飲食店、販売店などでの接客の仕事では、接客マナー、言葉遣いがとても重要となります。
接客業でなくても、仕事のうえで、それらの知識が役に立つことは多いです。
そこで今回は、
接客マナーの基本『5大原則』
接客の『8大用語』
として知られているものを紹介します。
接客をする際の言葉遣いやコツを、しっかりチェックしましょう。
接客マナーの基本『5大原則』
接客マナーには、
『5大原則』
と言われる、押さえておきたい基本があります。
これから紹介する『5大原則』は、どこで接客をする場合でもとても重要です。
接客マナーの基本『5大原則』(1)挨拶
『挨拶』は、基本中の基本ですね。
挨拶ができない人は、その他の接客も上手くできるわけがありません。
また、挨拶は一番最初に相手にかける言葉なので、
挨拶で印象が決まる
と言っても、過言ではありません。
接客マナーの基本『5大原則』(2)表情
『笑顔の挨拶』と『無表情の挨拶』では、大きく印象も変わります。
笑顔のない接客では、
「怒っているのかな?」
「怖いな」
「なんだか感じが悪いな」
という印象を与えかねません。
また、あなたの印象だけではなく、お店の印象にも左右するでしょう。
接客マナーの基本『5大原則』(3)態度
- だらしなく歩く
- 物音がうるさい
- ながら対応
- 不愛想な会話
- スタッフ同士の雑談に夢中
などは、相手に不快感を与えます。
お客様は、いつどのようなタイミングで見ているのか分かりません。
接客中は、『見られている』という意識を忘れてはいけません。
接客マナーの基本『5大原則』(4)身だしなみ
身だしなみは、清潔感を左右する、非常に重要なポイントです。
接客をしてもらって、真っ先に目に入るのは身だしなみです。
会社やお店の決まりに沿って、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
また、香水やヘアスプレーなどの香りにも注意が必要です。
お店のイメージにあったメイクや服装を取り入れるのが良いでしょう。
接客マナーの基本『5大原則』(5)言葉使い
言葉使いは、接客を行う上で非常に重要です。
いくら、清潔感のある見た目と笑顔がそろっていても、言葉使いが相手に不快感を与えることもあります。
普段から使い慣れたラフな言葉遣いや、流行語を取り入れるのはNGです。
正しい言葉遣いをマスターしておきましょう。
接客マナーの『8大用語』
『8大用語』は『あしかもおおいし』
接客のマナーで大事なことはいくつかありますが、基本はなんといっても言葉遣いです。
言葉遣いのコツの一つは、よく使われる言葉を身につけることです。
8つの接客用語をまとめた
『8大用語』
というものがあります。
接客マナーのマニュアル、接客の基本心得などでも、よく取り上げられているものです。
まずはその一覧を紹介しましょう。
この『8大用語』は、覚えやすいように、8つの言葉の頭文字をとると、
『あしかもおおいし』
となります。
接客の基本『8大用語』
- 『あ』 ありがとうございます
- 『し』 少々お待ちください
- 『か』 かしこまりました
- 『も』 申し訳ございません
- 『お』 お待たせいたしました
- 『お』 恐れ入ります
- 『い』 いらっしゃいませ
- 『し』 失礼いたします
いずれもよく耳にする基本的な言葉ですね。
それぞれの言葉について、接客マナーの基本という見方で、使い方のコツを説明しましょう。
接客の基本『8大用語』(1)『ありがとうございます』
お客様に対する感謝の気持ちを伝える基本的な言葉です。
注文を受けたとき、商品を買ってもらったとき、その他、お客様に何かをしてもらったときなどに使います。
自分が客の立場だったときのことを考えてみましょう。
店員から、しっかりと
「ありがとうございます」
と言ってもらえると、うれしいですよね。
お客様によい印象をもってもらうためにも、積極的に『ありがとうございます』という言葉を使うようにしましょう。
接客の基本『8大用語』(2)『少々お待ちください』
お客様を待たせるときに使う言葉です。
たとえば、店でお釣りや商品を渡すまでに時間がかかるときなどに使います。
客の立場からすれば、何も言われずに待たされると、無愛想な対応に思えてしまうことがあります。
「少々お待ちください」
と言うだけで、お客様の印象は変わるものです。
少しでもお客様を待たせるときは、必ず「少々お待ちください」と言うようにしましょう。
接客の基本『8大用語』(3)『かしこまりました』
お客様に何かをたのまれたときなどに、返事として使う言葉です。
何かをしてほしいと言われたときや、注文する商品名を聞いたときなどにも使います。
『確かにうけたまわりました』
ということを伝える言葉です。
『わかりました』とか『了解しました』とかという言葉は、お客様に使う言葉としては、ていねいさに欠け、適切ではありません。
『かしこまりました』という、ていねいな言葉を使うようにしましょう。
接客の基本『8大用語』(4)『申し訳ございません』
こちらのミスなどで、お客様に迷惑をかけてしまって、謝るときなどに使う基本的な言葉です。
要望にこたえられなかったり、怒らせてしまったりしたときにも使います。
大きなミスではなくても
「申し訳ございません」
と言えば、ていねいな印象を与えることができるでしょう。
言うときは、
気持ちを込めて、頭を下げながらしっかりと言うのがコツです。
『ごめんさい』とか『すみません』では、ていねいさに欠けます。
接客の基本『8大用語』(5)『お待たせいたしました』
お客様を待たせたあとに使う言葉です。
たとえば、店で待たせたあとに商品を渡すときや、レジで並んでいたお客様を迎えるときなどに使います。
待たせたことに対するおわびや感謝の気持ちを表す言葉です。
たいした待ち時間でなくても、「お待たせいたしました」と言いましょう。
かなり待たせてしまった場合には、より申し訳ないという気持ちを込めて、
「大変お待たせいたしました」
と言うのがよいです。
接客の基本『8大用語』(6)『恐れ入ります』
お客様が何かをしてくれたときや、お客様に何かをお願いするときなどに使う言葉です。
たとえば、どんなときでしょう?
