『必勝を誓って応援する』
『必ず納期を守る』
とか、公私において、筆者の周りでは、”必”という文字を見かけることが多いです。
みなさんも、比較的この漢字を見かけることは多いのではないでしょうか。
もともと、この”必”という漢字は、小学校4年生で教わる漢字です。
しかし、実は、この漢字の書き順が今と昔とで教え方が変わったというのです。
では、具体的にどのように書き順が違っているのでしょうか?
また、なぜ書き順が今と昔とで変わっているのか。
そもそも書き順の意義とはどこにあるのか。
本記事で、その真相を探ってみたいと思います。
今と昔とで書き順が変わった”必”という漢字
みなさんは、漢字を覚えるとき、一緒に書き順も覚えた記憶がありませんか?
漢字ドリルで書き順をおさえながら、一つ一つの漢字を覚えていった記憶が筆者にもあり、そのことを思い出すと昔を懐かしく感じます。
当時の筆者は、本当に文章を書くどころか、漢字を覚えるだけでも苦痛になるほど国語そのものが大の苦手でした。
なので、漢字ドリルで書き順を抑えながら漢字を覚えるのがとにかく苦痛で、
「なんで書き順なんてあるの?」
と、ふと疑問を持ったことがあります。
ただ、
「そういうものだから…」
と、いつしか理解するようになり、嫌々ながら書き順と共に覚えていった記憶が蘇ります。
しかし、そこまでして覚えた書き順なのに、実は一部の漢字で、
書き順が複数存在している漢字
があったことが判明…。
「あの時に書き順を覚えたのは無駄だったの?」
と言いたくなってしまう話ですが、ある理由で、書き順が今と昔で変わったのです。
実は、”必”という漢字も、書き順が複数存在していたのです。
“必”の3パターンの書き順
さて、”必”という漢字の書き順ですが、主な書き順は3通り。
- 左の点から書き、”必”の字を書いた後、最後に払いを書く書き順。
- “X”を書くように払い・ハネを書き、次に上・左・右と点を打つ書き順。
- 上の点、払い、ハネ、左の点、右の点と書いていく書き順。
以上の3つの書き順が存在します。
この書き順は、今も存在している書き順なので、指導者によっては、教え方がバラバラ。
今も昔も、多少異なる教え方をしている可能性は高いです。
ただし一応、現在は『筆順指導の手引き』というものが存在しているので、ある程度は統一されているのかもしれません。
“必”の書き順の今と昔
具体的に、いつの時代で書き順が変化したのかは不明ですが、先程の書き順の紹介で1.の書き順が、今の書き順、3.の書き順が昔の書き順…。
そのような認識で良いのではないでしょうか。
とはいえ、具体的なことを聞かれると、教える側によっても異なるケースもあるそうなので、はっきりとしたことは言えません。
まぁ、書き順の今と昔というよりは、書き順そのものが3つ存在していると認識したほうが良いでしょうね。
“必”の書き順が今と昔とで変わった理由
漢字の書き順が、今と昔とで違って教えられている…。
教えてもらう人によって異なるのでは、子供たちが混乱してしまうかもしれません。
では、なぜ”必”という漢字の書き順が今と昔で異なっているのでしょうか?
“必”の書き順が3パターンも存在する理由
実は、書き順そのものにおいて、左上から順に
「上から下へ、左から右へ…」
と書く定義はあるものの、漢字習得においては、あまり重要視されていないのです。
しかも、1958年まで『筆順指導の手引き』は存在せず、書き順の概念そのものが存在していなかった…。
そのため、昔の教育を受けていた人や、その教えをうけた人たちと、今の筆順指導の手引きを得た上で、指導を受けたものとでは書き順が異なるのです。
楷書・行書で書き順が違う漢字も
ちなみに”上”という字のように、字画を崩さず綺麗に書く楷書の書き順と、字画を崩して一気に書く行書とで書き順が違う字もあります。
行書のように、右の横棒から1画目をスタートさせると、そのまま縦棒を2画目、最後の下の横棒を3画目とした時にきれいに書ききれてしまいます。
逆に楷書のように縦棒から1画目となった場合、スマートに書くことができなくなってしまうのです。
このように書き方の都合で、書き順が変わる漢字を知っておくと、書き順そのものは、あまり深く意識しなくても良いということが分かります。
なので、”必”の漢字の書き順は複数存在しますが、あまり深くは考えなくて大丈夫でしょう。
漢字の書き順が存在する理由・意義
先程もお話した通り、書き順そのものにほとんど意味はなく、漢字を教わる年代によって、一部の漢字の書き順が違っています。
“必”という漢字も、その一つであるということは、これまでの説明通りです。
それなら、なぜ書き順なんて面倒なものが存在するのでしょうか?
その理由はただ一つ!
整ったきれいな字を書くため
として必要だからです。
“響”を例に、書き順の意義を解説
例えば、”響”という字を書くとします。
この漢字の書き順は、上部の”郷”の部分の左上から順に書いていくことになっています。
そこで、書き順を無視して、下部の”音”の字にある”立”の部分から書いたとしたら、文字の大きさによってバランスが崩れてしまう恐れが出ます。
もし大きく書いたら、全体的に大きく書かざるを得なくなりますし、また小さく書けば、全体的に小さく書かなくてはならなくなってしまいます。
さらに、”日”の部分のスペースを忘れ、”立”の字を中央よりに書かずに下の方に書いてしまえば、当然頭でっかちな字になってしまいます。
つまり、左上から順に書いていく書き順があるからこそ、とくに習字・毛筆での執筆の際に、文字のバランスを保ちきれいに書くことができる…。
そのために書き順が必要とされるに過ぎないのです。
ちなみに、先程お話しした楷書・行書での都合という点も、書き順が定められている一つの理由です。
あくまで書き順は漢字をきれいに書くため
ようは、書き手が、字を相手に美しく見せるためだけの都合で、書き順が必要とされているに過ぎないというわけ。
とはいえ、字は相手に読まれてこそ意味があるものです。
あまり字のバランスが悪すぎて解読不可能となってしまったら、目も当てられません。
なので、全く無視していいものではなく、綺麗な字を書くためには書き順の意識も必要です。
ただ、文字そのものを覚える際には必要ない…。
そのように理解し、書き順を意識して、きれいな文字を書くようにするべきでしょうね。
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まとめ
“必”という漢字の書き順が今と昔とで違うという話をきっかけに、実は書き順が3つ存在していて、それぞれ意味はあまりないことが判明…。
まさに衝撃の事実だったのですが、書き順を覚える理由はただ一つ。
字をバランスよく書ききれいに見せるためだけ
のものだったのです。
つまり、書き順そのものは、極端な話でいえば覚える必要は一切ない!
とはいえ、書き順を無視して、めちゃくちゃ汚い字を書いてしまうと、相手に読んでもらえないことも出てきてしまいます。
なので、全く無視するのではなく、きれいに文字を書く上で、多少なりとも書き順を意識して漢字を覚えるようにしたほうが良いでしょう。