金融再生プログラムの一環として、株式会社産業再生機構法に基づき、2003年~2007年の間に設立された産業再生機構。
その一員だった松本順氏が社長を務める、持ち株会社『みちのりホールディングス』。
この会社が交通事業者を次々に買収し、傘下に従えています。
それだけに、『みちのりホールディングス』とはどんな会社なのか。
また、社長の松本順という人物は、どんな社長なの非常に気になるところです。
この記事では、みちのりホールディングス社長・松本順氏の経歴や評判を探っていきます。
みちのりホールディングス社長松本順とは?
みちのりホールディングスという、会社を知っていますか?
公共交通機関にまつわる交通事業者・公共事業者に精通していない人は、全く耳にしたこともない会社名でしょうね。
筆者も、この記事を書くまでは、聞いたこともない企業で、その社長を務める『松本順』の名を見た瞬間、嵐の松本潤さんと勘違いしたくらいです(笑)
もちろん、読み方は同じでも名前の字(漢字)が違ますし、全くの別人です。
ただ、なんとなくボケっと、ネットニュースを見ていたら誤解してしまうのかも…。
まぁそんな話はどうでも良いとして、実はこの松本順社長が、とんでもない人みたい…。
社長・松本順の功績
というのも松本順氏は、交通事業で苦しんでいた茨城交通・福島交通を立て直した立役者なのです。
そして、功績はそれだけにとどまらず、
- 九州産業交通、関東自動車、アビバジャパン等の案件を統括
- 各事業の経営改革や再生型プロジェクトに関与
- みちのりホールディングス・岩手県北自動車・浄土ヶ浜パークホテルの代表取締役社長
- 福島交通・茨城交通・関東自動車・会津乗合自動車・湘南モノレール・東野交通の取締役会長
- 復興庁復興推進委員会委員
など、多岐にわたって、交通ビジネスを支えた立役者となるのです。
正直、交通事業がどういうものなのか、いまいちピンときていません。
しかし、ここまで多岐に渡って活躍している話だけでも、いかにすごい人物なのは理解できますね。
松本順社長・みちのりホールディングスの経歴
みちのりホールディングスの社長・松本順氏が、いかにすごい人物なのかは、先程の話でも、なんとなく理解できたはずです。
とはいえ、みちのりホールディングスが、どのように大きく成長し、福島・茨城の交通事業を立て直したのか、いまいちよく分かりませんよね。
また松本順氏が、どういう人物なのかも気になります。
そこで、さっそく松本順氏と、みちのりホールディングスの経歴を見ていきましょう。
松本順が、みちのりホールディングス設立した経緯
松本順氏は、上智大学法学部卒業後、日本リース国際企画業務などを経て、GM系投資会社で日本の投資業務全般に携わっていた人物とのこと。
なぜ、法学部卒業の松本順氏が、投資業務に携わったのかは、謎ですよね、
ただ、その事がプラスに働いたのか、実績が認められ、産業再生機構執行役員に就任することに…。
そして、九州産業交通という地方の交通企業の再生支援に携わった松本順氏は、その功績が認められ、福島からもオファーをもらいます。
そこで2009年、彼を含めた五人で、茨城・福島交通の再生に着手するためのスポンサーとして、みちのりホールディングスを設立。
法律とは全く異なる道へ歩んでいますが、それも一つの人生なのでしょう。
みちのりホールディングス設立の裏で窮地に立たされていた茨城・福島の交通事業
それにしても、茨城・福島の公共交通機関が、窮地に陥っていたとは意外ですよね。
話を探っていくと、2008年には、茨城交通が民事再生法を、福島交通が会社更生法を申請していたとか…。
もし、松本順氏たちがスポンサーとして名乗りを挙げなければ、福島・茨城の交通事情はどうなっていたのか…。
みちのりホールディングスがバス事業に着手したきっかけ
みちのりホールディングスは、茨城・福島交通に対して投資をしている以上、資金の回収をしなければ共倒れするだけです。
そこで資金を回収するために、バス事業に着手します。
なんでもバス事業は、他の公共交通機関と異なり、ルールなどが他府県などで共通している部分が多く、いろんなアイディアが活かせるんだとか…。
