宇宙の広さを例えると?無限のような大きさをわかりやすく解説!

宇宙は、人類がいまだに解明できていない謎の1つであり、

宇宙全体のうち、たった数%しか判明していない

と言われるほど広大な空間でもあります。

宇宙は、一体どのくらいの大きさなのでしょう?

よく、『無限に膨れ上がっていく』などと言われることもあるわけですが、そもそも宇宙は大きさが測れるものなのでしょうか?

今回は、謎の多い宇宙について、大きさがどのくらいなのかを解説します!

宇宙の広さは無限?

宇宙について、こんなことを聞いたことはありませんか?

宇宙は無限に広がり続けている

無限とは、なかなか想像できませんよね。

実際のところ宇宙は、どこまで拡大しつづけることができるのでしょう?

それを知るためには、宇宙の全体的なイメージ、つまり、スタートとゴール(果て)をわかる必要があります。

宇宙の未来に繋がる大きな問いです。

何しろ宇宙の全体図を見ることが人間の技術では不可能なため、こればかりは誰にもわかりません。

ただ様々な学問から、宇宙の全体的なイメージを想像することは可能です。

宇宙の全体像のイメージを

宇宙論モデル

といい、大きくまとめて3つのモデルがあります。

モデル1平坦な宇宙

現在の学説で主流となっているのが、

平坦な宇宙

と呼ばれるモデルです。

多くの人が思い浮かべる宇宙のイメージも、この形状をしています。

宇宙はどこまでも続く平坦な空間である

という捉え方で宇宙の全体像を仮定します。

膨張しつづける質量自体は空間より少なく、膨張し続けることができるという考え方です。

球体ではなく平坦ですので、進んでも進んでもぶつかることはありません。

宇宙空間自体に果てはなく、平面の世界ということになります。

ただし膨張する物質(宇宙)の質量には限りがあり、無限の時間をかけて膨張する率は0に近づいていく

という考え方です。

宇宙空間は無限に続きますが、いつかは宇宙の膨張は終わり、その時点が

宇宙の果て

となり得るということですね。

モデル2閉じた宇宙

次に紹介するのは、

『閉じた宇宙』

といわれるモデルです。

この考え方は要約すると、

宇宙の大きさは有限で果てはない

という考え方です。

『有限で果てはない』

という言葉に矛盾を感じるかもしれませんが…

この考え方には

宇宙は球体である

という前提があるんです。

球形であれば、大きさに限りはあります。

ぐるっと回って、一周すればまたスタート地点に戻ってきますので、永遠に回り続けることができて距離に果てはありません。

この考えでは、宇宙は永遠に膨張するのではなく、

最大点まで到達すると(つまり球体の頂点に達すると)あとは収縮していく(球体のスタート、つまり0地点に向かっていく)

という考え方にもなります。

宇宙は膨張できるところまで膨張しつづけ、限界点に到達すると1点に向って収縮していき、

今の宇宙は最終的には消滅してしまう

ということになるのです!

先ほども述べた通り、今のところ、学説では『平坦な宇宙』が主流な考え方になっていますが…

2019年に、マンチェスター大学のEleonora Di Valentino氏、ローマ・ラ・サピエンツァ大学のAlessandro Melchiorri氏、ジョンズ・ホプキンズ大学のJoseph Silk氏のグループによって、

新しい観測データから、宇宙は『閉じた宇宙』である可能性もある

という主張がなされました。

このチームによると、宇宙マイクロ波背景放射とよばれる、天球上の全方向からほぼ等方的に観測されるマイクロ波が、

最新の観測データでは、既存の物理学によって説明できない重力によって曲げられている可能性がある

と考えたのだそうです。

そして、今までの『平坦な宇宙』から、『閉じた宇宙』を前提にした考え方に当てはめると、この現象が説明できるとのこと。

今の『平坦な宇宙』が絶対ではないという、疑問提起がなされた形ですね。

モデル3開いた宇宙

閉じた宇宙では、面積に限りがあるとしましたが…

『開いた宇宙』

では、

宇宙空間は無限に広がっている

と考えます。

ちょっと想像しにくいかもしれませんね。

簡単に言うと、

宇宙は無限の空間の中でビックバンによって生まれたものなので、そもそも果てが存在しない

という考え方です。

もっと要約すると、

ある無限の空間の中に宇宙が存在する

という考え方となります。

閉じた宇宙論では、宇宙を球体と仮定しましたが、開いた宇宙論では宇宙を

乗馬で馬の背につける鞍のような形

に例えます。

宇宙の広さを例えると?

