客室乗務員こと、キャビンアテンダント…
いわゆるCAは、昔から女性の憧れの職業の1つとして、常に人気を誇っていました。
今でも、CAになりたいと思っている女性は多いものです。
ただ、CAになるには、ハードルが高く、狭き門と言われてきました。
そのCAが今、なんと売り手市場になっていて、就職倍率は低くなったのです。
ある出来事によって、CAが人手不足になり、それをきっかけに狭き門が解放されたから…という事情があります。
では、CAになるためには、どのような条件が必要なのでしょうか?
この記事では、女性の憧れの職業の1つ、CA(キャビンアテンダント)について、
年収やなるための条件や資格、なぜ今なりやすいのか?
といった事情を解説していきます。
CAになる方法とは?必要な条件や資格は?
就職するには、ハードルが高く、女性の花形職とも言われたCA。
CAは、キャビンアテンダントの略で、客室乗務員のことを指します。
この『CA』という呼び方は、日本の呼び方になるそうです。
世界的に女性の客室乗務員が多かった時代は、『スチュワーデス』と呼ばれていましたね。
しかし、海外で男性の客室乗務員も増えてきたため、
スチュワーデスという呼び名は廃止。
『フライトアテンダント』
と呼ばれるようになりました。
日本では、ドラマなどの影響が根強く残っているので、キャビンアテンダント…つまり、CAと呼ばれるのが一般的です。
かつてのCAは、
倍率が100倍を超える
ような、超人気職業でした。
様々な条件がありながら、100倍を超える倍率だったわけですから、とてつもない人気なのです。
このCAになるためには、もちろん必要な条件や資格があります。
学歴
CAになるための学歴は、航空会社によって異なります。
ANAやJALのような国内大手企業となると、
専門学校・短大・大学卒・大学院卒
いずれかの学歴以上が必要です。
ちなみに、ANAの2021年度新卒採用の募集要項では、
ANA客室乗務員の応募資格
2020年4月から2021年3月までの間に専門学校・高等専門学校・短期大学・4年制大学または大学院の文系学部・理系学部(全学部)を卒業または修了見込みの方。
卒業・修了とは、
- 専門士号(Diploma相当)
- 短期大学士号(Associate degree相当)
- 準学士号(Associate相当)
- 学士号(Bachelor’s degree相当)
- 修士号(Master’s degree相当)
- 博士号(Doctor’s degree相当)
の取得を指します。
となっています。
資格・語学力
必要な資格については、
実は必ず持っていないといけない資格はありません。
しかし、多くの航空会社では、英語レベルについて、募集要項に明記されています。
実際、JALやANAなどの大手航空会社だと、
TOEIC600点程度以上の英語力を有すること
と、応募資格にあります。
そのため、
TOEICの受験は必須ではないものの、TOEIC600点と同等以上の英語力を示せる証明
の提出が必要と覚えておきましょう。
また、多くの日系航空会社では、英語力を問われる試験や、英語面接があります。
英語面接では、ネイティブのような英会話である必要はありません。
しかし、
スムーズな会話の往復が高評価
であることは、言うまでもありません。
さらに、外資系航空会社では、英語力はもちろん、近年のアジア系言語の需要に合わせて、
第二外国語のスキル
も見られています。
とくに、
- 中国語
- 韓国語
- ドイツ語
- フランス語
などの言語は、面接時の強いアピールになります。
その他、CAになる就職で有利になる資格としては、
- TOEICのスコアなど、英語力の高さを計れるもの
- 秘書検定(マナーなどが備わっているため)
- 救急法救急員資格(入社後に講習を受けて取得がどの道必要になるので、持っておくと有利)
- 第2外国語の検定資格
- 手話技能検定
があります。
身長・視力など
CAさんには、スラリとした人が多いので、
低身長だとCAになれない
なんて言われることもあります。
JALやANAでは、
航空機乗務に際し、必要な体力を有し、呼吸器・循環器・耳鼻咽喉・眼球・腰椎等に支障がないこと
が、応募条件となっていて、
具体的に身長の条件は記載されていません。
しかし、実際の業務では、頭上にある手荷物棚の開閉や、安全確認のために高いところに手を伸ばす作業があります。
あくまでも、CAとしての業務に支障をきたすことがない身長が必要です。
目安として、
155cm~160cm前後の身長は必要
になってくるでしょう。
さらに、JALやANAでの応募資格の視力としては、
裸眼またはコンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上であること
が記載されています。
CAの就職倍率が低下でチャンス到来!?
意外にも、現在はCAは売り手市場です。
積極的に、航空会社側がアプローチをかけなければいけないほどの人手不足に陥っています。
就職倍率は低くなり、CAは今や高根の花から、なろうと思えば、短大卒でも就活をすることでCAになれる…。
そんな時代が到来しています。
では、なぜCAの就職倍率が低下したのか?