確かに、どんなに素晴らしいアイディアを持っていたとしても、それを規制などで生かせなければ、意味がありません。
だからこそ、バス事業に着手し、多くの事業者を買収などで傘下に取り込みながら、環境そのものを大きく改善していったのです。
多くの事業を取り込んだとしても、基本的に行っている事業は他府県で共通…。
ならば、そんなに手間を掛けずに、配置換えなどを行うことによって労働力の分配も可能です。
社員の意識改革にも着手
一方、社員たちの意識も、
たとえ赤字になったとしても、申し訳ないと思わず、国に補填してもらいながら、誇りを持って仕事に当たるように
と指導…
このことにより、たとえ少ない乗客数だったとしても、その人のための交通サービスを施せるようになったそうです。
そして、主なビジネスとして、乗客を目的地にバスで運ぶのはもちろん、お年寄りを主な対象としたビジネスも展開…。
バスによる運行以外にツアー企画にも着手
その一つとして注目されているのが、道の駅やショッピングモールまで、お年寄りをバスに乗せて楽しんでもらうツアー企画。
そこでは、バスの乗り方から、きっぷの買い方などもレクチャーされ、好評みたいですね。
こういった付随したビジネスにも力を入れ、乗客を大切に扱う交通事業として、見事に再生…。
結果として、とくに過疎化エリアを中心に、多くの乗客の支持を勝ち取り、急成長を遂げたとか…。
みちのりホールディングスはお年寄り・学生の救世主
確かに、お年寄りの車の運転ミスによる事故などが問題視される現状を考えると、わずかな乗客数でも機能する公共交通機関があると安心ですよね。
道の駅などで買い物もできれば、生活の基盤が立てられます。
より安全で快適な生活をおくることもできるでしょう。
松本順氏は、その部分に着目して、『これなら再生できる!』と算段した結果、茨城・福島交通に投資したのです。
松本順社長が異色な経歴を持つからこそ生まれる交通事業
ビジネス戦略を立てられるのは、投資事業・再生事業などに多く携わってきた経験があってこそ。
買収というと、聞こえが悪いのですが、『統合』という意味合いで、多くの企業を傘下に取り込み、全体的に機能させていくのも悪くはありません。
交通事業において、どこまで発展していくのか。
みちのりホールディングスの今後に注目していきたいものですね。
みちのりホールディングスの評判は?
交通事業再生と位置づけ、急成長を遂げているみちのりホールディングス。
実際のところ、会社として世間の評判はどんなところでしょうか?
具体的な乗客の声は、ネット上で見ることができませんでしたが、この企業で打ち立てている数々の企画に対する人気はみえます。
たとえば、
- 防災計画を立案したい企業が被災地から学ぶ、震災学習ツアー
- 宇都宮の餃子店とコラボした、地域の周遊券と食事券がセットになったチケット販売
- 各地の魅力を体感できる、路線バスの旅企画
など、様々な企画を展開し、そのたびに多くの利用客から高い支持をあげているとか…。
実際に事業としても再生しているわけですし、評判が高いことは伺えます。
地域密着を目指すみちのりホールディングス
地域に密着し、多くの人を巻き込みながら、より乗客や従業員が笑顔になれるビジネスを展開していく…。
そこが、みちのりホールディングスの魅力であり、評判の高さの要因となっています。
ぜひ、この魅力をなくさず、さらなる拡大を図り、田舎で移動手段をなくしている人たちの救いとなり続けて欲しいですね。
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まとめ
福島や茨城の交通事業再生を目的として設立された『みちのりホールディングス』の社長・松本順氏。
経歴を見ていくと、上智大学法学部を卒業しながら、投資ビジネスや事業再生ビジネスに携わるという、異色の経歴の持ち主です。
その異色の経歴で培われたノウハウを最大限に活かし、乗客に気持ちよくバスを利用してもらうための仕掛けを次々打ち立てます。
また、その仕掛けは、従業員たちにも施され、誰もが喜ぶ新規ビジネスとして大きく飛躍しているのです。
今後も、新たな仕掛けをつぎつぎ施し、とくにお年寄りや学生たちの移動手段として、大きく貢献できる企業であり続けてほしいですね。