ここまで宇宙理論モデルに沿って、宇宙全体の形を解説してきました。

ところで、宇宙には

観測可能な宇宙

という区分けがあることを知っていましたか?

宇宙理論モデルでは実際に観測できないものまでイメージする必要がありました。

観測できる宇宙とは、観測者を中心として観測できうる宇宙の範囲のことを指します。

理論上、地球から観測できる宇宙の範囲は、地球を中心として

半径約465億光年

といわれています。

もはや単位からして意味がわかりませんよね…。

宇宙の測定で使われる単位は『光年』といわれる単位になります。

これは光の進む速さを単位にしたものです。

1光年=9兆4600億キロメートル

といわれ、これは

光が1年間で進む距離

です。

つまり、今われわれが認識できている宇宙の果てまで行こうと思うと、

光の速さで移動しても465億年もかかる

というわけです。

観測可能な宇宙の全体図

観測可能な宇宙の広さを体感するため、小さい単位から追っていきましょう。

地球から国際宇宙ステーション

地球からみて、上空100キロメートルを超えると宇宙といわれています。

宇宙飛行士たちは、だいたい国際宇宙ステーションを目指すことが多いため、とりあえず最初の目的地は国際宇宙ステーションとしましょう。

地球と国際宇宙ステーションの距離は

約400キロメートル。

地球から月

次に人類が有人でたどり着いた一番遠い地点が月です。

地球から月までの距離は平均で

約38万5000キロメートル

くらいです。

地球から宇宙ステーションまでの距離の約960倍の距離

です!

もうなんだか、すでに気が遠くなりそうですが、ここから一気にスケールアップしていきます。

太陽系と銀河

地球は太陽系に属します。

水金地火木土天海

という星々は、聞いたことがあるのではないでしょうか。

その星々の集まりのことを太陽系といいます。

そして、その太陽系はさらに太陽系の外に散らばる星々のあつまりである、天の川銀河に属します。

天の川銀河の直径は

約10万光年

です。

ここまでくると、地球なんてもう豆粒より小さい存在ですね!

この銀河系だけでも気が遠くなるような話ですが、さらにこの天の川銀河周辺に、同じように星々が集まった銀河系が複数存在します。

これらをまとめて局部銀河群といいます。

ちなみに、銀河群より大きいものを銀河団とよびます。

超銀河団

銀河郡や銀河団があつまってできたものを

超銀河団

といいます。

どの銀河群、銀河団も、必ずなにかしらの超銀河団に属するといわれています。

2014年の研究で、地球の属する天の川銀河は、

ラニアケア超銀河団

に属することが判明しました!

このラニアケア超銀河団の直径は

約5億光年

です。

宇宙の広さを例えるとどうなるか

わたしたちの住む地球から、超銀河団までのまとまりに集約できたところで、観測可能な宇宙の広さに戻りましょう。

地球から観測できる宇宙の範囲は、地球を中心として半径約465億光年です。

これでいくと、ラニアケア超銀河団を横に並べて

約186個分

の広さになるのです。

これが、現在わかっている宇宙の広さです。

地球が属している太陽系が属しているのが天の川銀河、その天の川銀河が属している超銀河団が、186個分ですからね。

数にして例えてみましたが、正直よくわからないくらい大きすぎて、恐ろしくなります。

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まとめ

今回は、宇宙の広さについて解説しました。

宇宙の広さは、観測できる範囲だけでも、

半径約465億光年

というとんでもない広さであり、これは光の速度で進んだとしても、465億年かかるということです。

しかも、あくまでもこの広さは、

現在観測できる広さ

なので、まだまだわかっていない範囲はたくさんあり、無限まで膨張し続けるとも言われていますよね。

また、そもそも宇宙が本当に無限かどうかは怪しいものです。

われわれ人間は、宇宙論モデルの中の1つ『平坦な宇宙』を前提として話しているだけで、実際に宇宙の全てを見たことはないのですから…。

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