カレーを夏場に常温保存は危険?食中毒の予防や対策をチェック

夏と言えば、カレーです。

日頃の食卓で、登場する回数も多い料理ですよね。

多めに作ったカレーは、リメイクしたり、翌日も活躍してくれます。

しかし、ここで問題なのが、

夏場のカレーの保存方法

です。

「お鍋ごと温めたいから、コンロにそのまま」

「翌朝一度加熱していれば大丈夫!」

という人は、多いことでしょう。

ですが、実はこの保存方法では、食中毒になるリスクが非常に高くなります。

そこで今回は、

夏場にカレーを常温保存することは危険なのか

を調べてみました。

カレーによる食中毒の予防や対策も紹介しています。

夏場のカレーの正しい保存方法を覚えて、美味しくカレーをいただきましょう!

夏場にカレーを常温保存する危険とは

カレーの常温保存

カレーの常温保存

多めに作ったカレーは、翌日もお鍋のまま温めたいですよね。

ですから、カレーが入ったお鍋を、キッチンのコンロに、そのまま置いておく人は多いでしょう。

大きなお鍋は冷蔵庫に入らないし、スペースを作るのも面倒くさい…。

しかも、

はなこ
カレーは寝かせると美味い!

なんて、言いますから、一晩寝かせたカレーは、うま味が増していると思っている人もいます。

しかし、

夏場のカレーの常温保存は、大変危険です。

常温保存したカレーには、

食中毒を引き起こす『ウェルシュ菌』

が、潜んでいる可能性があるのです。

通常、食中毒の予防として、

加熱すると、菌は死滅する

と言いますよね。

ですから、翌日カレーをもう一度高温で温めれば、菌も死滅して、まだまだ食べられるはずだと思っている人は、とても多いでしょう。

しかし、このウェルシュ菌は、

100℃で1時間加熱しても死滅する事はありません。

ウェルシュ菌は、12~50℃で増殖が可能となり、至適温度(43℃~45℃)になると、最も増殖します。

夏場のカレーは、中々冷めませんから、12~50℃が長時間保たれることでしょう。

つまり、夏場のカレーの常温保存は、このウェルシュ菌が増殖するのに、最適の環境を作り出してしまうのです。

そして、体内に入ったウエルシュ菌は、エンテロトキシンという毒素を作り、

下痢や腹痛をともなう食中毒の原因

となってしまうわけです。

よって、夏場にカレーを常温保存するのは絶対に避けましょう。

夏場のカレーによる食中毒を予防しよう!

夏場のカレーによる食中毒の予防や対策には、

『ウェルシュ菌』を増やさない

という点が、ポイントになります。

菌は『つけない』『増やさない』が鉄則

ウェルシュ菌は、そもそも私たちの体内にも存在している菌です。

また、土や水にも存在しています。

ですから、知らず知らずのうちに、料理前の私たちの手にウェルシュ菌が付着していることがあります。

また、カレーに使う鶏肉や豚肉、野菜にも付着している可能性があります。

その対策としては、

  • 手洗いの徹底
  • 肉や野菜はすぐに冷蔵庫で保存(ウェルシュ菌が増えない低温で保存)
  • ウェルシュ菌が増えない内に迅速に調理を行う
  • 調理器具の洗浄・消毒

が、効果的です。

その他、

カレーの味見は必ず小皿に取り分けて行う

というのも、ポイントです。

これは、私たちが持っているウェルシュ菌を『つけない』ための対策になります。

こまめに温めながら60℃以上を保つ

ウェルシュ菌は、カレーを作り終えて、温度が下がり始めた43℃~45℃で最も増え始め、その後も12~50℃の範囲内で増殖が可能です。

その特性を考えれば、

60℃以上を保っていれば、ウェルシュ菌の増殖を防ぐことができます。

しかし、この方法は、数時間であれば可能ですが、

一晩こまめに加熱し続けることは、一般家庭では実現が困難でしょう。

旦那さんが帰ってくるまでの数時間や、部活動などで食事時間のずれる子供に対しての保存くらいであれば、有効です。

『10℃以下の急速冷却』で保存する

カレーを冷蔵庫や冷凍庫で保存するなら、

作り終えてから2時間以内に、『10℃以下の急速冷却』

というのが、ウエルシュ菌の増殖を防ぐポイントです。

カレーを冷ますために重要なことは、

菌が繁殖する時間帯を短くする

カレーの内部の温度を早く下げる

そのためカレーを、平たい容器に小分けにすることで、冷める時間が短縮され、菌の繁殖の予防に繋がります。

あらかじめ、

『余りそうだな』『多めに作って保存したい』

と分かっている時には、直ちに平たいお皿やタッパーにいれて、なるべく早く粗熱をとります。

この時、氷水に容器を浸けながら冷ますと、時短に繋がりますよ。

注意

容器に水が入らないよう注意してください。

粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫・冷凍庫へ入れてしまいましょう。

再加熱は具の内部まで確実に火を通す

冷蔵庫や冷凍庫で保存したカレーを、再加熱して食べる場合には、できれば、

お鍋に移し替えて加熱する

ことが確実な方法です。

お鍋の底をかき混ぜながら、鍋底・具の内部まで、しっかりと加熱することが、重要です。

もし、電子レンジで加熱する場合は、数回に分けて加熱します。

容器の中身をかき混ぜて、上下を返し、全ての具材が確実に加熱されるようにしてください。

傷んだカレーを食べてしまった!食中毒への対策!

はなこ
気付かず傷んだカレーを食べてしまった!

たろう
見た目も臭いも大丈夫そうだったし、もったいないから食べた!

夏場は、そんな事が起こるのも珍しくないでしょう。

傷んだものを食べてしまうと、とても不安になりますので、

「まずは病院へ…」

なんて考えも浮かぶところです。

ですが、カレーによる食中毒は、

摂取してから8時間以内には何かしらの症状

が表れます。

よって、8時間経っても身体に異変がなければ、食中毒の心配はありません!

それに対し、8時間以内に下痢や嘔吐等の症状が表れた際は、少し様子を見て、症状が酷い場合は病院で受診してください。

病院へ行ったほうが良いのは、下記のような症状があらわれた場合です。

チェックしておいてください。

  • 1日10回以上下痢が続く
  • 半日以上尿が出ない、または少ない
  • 意識がもうろうとしている
  • 血便が出る
  • 嘔吐が続く
  • 体がふらつく
  • 発熱している

上記のような症状が表れた場合は、速やかに病院を受診してくださいね。

それ以外の

  • 便の回数がいつもより多く下痢っぽい
  • 数回吐いてしまった

といった程度であれば、

しっかり水分補給しながら安静にしていましょう。

メモ

年配の人や、子供の場合は、寝ている間に嘔吐する可能性もあります。

必ず横向きで寝かせるようにしてください。

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まとめ

夏場のカレーの常温保存は、『ウェルシュ菌』が増えるため、大変危険です。

「余ったカレーは翌日食べよう」

「加熱すれば大丈夫!」

なんて、軽く考えてはいけません。

ウェルシュ菌は、一度発生すると、たとえ100℃で数時間加熱しても死滅させることはできないのです。

ですから、

菌は『つけない』『増やさない』

こまめに温めながら60℃以上を保つ

急速に冷ましてから保存

再加熱は具の内部まで確実に火を通す

これらの予防や対策が、効果的です。

また、万が一傷んだカレーを食べてしまった場合は、焦らず様子を見た後、症状が表れるようなら病院を受診しましょう。

カレーの正しい保存方法を覚えて、夏に美味しいカレーを楽しみましょう!

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