蚊取り線香の蚊以外の害虫駆除効果を調査!煙や香りでハエ退治は?

蚊取り線香は、なにかとストレスの多い夏の心強い味方です。

でも欲を言えば、蚊だけではなく、ほかの虫にも効いてくれたら嬉しいですよね。

とくにハエです。

どこからともなく現れて、食べ物やゴミ箱の周りを我が物顔で飛び回るハエは、ほんとうに嫌になりませんか?

少しでも快適に夏を過ごすためにも、やはり害虫対策には詳しくなっておきたいところです。

そこで今回は、蚊取り線香が蚊以外、とくにハエにも効果があるのかを見ていきます。

蚊取り線香は煙で害虫を駆除している?

まずは、蚊取り線香が蚊を倒す仕組みをざっくりと見ていきましょう。

蚊取り線香の有効成分

蚊取り線香の説明書きを見ると、有効成分はよく『アレスリン』または『ピレトリン』と表示されています。

『天然材料のみ』と、うたった蚊取り線香には、ピレトリンと書かれてあることがほとんどでしょう。

それもそのはず。

このピレトリンは『除虫菊』に含まれる天然の除虫成分なんです。

蚊取り線香が販売された、はじめの頃は、除虫菊の花を乾かし、粉状にして線香に混ぜ込んでいたようです。

そこから、だんだん菊の花の生産が追いつかなくなってしまいます。

そこで、ピレトリンを人工的に作ろうという研究が進められます。

その結果、ピレトリンに似ているけれど、少し性質の違う成分が色々と作り出されました。

それらの成分の総称が『ピレスロイド』で、先ほど出てきたアレスリンもそのひとつです。

ピレスロイドは、数ある殺虫成分の中でも人間に対する毒性が低いために、9割以上の家庭用殺虫剤に採用されているんですよ。

蚊取り線香が効く仕組み

蚊取り線香は、当たり前ですが、火をつけて使用しますよね。

有効成分のアレスリンやピレトリンは、加熱されることによって空気中に広がり、除虫効果を発揮します。

蚊取り線香を販売しているメーカーの製品説明でも、

『煙のある範囲が効果のある範囲の目安』

とされています。

そのため、一般的な理解として

蚊取り線香は煙が効果を発揮している

と考えて差し支えないようです。

ただし、蚊取り線香以外の煙は、蚊には効きません。

あくまでも、蚊には蚊取り線香の煙に含まれている有効成分が煙にのって効いています。

つまり、開封してから何十年も経って、有効成分が壊れた後の線香を焚いても、効果は薄いということです。

ピレスロイドは自然に分解されやすい成分

なので、古い蚊取り線香には気を付けたいところですね。

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蚊取り線香はハエなど害虫にも効果がある?

蚊取り線香は蚊以外の害虫にも効果があります。

一般的な蚊取り線香に多く採用されているアレスリンは、

『蚊・ハエに特に効く』

とされているピレスロイドです。

そもそもピレスロイドには、殺虫効果に加えて

『虫が嫌がって近づかない』

という効果があるのです。

また、蚊は例外で、虫は基本的に煙を嫌います。

そのため、蚊取り線香を焚いていれば、虫は近づいて来にくいのです。

ただ、駆除するのに必要な薬剤の量は違うので、蚊よりもハエの方が効きにくいと感じられるでしょう。

そんな場合には、『ハエやヤブ蚊によく効く』という別のピレスロイドを採用した蚊取り線香もあります。

ひとつ気にしておきたいこととして、蚊取り線香が蚊以外にも効くことは、

飼っているカブトムシやクワガタにも殺虫効果が発揮されてしまうこと

があります。

昆虫を飼育している部屋では、蚊取り線香を焚かないであげてくださいね。

香り付き蚊取り線香の効果はさらに強力?

蚊取り線香には、独特の香りがありますよね。

また、様々な香り付きの製品も販売されています。

香り成分で効果は変わるのか見ていきましょう。

香り成分の効果

まずひとつ、

ピレスロイドは無臭です。

蚊取り線香の独特の香りは、メインの有効成分以外の香りなのです。

具体的には、線香のベースとしてデンプン粉やビャクダン、つなぎの役割にはタブ粉(タブノキの粉末)が用いられているようです。

ビャクダンは、昔から香りが虫除けの効果があるとして重宝されています。

害虫を駆除するとはいかないまでも、虫が嫌って避けようとする香りとして効果が期待できますね。

ハーブやバラの香りは害虫駆除に効果アリ?

最近増えているのが、様々ないい香りをプラスした蚊取り線香です。

とくによく見られるラベンダーやバラ、森の香りなどは効果があるんでしょうか?

残念ながら、基本的に

いい香りは煙臭さ軽減のため

であることです。

各社の製品説明で、『香りで虫を撃退します』とは書いていません。

もしかしたら、虫除け効果が上乗せされるかもしれないくらいの軽い期待にとどめておきましょう。

害虫の虫除けに良いとされる香り

まずは、先ほども少し取り上げたビャクダンです。

ベーシックな蚊取り線香はビャクダンの香りをうたったものが多いですし、お寺でも虫除けとして焚かれているようです。

伝統ある虫除け香なんですね。

次に、ラベンダーです。

ラベンダーの香りにも虫除け効果があるとして広く使われています。

ただこれは、どちらかというとノミやダニといった小さな虫に対する効果が知られているようです。

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まとめ

効果の強弱はあれど、蚊取り線香の煙は虫全般に駆除効果を発揮します。

香りに関しては、駆除するとまでは期待しない方が良さそうですが、虫が嫌がる効果が古くから知られ、利用されてきたものがあります。

この夏は香り付きの蚊取り線香を使って、虫対策をしながら先人たちの生活の工夫に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。

最後に、老婆心ながら付け加えます。

ハエを駆除するのには蚊よりも多く有効成分が必要と書きましたが、あまりに部屋を煙たくしてしまっては人間の健康を損ないかねません。

蚊取り線香を焚くときは、ときどき換気をするようにしてくださいね。

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