが、海洋と陸地の面積の割合は
7対3
と、海洋の方が倍以上広いことを地理で学んだのは覚えていますか?
そして、その海洋は大きく
- 太平洋
- 大西洋
- インド洋
の3つの大洋に分けることができます。
しかし、ここで疑問に思うのは
『大洋の境目とはどのように決めているのか』
という点ではないでしょうか?
また、この3つの大洋の語源や、漢字の由来は何なのか?といったことも気になりますね。
そこで、この記事では
- 3つの大洋の位置
- 3つの大洋の境目
- 3つの大洋の語源や漢字の由来
などについて紹介していきます。
太平洋と大西洋とインド洋の位置
太平洋の位置
太平洋とは、辞書の大辞林で調べますと、
アジア・南アメリカ・北アメリカ・南極・オーストラリアの五大陸の間に広がる世界最大の海洋。
地球表面積の3分の1を占める。
と、記載されています。
大西洋の位置
大西洋も、辞書の大辞林で調べますと、
ヨーロッパ・アフリカ・南極・南アメリカ・北アメリカの五大陸に囲まれた世界第二の大洋。
地球表面積の6分の1を占める。
と、記載されています。
インド洋の位置
また、インド洋についても辞書の大辞林で調べますと、
太平洋・大西洋に次ぐ世界三大洋の一。
アジア・オーストラリア・南極・アフリカの四大陸に囲まれた海洋。
地球表面積の7分の1を占める。
と、記載されています。
太平洋と大西洋とインド洋の境目
太平洋と大西洋とインド洋の境目とは、どのようになっているのでしょうか?
陸地では、地図を見れば国境などの境目がすぐわかります。
しかし大洋の境目においては、
国際水路機関(International Hydrographic Organization、IHO)
によって設定されているのです。
この機関は、全世界の海図を改善することにより、航海を簡単、かつ無事に行えることを目的に1921年に設営された国際機関です。
ここで決められた海洋の境界線は、
太平洋と大西洋の境界線は、南アメリカ大陸の最南端ホーン岬から南極大陸に至る西経67度16分である。
また、
大西洋とインド洋の境界線は、アフリカ大陸の最南端アガラス岬から南極大陸に至る東経20度1分である。
そして、
インド洋と太平洋の境界線は、北はベンガル湾からアラビア海で、南はオーストラリア西部の海域である。
と、決められています。
太平洋と大西洋とインド洋の語源や漢字の由来
太平洋の語源や漢字の由来
嵐などの天災に見舞われ、遭難する船も珍しくはなかった大航海時代。
その時代の航海中、ポルトガルの航海者であるフェルディナンド・マゼランは1521年に初めて、後に太平洋と呼ばれる海を横断しました。
その航海の際に、天災に1度も襲われることがなかったために、その大海原を、
『Mare Pacificum』
と、マゼランは命名したそうです。
これはラテン語で『平穏な海』という意味であり、英訳しますと、『Pacific Ocean』となります。
『Pacific』は、『平和な』『穏やかな』という意味です。
これを日本語に訳するときに、『太平』という漢字が当てられました。
それが『太平洋』の由来と言われていたのです。
しかし、最近では
この説は誤りである
という報告があります。
岩手大学名誉教授の米地文夫氏の解説によると、
そもそも太平洋にはさまざまな呼称や書き方があり、スムーズに定着したわけではない。
ということだそうです。
たとえば、宣教師マテオ・リッチが1602年に発行した、
『坤輿万国全図』(こんよばんこくぜんず)
では、太平洋がいくつかの区域に分けられ、さまざまな名前が付けられていました。
初めて太平洋という表現が使われたのは、イギリス人宣教師が1853年に出版した『地理全誌』に見て取れるそうです。
しかし、それには、
『大平洋』と、点が入らない表記でした。
そして、明治初期の日本では、
『大平洋』と『太平洋』
両方の表現が混在していたようです。
1903年に全国の学校で使用するために国が著作した『国定教科書』で、
『太平洋』と付加したこと
で、ようやく呼称が決まったという経緯があったそうです。
つまり、教科書の決まりによって『太平洋』と呼ぶようになったのですね。
大西洋の語源や漢字の由来
大西洋の由来は諸説あるようです。
ひとつは、中国語でヨーロッパのことを『泰西』と書き、この単語を日本語では『タイセイ』と読むことから、『大西洋』という名になったという説です。
他には、ギリシャ神話に出てくる『Atlas』(巨人アトラス)が、神に背いた罰によって、
世界の西の果てで天空を支える
という役目を命じられたそうです。
その西の果てというのは、
アフリカの北西に位置する『アトラス山脈』
であることから、『Atlantic Ocean』と名付けられたのです。
これを日本語に訳するのはできません。
そのため単に
ヨーロッパの大きな西の海
という意味から、『大西洋』という名を付けたという説です。
インド洋の語源と漢字の由来
インド洋とはインドの下に位置しているために、そのまま名付けられたそうです。
漢字では、
『印度洋』
と書きますが、もともとは当て字のため、
カタカナで表記するのが一般的
ですね。
スポンサーリンク
まとめ
地球上の海は、国際水路機関によって、
- 太平洋
- 大西洋
- インド洋
の3つの『大洋』に分けられ、境目も定められていることが分かりましたね。
ちなみにこの3つの大洋は、
地球の三大洋
と呼ばれています。
また、これらの他に、
- ユーラシア大陸、グリーンランド、北アメリカ大陸などによって囲まれた『北極海』
- 南極大陸のまわりを囲む『南極海』
この2つを加えると、地球の五大洋とも呼ばれています。
また、
- 太平洋は『太』
- 大西洋は『大』
と、語源や漢字の由来についても知ることができました。
以上、太平洋と大西洋とインド洋の境目と、語源や漢字の由来についての紹介でした。