物を渡してもらったとき、連絡先を書いてもらうときなどに使います。
「そんなことをしていただいて申し訳ありません」
「こんなことをお願いして申し訳ありません」
と恐縮する気持ちを表す言葉です。
何かをお願いするときは、お願いする言葉の前につけて言いましょう。
「恐れ入りますが、こちらにお名前をご記入いただけますでしょうか」
などのように言います。
接客の基本『8大用語』(7)『いらっしゃいませ』
お客様が店に来たときの基本のあいさつです。
『よく来てくださいました』
という歓迎、感謝の気持ちを表す言葉です。
客からすれば、店に入ったときに店員が無言であるよりも、
「いらっしゃいませ」
と言われたほうが気分がよいものです。
お客様のほうを見て、明るく笑顔で、気持ちを込めて言うのがコツです。
接客の基本『8大用語』(8)『失礼いたします』
お客様に近づくときや、近くを通り過ぎるときなどに使う言葉です。
たとえば、飲食店などで店員がお客様のテーブルに近づくときや、通路に立っているお客様の脇を通ろうとするときなどに使います。
無言で急にお客様に近づいたりすると、どうなるでしょう?
お客様は驚いたり、不快な気持ちになったりする可能性があります。
さらには、お客様が気づかずにぶつかってしまったりする恐れもあります。
ただひとこと
「失礼いたします」
と言うだけで、印象がよくなるのです。
このほか、接客マナーの基本の言葉遣いでは、敬語もふくめて日本語を正しく使うことも重要です。
接客のコツ
さて、ここからは、接客をスムーズに行うためのコツを紹介していきましょう。
接客のコツ(1) アイコンタクト
お客様とコミュニケーションを取る時は、『アイコンタクト』で相手の目をしっかりと見ることを心がけましょう。
アイコンタクトを取ることで、親近感がわきます。
また、アイコンタクトには、
信頼性が増す
誠実さが伝わる
こんな効果もあります。
ぜひ接客では、アイコンタクトを取るようにしてみましょう。
接客のコツ(2) 会話では聞き役になる
接客では、まずは『聞き役』になりましょう。
お客様の話を、途中で遮るなんてもってのほかです。
お客様の話を引き出せたら、相づちを打つなど、しっかりとリアクションを取るのも大切です。
接客のコツ(3) 『クッション言葉』を使う
お客様に提案をしたり、何か動作をお願いする際には『クッション言葉』を使うと、柔らかい印象になります。
- 「恐れ入りますが」
- 「申し訳ございませんが」
- 「失礼ですが」
- 「早速ですが」
- 「あいにくですが」
- 「差し支えなければ」
- 「お手数をおかけしますが」
- 「できましたら」
- 「今、よろしいですか?」
- 「申し上げにくいのですが」
- 「もし、よろしければ」
これらのフレーズを、前置きとして取り入れるだけで、印象は大きく変わります。
接客のコツ(4) 目線には気を付ける
入店する前からジロジロと見られていれば、当然お店には入りにくいですよね。
また、入店後も、まるで張り付くように付きまとい見られていては、居心地が悪く、その後のコミュニケーションも拒絶されてしまうかもしれません。
あくまで、自然にお客様のことを常に気にかけて、目が合えばすぐに対応できるようにしておきましょう。
接客のコツ(5) お客様の立場に立つ
接客マナーで基本となるのは、ただ決められたことをするだけではありません。
しっかり気遣いをして、気配りの行き届いた対応をすることです。
たとえば、飲食店に、お子様連れのお客様が来た場合はどうしますか?
お子様用のいすや食器があれば、用意するなどの対応をしましょう。
デパートで買い物中に複数の紙袋を持っているお客様がいたときは?
1つにまとめて大きな袋に入れるように提案することが考えられます。
このように、お客様が困った様子であったり、困ることが予想されたりするときは、言われなくてもこちらから声をかけて、こちらにできることを伝えましょう。
お客様の立場に立つこと
が大事です。
そして、何かできることはないかということを常に意識するのがコツです。
ただ、あまり近い距離でお客様にずっとついていったり、何度も声をかけたりすると、迷惑に思われてしまう場合もあります。
適度な距離を保つことも必要でしょう。
押しつけがましくならないようにしながら、親切に対応するのが基本です。
たとえば、店員と話をするのが好きなお客様もいれば、放っておいてもらいたいお客様もいます。
お客様のタイプや状況によって、取るべき対応は変わってくるのです。
接客マナーの基本をふまえつつ、臨機応変に行動することが必要といえます。
お客様の反応をよく見て、その気持ちをおしはかることが、気の利いた対応をするためのコツといえるでしょう。
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まとめ
接客の『5大原則』は、
- 挨拶
- 表情
- 態度
- 身だしなみ
- 言葉遣い
となります。
また、接客の『8大用語』は、
- ありがとうございます
- 少々お待ちください
- かしこまりました
- 申し訳ございません
- お待たせいたしました
- 恐れ入ります
- いらっしゃいませ
- 失礼いたします
です。
さらに、これらの基本に加えて
アイコンタクト
会話では『聞き役』になる
『クッション言葉』を使う
目線には気を付ける
お客様の立場に立つ
などを身につけておくのが、接客のコツです。
接客業の仕事をしている人、したいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
また、これらのコツは、日常のコミュニケーションにも応用できます。
接客業の人にかぎらず、コミュニケーション能力をアップさせたい人は、ヒントにしてみてくださいね。