その理由も調べました。
CAの就職倍率は低下しましたが、今でもまだ、CAが人気の職業であることには変わりありません。
しかし、他の職種を希望する人が増えたことも事実。
それに加えて、ある1つの存在の増加が、CA希望者を減らすだけでなく、航空会社の人材確保に悪戦苦闘させる背景があるのです。
そのため、
容姿的条件はなくなり、学歴も問わず、英語力は入社後の教習で補う
という航空会社も増えてきました。
そして、CAの人手不足による就活ハードルを下げた存在といのが…
LCC(ローコストキャリア)
でした。
つまり、格安航空会社の増加が、CAの就職倍率低下の理由だったのです。
LCCの就航が増えたことで、それに伴って必要になるCAの数も増加します。
さらには、ビジネス・観光問わず訪日客が増え、国際線の発着数も増えています。
これによりCAの負担を減らすため、新たな人材が必要になりますよね。
例えば、ANAは2015年には新卒と中途をあわせて1000人以上のCAを採用しました。
当時は、大手でも毎年300人程度を採用するくらいが通常だったので、これがいかに異常な多さであるのか。
さらに、2017年の採用人数は700人…。
JALに比べると倍の人数です。
加えて、CA希望者の減少が響いてきます。
女性の社会進出も増え、また性別による採用が、男女共同参画社会の推進で減ったことにより、女性でもなれる職業が増加しました。
CA以外を目指す女性が増えたのです。
さらに、希望者の低下という意味でも、LCCの存在は航空会社に大きな影響を与えています。
それが、労働環境の過酷さです。
LCCのCAは、過酷な激務をこなしています。
激務でありながら、勤務時間や休日は不規則、国際線を担当するならば、時差もあります。
体力がないと、CAを務めることはできません。
CAはガテン系だ
とすら言われるレベルの過酷な環境なのです。
それでいて年収をみても、今や高収入ではなくなりました。
すでにCAに対する華やかなイメージはなくなってしまったと言ってもいいでしょう。
一応、ANAやJALなどが労働環境の改善のため、正社員雇用を増やしました。
JALについては、さらに出産前後の労働環境も整え、妊娠が判明したら産休に入ることが可能になりました。
また、出産前まで地上勤務に配置を変えてくれたり、産後は3年間の育休が取れるようにも改善。
2016年には、不妊治療休職制度も導入しています。
ただ実は今、女性の人気職は、
転勤がない大企業の一般職
に移っています。
つまり、働きやすい環境が求められているわけですね。
一時期は、憧れと花形職業というだけで希望者がどんどん増えていたCAも、LCCによってその激務と華やかさが低下。
人材不足で採用基準を落とす航空会社が出てきたことで、さらに特別感はなくなりました。
夢描く華やかさは、失われつつあるCAです。
しかし、それでもCAを目指したい人は、今がチャンスと言えます。
CAの年収はいくら?
最後に、CAの年収についても触れてみましょう。
CAといえば、ブランドバッグなどを持って海外旅行するなど、高給取りで華やかなイメージを持っている人が多いです。
一時期は、30歳で年収1000万なんて言われたこともありましたね。
しかし、今ではどうでしょう。
2001年の頃は、平均年収が679万円だったCAは、2015年には
525万円
と、10年ちょっとで約100万円も平均年収はダウンしているのです。
2020年現在、厚生労働省発表の『賃金構造基本統計調査(職種別)』の過去5年間統計から計算されたものが、
平均550万円前後
となっています。
ちなみに、航空会社の規模別平均年収だと、
- 国内大手:約450万円~約540万円
- 外資系:約500万円前後
- LCC:約200万円台~
- 地域航空会社:約370万円
となっています。
航空会社によって、バラつきがあります。
この平均年収の低下には、やはりというべきか、LCCの増加が関わっていると見ていいでしょう。
逆に言えば、待遇が改善されてきたJALやANAといった国内大手の航空会社なら、長いキャリアを積めば年収600万円台に乗っていくことは可能です。
多少は年収が下がったとはいえ、大手航空会社の場合は、高給取りであることには違いありません。
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まとめ
今回は、CAになる方法や、今なぜCAになりやすいのか、その背景を紹介しました。
CAになるためには、
専門学校・短大・大学卒・大学院卒
以上の学歴が必要となります。
さらに、英語力や身長・視力などの条件もあります。
具体的な必要資格はありません。
しかし、
- TOEICのスコアなど、英語力の高さを計れるもの
- 秘書検定(マナーなどが備わっているため)
- 救急法救急員資格(入社後に講習を受けて取得がどの道必要になるので、持っておくと有利)
- 第2外国語の検定資格
- 手話技能検定
などの資格は、面接時のアピールポイントとなるでしょう。
CAの就職倍率低下と言われる背景としては、LCCの増加があげられます。
LCCの増加により、CAの現実を見せつけられて、希望者を減らすことに繋がったり、CA全体で見ると、給与の低下に繋がっていたり…。
CA業界には、良い影響を与えていないことは、驚くべきことです。
それでいて、もともとが勤務時間が不規則で、体力がないと続けられません。
カツカツの人手でやっていたのも頷けますね。
今は、CAの需要が高まっていますから、多少の質を落としても人材を確保したいのが、業界の方向性ではないでしょうか。
そう考えると、昔のような特別感が失われたCAになって、果たして良いものなのかどうなのか…。
考えさせられますね。